セールスフォース(Salesforce)とは?
企業の業務のさまざまな場面をデジタル化して効率化するDX化を進めることが、多くの企業で求められています。営業活動を効率化するためのCRM(顧客管理)ツールやSFA(営業支援)ツールの導入を検討している企業も少なくありません。
世界的に評価が高いCRM/SFAとして有名なのがセールスフォースです。この記事では、セールスフォースとはどのようなツールなのか、その詳細について詳しく解説します。
統合CRMプラットフォームのこと
セールスフォースとは、クラウドベースで利用できるCRM/SFAツールです。アメリカのセールスフォース・ドットコムが開発したツールで、世界でCRMツールの利用率1位を誇るツールです。海外製のツールですが、日本語化もされていて、日本でも導入企業が多数あります。日本でのCRMツールの利用率1位の、多くの企業から高く評価されているツールです。
必要な機能を組み合わせて使える
セールスフォースが世界でも日本でも利用率1位を誇るその理由とは、営業活動に必要な機能を必要に応じて組み合わせて使うことができる点です。セールスフォースで利用できるツールとは、顧客管理と営業支援ができるSales Cloud、顧客対応を支援することができるService Cloud、Webマーケティングを自動化できるMarketing Cloudなどのツールがあります。
企業によって、営業戦略やマーケティング戦略はそれぞれ違います。セールスフォースを導入することで、それぞれの企業の戦略に合った機能を導入できる点が、多くの企業から支持されている理由です。
セールスフォースを導入するメリットとは?
セールスフォースを導入することには企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。セールスフォース導入で得られる5つのメリットについて詳しく解説します。
効率の良い営業業務が目指せる
セールスフォースを導入することで、営業活動の大幅な効率化を図ることができるというメリットが生じます。セールスフォースに登録した顧客情報の詳細を営業担当者はいつでも確認できます。顧客の予算や競合他社のデータなど、営業活動に欠かせないデータを確認しながらの営業が可能になります。
また営業担当者は営業の進捗状況をセールスフォースに登録して、他のスタッフと共有できます。顧客情報と営業の進捗状況をチーム全体で共有できるようになることで、チームでの戦略構築や、進捗が遅れている場合の修正などが可能になります。また、情報を共有しやすくなることで、担当者の急な欠席や異動、退職でも引き継ぎがスムーズに行われるようになるというメリットもあります。
人材の育成がしやすくなる
セールスフォースを導入することで、人材の育成がしやすくなるというメリットも得られます。今までの営業活動は、営業担当者個人の力量に負うことが多く、属人化しすぎているという課題がありました。
セールスフォースには営業担当者全員が顧客とどのようなやり取りをしたのか、商談、メール、顧客へのアプローチの過程、提案したときの資料などをすべて記録して保存できます。成果を上げている営業担当者のノウハウをセールスフォース上で共有できることによって、成果を上げやすい手法をマニュアル化しやすくなります。
ベテラン営業スタッフの手法をマニュアル化して新人教育に生かせるようになるので、優秀な営業スタッフの育成がしやすくなるというメリットがあります。
情報を共有できる
セールスフォースを導入することで、顧客情報や営業の進捗情報の共有がしやすくなるというメリットがあります。セールスフォースのクラウドサービスを導入すれば、営業担当者は外回り先からでもスマホやタブレットで必要な情報を引き出せるようになります。
また営業活動の報告も、セールスフォースのスマホアプリから速やかに入力できるので、商談の進捗状況もリアルタイムで共有できます。
提供サービスの品質を上げられる
セールスフォースを導入すると、顧客への対応のスピードが上がります。営業担当者が顧客から聞いた情報やクレームをセールスフォースに入力すると、リアルタイムで社内に共有されます。何らかの対応が必要なクレームの場合には、速やかに担当部署に対応を依頼することができます。
また、顧客が何らかの課題を抱えていることがわかり、その情報をセールスフォースに登録することで、社内から新しい解決策が上がってくる可能性があります。
セールスフォースの導入により、顧客への対応を迅速化することで提供サービスの質を上げることができます。
他の部署との連携もしやすくなる
セールスフォース登場以前では、顧客情報は営業担当者個人や部署ごとに保管するもので、部署を超えての共有はされていませんでした。そのことで、マーケティング担当が獲得したホットリードの情報が営業で生かされないなど、業務の非効率化が生じていました。
セールスフォースを導入することで、顧客情報が社内で一元管理できるようになります。部署を超えての情報共有もしやすくなり、マーケティング担当からホットリードの情報を営業担当への引き継ぐことや、コールセンターに寄せられた苦情の担当部署への引き継ぎなどの、部署を超えた連携がしやすくなります。そのことで、今までは顧客対応は営業部門だけの問題だと言う認識だったのが、営業や顧客対応に関する課題を全社的な問題として捉えることが可能になるというメリットがあります。
セールスフォースを導入するデメリットとは?
