カスタマーサクセスツール(CSツール)とは?
ここ数年、Saas型のサービスを中心としてサブスクリプション型の料金体系で提供されるサービスが増加してきました。サブスクサービスでは、顧客に長期間サービスを利用してもらうことが重要です。そこでサービスの継続率を向上させるためのカスタマーサクセスが重要となっています。
この記事では、カスタマーサクセスをサポートするためのカスタマーサクセスツール(CSツール)について詳しく解説します。
カスタマーサクセスについて
カスタマーサクセスとは、顧客が自社が提供しているサブスクサービスを利用することでより良い体験を得ることを能動的にサポートすることです。
カスタマーサービスと混同されがちですが、カスタマーサービスは顧客からの問い合わせなどを受動的に対応するのに対して、カスタマーサクセスでは能動的な働きかけにより顧客のサービス利用をサポートし、継続率向上を図ります。
CSツールの役割とは?
カスターサクセスツールの主な役割は次の3つです。
- 解約率を下げる
- LTVを向上させる
- 顧客ニーズに基づいたサービスの改善
それぞれについて詳しく解説します。
解約率を下げる
カスタマーサクセスツールの役割の一つとは、解約率を低下させて継続利用をしてもらうことで利益を生み出すことです。
カスタマーサクセスツールを導入することで、顧客の解約の予兆を見出すことが可能になります。サービスの利用頻度が減ってきた、退会方法を検索したなどの予兆に対して、顧客が解約を考えるに至った不満や課題を先回りしてサポートできます。
LTVを向上させる
LTVとは「Life Time Value」の頭文字です。日本語では「顧客生涯価値」と言います。一人の顧客が生涯に渡ってその企業へもたらす価値のことです。
顧客にサービスをより長く利用してもらうことがサブスクサービスでは重要なので、LTVを向上させることがカスタマーサクセスツールでは重要な役割となります。
顧客ニーズに基づいたサービスの改善
カスタマーサクセスツールの役割とは、顧客ニーズを分析して、LTVを向上させるための改善点を見いだすことです。より高いLTVを得るためには、提供しているサービスが顧客にとってより良いものとならなければいけません。
カスタマーサクセスツールでは、顧客のサービスの利用状況を把握することができます。また、カスタマーサポートでの対話を通して顧客が困っていること、改善してほしいことを理解できます。
利用状況とカスタマーサポートでの対応から得られたデータを分析することで、製品の改善点を見いだし、提供するサービスの質を向上させることが、カスタマーサクセスでは重要です。そのために必要なデータを得ることがカスタマーサクセスツールの役割です。
カスタマーサクセスツールの選び方
カスタマーサクセスツールといっても色々なツールがあります。どのように選んだらいいのか、選び方の3つのポイントについて解説します。
必要な機能や特徴とは?
カスタマーサクセスツールと言っても、ツールごとに利用できる機能や特徴が大きく異なります。また、企業によって必要とする機能も違います。
まずは、カスタマーサクセスツールの導入でどのような課題を解決したいのかを明確化しましょう。また、現在の体制でも十分に対応できている部分も確認しましょう。
自社のカスタマーサクセスに対する課題と強みを明確化することで、どのような機能が必要なのかも明確となります。
問い合わせへの対応方法
カスタマーサクセスにおいては、顧客からの問い合わせへの対応も重要なポイントになります。すでにカスタマーサポートが充実している場合には、問い合わせ対応はカスタマーサポートで対応できます。しかし、カスタマーサポートが確立していない場合には、カスタマーサクセスツールで問い合わせへの対応方法を選ぶこともできます。
カスタマーサクセスツールでは、顧客からの問い合わせ方法を、チャットツールやFAQの提供などから選ぶことができます。どのような問い合わせ対応方法が自社のサービスに合っているのかも考えてカスタマーサポートツールを選ぶこともポイントです。
導入にあたって必要な料金とは?