セールスフォースの導入にはデメリットも大きいという声もあります。セールスフォースの導入で生じるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。特に生じやすい4つのデメリットについて解説します。
業務変更への理解が得られない可能性がある
初めてクラウドで共有できる顧客管理ツールを導入する企業や、すでに導入済みのツールからセールスフォースに切り替える企業の場合には、社員の理解が得られないというデメリットが生じる可能性があります。社員の中で、今までのやり方やツールに特にデメリットを感じていなかった場合、使いにくくデメリットが大きいと噂されるセールスフォースへの切替は、業務にデメリットを生じさせるものであると感じてしまう可能性があります。
CRMツールは導入しても成果が出るのに半年から1年程度かかるので、社員の不満が大きいのに多額の費用をかけて導入して、成果が上がらないと特にデメリットを強調する声が上がる可能性があります。
導入時の負荷がかかる可能性がある
セールスフォースの導入に限らず、新しいツールを導入するときには、そのツールを利用する担当者が使い方をマスターするまでに時間がかかるというデメリットがあります。すでに、似たようなツールからの切り替えの場合には、操作の大まかな流れは変わらないので、操作を理解するのに時間がかかるデメリットはあまりないでしょう。
しかし、クラウド型の顧客管理ツールをセールスフォースで初めて導入する場合には、運用担当者にかかる教育の負荷が大きくなる可能性があります。教育コストがセールスフォース導入のデメリットになるでしょう。
入力データにムラができる可能性がある
クラウドツールの導入が初めての場合、スタッフ全員がセールスフォースにデータを入力してくれるようになるのに時間がかかる可能性がある点がデメリットになるでしょう。すでにクラウド型の顧客管理ツールや営業支援ツールを導入していて、その利便性をスタッフ全員が理解している場合には、セールスフォースに切替えてもすぐに必要なデータを入力してくれるでしょう。
しかし、このようなツールの利用が初めての場合、ツールのデメリットよりもメリットが大きいと力説してもなかなか理解してもらうのが難しいこともあります。全員が正しいデータを入力してくれないと、データに漏れが出てしまい、セールスフォースでの正確な分析ができなくなります。
セールスフォースの導入が難しそうな場合には、入力項目を減らすなどの入力の手間をできるだけ少なくする工夫も大切です。
効果の実感に時間がかかる可能性がある
セールスフォースに限らず、CRMツールは導入してから成果を実感できるようになるまでに半年から1年程度の時間がかかる点は最初からデメリットとして理解しておきましょう。CRMの本領は、ある程度のデータが蓄積してから発揮されます。データ量が蓄積されれば詳細な分析が可能になり、営業活動の戦略の見直しなどができるようになります。しかし、データ量が蓄積していない段階では、このCRMの本領とも言うべき分析ができません。
すでにあるデータをセールスフォースに流し込んで活用できるのなら、すぐ分析に取りかかれますが、セールスフォース導入後にデータの蓄積を開始するのなら、最低でも1年間は使い続ける覚悟を決めましょう。
セールスフォースを活用する時のポイントとは?