カスタマーサクセスツールを選ぶときには、どのくらいの利用料金なら導入できるのか、コストの問題についても事前によく検討しておくことが大切です。カスタマーサクセスは、顧客へのサービスの提供と併せて継続して利用するものなので、料金の負担も継続できる料金設定のものを選ぶことが重要です。
カスタマーサクセスツールを導入するためのコストの問題も事前によく検討しておきましょう。
おすすめカスタマーサクセスツール【LTV最大化】
ここからはおすすめのカスタマーサクセスツールをご紹介していきます。まずは、LTVを最大化させるための機能が充実しているカスタマーサクセスツールをご紹介します。
Adobe Marketo Engage
マーケティングオートメーションツールのAdobe Marketo Engageですが、サービスの契約後の顧客へのカスタマーサクセスの提供にも役立てることができます。顧客の行動をトラッキングし分析することで、それぞれの顧客に対して最適な施策やサポート体制を打つことが可能になります。
BtoBにもBtoCにもどちらでも利用可能で、企業の規模や業種を問わず幅広く導入可能なツールです。
commmune
commmuneとは、カスタマーサクセスに必要な機能をオールインワンで導入できるサービスです。顧客コミュニティの構築からメールやナレッジベース、顧客へのトレーニングの提供などカスタマーサクセスに必要な様々な機能を、ノーコードで構築できるカスタマーサクセスツールです。
料金体系は利用できる機能に応じて、ライト、プロ、エリート、エンタープライズの4種類が用意されています。導入後のサポート体制も充実しています。
CustomerCore
CustomerCoreは、顧客のサービスの利用状況現状をリアルタイムで把握して、顧客ごとに最も最適なカスタマーサクセスを提供できるツールです。スタッフの人数が少人数でも、多くの顧客に最適なカスタマーサクセスを効率的に提供できるように設計されています。
CRMやSFAの顧客情報や、メールやチャットでの顧客とのやり取りをCustomerCoreに集約して管理できるようにすることで、それぞれの顧客に最適な対応を取ることが可能になります。
料金は初期費用50万円から、月額料金10万円から利用可能です。
Growwwing
GrowwwingはサブスクサービスでのLTVの最大化を最大の目的として開発されたカスタマーサクセスツールです。顧客の契約後のデータを一元管理し、適切な戦略とターゲティングによる集中と選択で大幅な工数削減を実現し、カスタマーサクセスを最大限に効率化します。
Growwwingの導入により、年次解約率が10%から3%へ減少、解約金の44%の減少などの効果が多くの企業で現れています。料金は月額3万円から利用可能で、低コストでの利用が可能なCSツールとしても注目されています。
KiZUKAI
KiZUKAIは社内に分散しがちな顧客データを集約して一元管理することにより、顧客の状況をリアルタイムで把握して、LTVを向上させるための施策を打つことができるカスタマーサクセスツールです。
KiZUKAIを導入することで、今まで膨大な時間を掛けていた顧客分析があっという間に終わります。顧客の現状をその都度把握できることで、解約リスクが高まっている顧客を見つけ出し、施策をすぐに打つことが可能になります。
利用料金は導入規模に応じた料金となります。
Surpass
Surpassは女性の営業アウトソーシング会社ですが、ただ単に契約を取れればいいというだけの営業ではなく、契約後の顧客との関係性を良好に保つためのカスタマーサクセスにも力を入れている営業代行会社です。
営業のDX化やデジタルマーケティングの支援も行っており、デジタルツールを活用したカスタマーサクセスの支援も受けられます。
マーケティングや営業からの一連の流れとして、カスタマーサクセスを向上させたいのなら、こちらの企業への依頼も検討して見る勝ちがあるでしょう。
pottos
pottosはBtoB専用のカスタマーサクセスツールです。SaaSでのサービスを利用している顧客の利用状況を把握して、それぞれの顧客の状況に応じた自動サポートを提供することができます。
カスタマーサクセスの多くの工程を自動化できるので、カスタマーサクセス担当者の業務の負担を大幅に軽減できます。限られたスタッフで、LTVを最大化させることが可能になるCSツールです。
Zendesk
Zendeskは顧客へのカスタマーサービスを様々なチャネルから提供できるツールです。顧客とのコミュニケーションを可視化することで、カスタマーサクセスにも役立つデータを取得することができます。
カスタマーサービスツールとしてだけでなく、カスタマーサクセスツールとしても利用している企業も多く、企業毎に様々な工夫が可能なツールです。料金は1サポートデスクごとに約50ドルからです。
Amplitude
Amplitudeは提供しているサービスに関する顧客の行動を完璧に分析することができるカスタマーサクセスツールです。自社のサービスを顧客がどのように利用しているのか、ユーザーインサイトを深い視点から得られる分析機能とトラッキング機能により、ユーザーが望んでいることを把握して、次に打ち出す施策を考えることが可能です。
料金無料で利用できる無料体験の利用も可能です。ぜひ公式ホームページからお問い合わせください。
Fullstar by Cloud CIRCUS
FullstarはCloudCIRCUSから提供されているカスタマーサクセスツールです。カスタマーサクセスの導入が初めての企業でも、驚くほど簡単に導入できるサービスとして注目されています。
Fullstarは提供しているSaaSの管理画面にツールを設置して、顧客の状況をリアルタイムで把握することができます。解約防止やアップセルのためのLTV最大化の施策を簡単に打てるツールです。
料金は月額55,000円からですが、完全無料で利用できる無料プランも用意されています。
Freshworks
Freshworksはインド発のSaaS提供会社です。顧客満足度も社員満足度も両方引き上げるために役立つBtoBのSaasサービスを提供しています。
Freshworksから提供されているカスタマーサクセスツールFreshdeskでは、顧客とあらゆるチャネルでのコミュニケーションが可能になります。顧客へのサポートを充実させながら、顧客のニーズをより満たすためにどうしたらいいのかを考えることができます。
料金は月額15ドルからです。完全無料のフリープランも用意されています。
Gainsight
Gainsightのカスタマーサクセスツールでは、顧客に関するインサイトデータを包括的に取得して、顧客の傾向を把握できます。顧客に関する理解をより深めることで、解約リスクをいち早く発見することができます。
おすすめカスタマーサクセスツール【FAQツール】
カスタマーサクセスツールは顧客からの問い合わせへの対応方法で選ぶこともできます。カスタマーサクセスの提供方法の一つにFAQの提供もあります。FAQツールのおすすめをご紹介します。
sAI Search
sAI Searchは、すでに作成済みのFAQをアップするだけですぐに顧客にとって使いやすいFAQを提供できるツールです。
顧客が質問を入力しなくても、タグを選択するだけで欲しい答えにたどり着くことができます。タグはFAQをアップするとAIが自動で作成してくれます。料金プランは3種類用意されていて、必要に応じたプランを選択できます。
SyncAnswer
SyncAnswerはクラウド型のFAQ管理ツールです。サポートセンターなどに寄せられるお問い合わせをFAQとしてまとめて提供できます。
FAQへのアクセス解析機能が付いていて、利用状況から顧客のニーズやサービスを利用する上での課題を把握することができます。料金は月額5万円から利用可能です。初期費用が別途かかります。
KotaMi
KotaMiはAIを活用したクラウド型のFAQ提供サービスです。事前にFAQを作成してアップすると、AIがFAQの内容を予め分析します。そして、顧客からの質問文に対して最適な答えを表示します。
その後、その答えが最適だったかどうかを顧客が評価することで、FAQが顧客が求めているFAQを学習できます。使えば使うほど、FAQの精度が向上していくFAQ提供ツールです。
利用料金は月額55,000円から利用可能です。初期費用が別途かかります。
Tayori
Tayoriは顧客対応を一元管理するためのツールです。利用できる機能はフォーム、FAQ、アンケート、チャットがあります。FAQは編集画面がとても使いやすく、作成も更新もスピーディに行えます。
アンケートやチャットの利用なども可能なので、様々な角度からのカスタマーサクセスが可能になります。
おすすめカスタマーサクセスツール【チャットサポートツール】
カスタマーサクセスツールには、問い合わせへの対応方法としてチャットでのサポートを行うためのツールもあります。チャットを管理してサポートできるツールのおすすめをご紹介します。
sinclo
sincloはWebサイトにノーコードで設置可能なチャットボットツールです。Webサイトにたった1行のコードだけでチャットボットを設置可能です。チャットは完全自動化されたチャットボットと、Bot対応が不可能な問い合わせには有人対応が可能な、ハイブリッドのチャットでの管理もできます。
sincloでは、チャットボットの利用履歴から統計レポートを作成できます。顧客分析に役立てることも可能です。
KARTE