セールスフォースを導入して活用するときには、どのようなポイントを押さえて活用したらいいのでしょうか。セールスフォース活用のポイントとはどのような点なのか解説します。
一連の流れと課題を確認する
企業が業務管理方法として、PDCAサイクルを活用しているところが多いことでしょう。セールスフォースを、PDCAサイクルのプロセスの中に入れてみると、活用しやすくなります。
営業の計画を立てて(Plan)、商談を実行(Do)したら、商談の報告のDoの中にセールスフォースへの入力も入れてしまいます。すると、自動的に報告が送信されるので上司の確認と評価(Check)がスムーズに行われて、改善点(Action)も浮かび上がってきます。
この一連のPDCAの流れの中にセールスフォースを組み込むことに成功した企業は、セールスフォースの活用に成功しています。
標準機能を基にカスタマイズする
他にも優れたCRM/SFAツールがあるにもかかわらず、セールスフォースへ切り替える企業が多いのは、細かいカスタマイズが可能なためです。しかし、先々の運用を考えずにあまり細かくカスタマイズを重ねてしまうと、却って活用しにくいツールになってしまいます。
セールスフォースを活用しやすいツールにする場合には、あまり細かすぎるカスタマイズは行わないほうがいいでしょう。標準機能をベースにしながら、それぞれの企業の実情に合わせたカスタマイズを行ったほうが、機能を活用しやすいツールになります。
正確な情報の入力を意識する
セールスフォースの実力を発揮するのは、ある程度のデータがセールスフォースの中に蓄積してからです。セールスフォースにデータを蓄積するためには、営業担当者が常に正確な情報を入力しなければいけません。営業担当者が入力する場所を間違えていたり、正確な情報を入力しにくいフォームになってしまうと、正確な情報が蓄積されずに、正確なデータからの分析ができなくなります。
正確にデータを入力してもらうためには、営業担当者がそれほど手間をかけずにより正確に入力できるシステムづくりが大切です。重要なデータは同じデータを2度入力して、2箇所のデータが一致しなければ次に移れないなど、正確なデータを入力しやすい入力フォームを設計しましょう。
セールスフォースの利用料金とは?
セールスフォースを導入するのなら、費用はどのくらいかかるのでしょうか。セールスフォースはSalesforceの本社以外にも代理店での販売も行われていて、販売元によって価格が異なります。しかし、大体の目安となる価格はあるので、目安となる価格の詳細について詳しく解説します。
無料トライアルについて
セールスフォースでは導入を検討している企業のために30日間の無料トライアルを用意しています。無料トライアルでは、セールスフォースのプラットフォームで構築されたSales CloudのProfessional Editionを体験できます。
Professional Editionでは、セールスフォースの最も根幹的な機能であると言ってもいいCRMのすべての機能を利用できます。ぜひ、無料トライアルでセールスフォースの高い機能性とスムーズな操作性を確認してみましょう。
セールスフォースの価格の目安
無料トライアルの結果、本格的にセールスフォースを導入することを決めたら、実際にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。こちらでは、SalesforceのSales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloudの3つのツールの価格の詳細について解説します。
Sales Cloudの場合セールスフォースのSales Cloudとは、セールスフォースから提供されているCRM及びSFAツールです。CRMとして顧客や見込み客の情報を管理しながら、SFAとして営業の進捗状況を管理して、営業チームや社内全体で営業の状況を共有できるようにします。顧客情報と営業情報を共有して、営業活動を効率化させて、受注確度をアップさせるのに必要なツールです。
セールスフォースのSales Cloudには4つの料金プランが用意されています。初期費用はかかりません。料金プランごとの月額利用料金は次の表のとおりです。
セールスフォースの料金プラン | Essentials | Professional | Enterprise | Unlimited |
月額利用料金(税抜) (1ユーザーあたり) |
3,000円 | 9,000円 | 18,000円 | 36,000円 |
特徴 | 10ユーザー以下 シンプルに始められる |
規模の大小に関わらず導入できる総合的に機能を利用できるCRM | 細かいカスタマイズが可能 | CRM機能とサポートを無制限に使い放題 |
セールスフォースのService Cloudとは企業のカスタマーサービスをサポートするためのツールです。問題解決のためのコミュニティの提供、コールセンターやメールでの対応をサポートします。セールスフォースのService Cloudには4つの料金プランが用意されています。初期費用はかかりません。料金プランごとの月額利用料金は次の表のとおりです。
セールスフォースの料金プラン | Essentials | Professional | Enterprise | Unlimited |
月額利用料金(税抜) (1ユーザーあたり) |
3,000円 | 9,000円 | 18,000円 | 36,000円 |
特徴 | セールスとServiceを一つにしたアプリ | ユーザー数の上限無しで利用可能 | 細かいカスタマイズが可能 | CRM機能を無制限に使い放題 |
セールスフォースのMarketing Cloudとは、マーケティングを自動化するためのMAツールです。Web上での広告、メール、Eコマース、SNS、カスタマーサービスで、顧客や見込み客に対して価値ある体験を提供し、関係性を育み、購買意欲を高めることができます。Marketing Cloudの統合的な顧客データベース構築のためのCustomer 360 Audiencesのエディションごとの価格は次のとおりです。
Customer 360 Audiencesの価格 | Corporate | Enterprise | Enterprise Plus |
月額利用料金(組織での) | 1,500,000円 | 6,000,000円 | 7,800,000円 |
特徴 | 中規模企業のデータ資産の統合と拡大ツール | 大規模な組織での全データのセグメントと有効化 | Enterpriseにプラスしたプレミアムサポート |
セールスフォースを使いこなせない場合の理由とは?