KARTEはWebサイトを訪問した顧客を深く理解して、顧客それぞれに合わせた最適な対応を可能とするWeb接客ツールです。顧客のWebサイト上での行動を深く分析し、それぞれの顧客に対して最も適切なコミュニケーションをチャットなどで提供できます。
チャットや分析機能の設置はノーコードででき、エンジニアやデザイナーがいなくても、簡単に適切なサイト管理ができるようになります。
チャネルトーク
チャネルトークはWebサイトに設置できるWebチャットと、CRMマーケティングツール、スタッフ間のコミュニケーションが可能なビジネスチャットをオールインワンで導入できるツールです。
Webチャットでのやり取りをCRMへ登録して管理し、顧客の動きや対応スタッフ間で共有できます。WebチャットとCRM、ビジネスチャットの3つのツールが連携することで、顧客を逃さないように最適な施策を打つことが可能になります。
料金は月額3,000円から利用できます。とてもリーズナブルな料金で導入可能なツールです。
おすすめカスタマーサクセスツール【コミュニティ管理ツール】
顧客からの問い合わせへの対応方法としては、顧客同士で情報交換をすることで解決を図ってもらうコミュニティを構築する方法もあります。より深くサービスを理解している顧客から問い合わせへ答えてもらうことで、カスタマーサポートやFAQのナレッジを提供してもらいます。
コミュニティ管理のためのおすすめツールがあります。コミュニティ管理ができる2つのツールをご紹介します。
SmartCore
SmartCoreは会員管理のためのツールです。会員を管理するための機能と、会員制サイトの構築ができます。
SmartCoreでは、基本機能に加えて、必要に応じてオプション機能を追加することができます。顧客からのお問い合わせも一元管理することが可能です。
SmartCoreではオプションを柔軟に選択できるので、低コストでの導入も可能です。
coorum
coorumはユーザー同士のコミュニティを構築して管理できるツールです。顧客同士がコミュニケーションを取れるコミュニティを構築することで、顧客満足度を向上させて、さらなるリピート購入やアップセルにつなげていくことができます。
coorumでは、それぞれの顧客のサービスの利用ステージに合ったコンテンツの提供を最適化できます。それぞれの顧客に対するサポートを最適化することで、顧客満足度を大幅に向上できます。
coorumの導入により、顧客満足度150%アップ、LTV120%アップ、カスタマーサクセスに掛けるコスト20%削減を実現した企業もあります。
おすすめカスタマーサクセスツール【NPSツール】
NPSとは「Net Promoter Score」の頭文字で、顧客ロイヤリティの指標です。顧客の企業やブランドに対する愛着度や信頼度を数値化したものです。顧客がどのくらい提供している商品やサービスに対して満足しているかを、具体的な数値で測ることができます。
カスタマーサクセスツールには、NPSの計測ツールもあります。顧客満足度を数値化できる3つのNPSツールをご紹介します。
Ambassador Relations Tool
Ambassador Relations ToolはCRM、MA、NSP計測、顧客分析の機能が利用できるツールです。料金プランは完全無料で利用できるフリープランが用意されているので、導入しやすいツールでしょう。
このツールのNSP計測機能では、NSPを計測するのに必要なアンケートメールを定期的に配信できます。アンケートの対象者は特に利用者の代表となるアンバサダーを選んで送信することで数値の信頼度を向上できます。
EmotionTech
EmotionTechは顧客満足度やNSPを計測するためのクラウドサービスです。独自の手法を用いて、満足度やNSPを計測して、より正確なデータを把握します。調査結果からそれぞれの企業やサービスが抱えている課題を特定します。
必要なスタッフにデータの詳細や分析結果を共有することで、最適なタイミングでの施策の実行が可能になります。
自社にあったCSツールを見つけよう!
ご紹介したように、カスタマーサクセスツールと言っても、その機能の幅はとても広いものがあります。それぞれの企業にとって最適なツールを選ばないと、カスタマーサクセスの効果は大幅に薄れてしまうでしょう。
今回ご紹介したツールの中には、無料体験ができるものや問い合わせると詳細について詳しく教えてくれるものもあります。
ぜひ、気になるツールは無料体験を申し込んだり、問い合わせてみたりして、色々なツールを試してみましょう。ぜひ、貴社に最適なカスタマーサクセスツールを見つけて、より価値ある体験を顧客へ提供できるようにしていきましょう。
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