多額な費用をかけてセールスフォースを導入したものの、活用しきれずにツールの使用をやめてしまったり、他のツールへ乗り換えたりする企業も多いのが現状です。セールスフォースを活用しきれなかった企業の特徴を分析すると、次の2つの共通する特徴があります。セールスフォースを使いこなせない企業の特徴について解説します。
明確な目的を定めていない
セールスフォースの機能を活用しきれなかった企業の多くが、セールスフォースを導入する明確な目的が定まっていませんでした。セールスフォースを導入する最大の目的は、今まで営業担当者や営業部署で囲い込んで管理していた顧客情報と営業の進捗状況を、社内に共有化して管理できるようにすることです。
しかし、今まで情報の管理を囲い込むことで社内での優位性を保っていた担当者や部署からは、情報の管理の権限を剥奪されるということで大きな抵抗を受けてしまいます。
しかし、導入する目的や背景が明確化していれば、反発する声も押し切ることができます。導入に失敗した企業は、反対の声を押し切れるほどの理由の明確化ができていなかった場合がほとんどです。
管理者による分析や改善が行われていない
セールスフォースを導入することで、営業担当者からの報告をリアルタイムで管理者に行うことが可能になります。しかし、管理者がその報告を分析して、問題点や改善点を適切にフィードバックできなければ、セールスフォースを導入した効果が半減してしまいます。
セールスフォースを活用すれば、現場の担当者と管理者の双方向のリアルタイムなコミュニケーションが可能になります。管理者は担当者から上がってきたデータをしっかりと分析し、必要なフィードバックを行うことで、セールスフォースの導入効果を何倍にも上げることができます。
セールスフォースを活用する時の注意点とは?
セールスフォースを導入して活用するときには、いくつか注意点があります。セールスフォースを活用する上での注意点とはどのような点なのか解説します。
不要な作業は減らす
セールスフォースは使いにくいという声の中に、現場の担当者が入力する項目が多すぎるというものがあります。セールスフォースは営業を効率化するためのツールなのに、営業担当者が現場での入力の手間を面倒くさいと考えてしまうのであれば本末転倒です。
セールスフォースを導入する上で、あちらこちらから、どのようなデータが欲しいか、どのようなツールにして欲しいか、といった要望が上がってくるでしょう。しかし、すべての要望を聞くわけにはいきません。どのような目的でツールを導入するのか、その目的を明確化した上で、営業担当者の入力項目は必要最低限の入力フォームに設計して、できるだけ必要ない作業は省けるようにすることが、長く使い続けるために必要です。
合わない時は他のサービスも検討する
色々と工夫してみても、セールスフォースが合わないという企業はあります。導入に多額のコストが掛かったとしても、現場の営業担当者やチームで使いにくく、営業成績の向上のメリットがないようなら、セールスフォース以外のツールに乗り換えることも検討しましょう。
セールスフォースが使いにくいと感じる理由に、海外製のツールである点も挙げられます。セールスフォース自体は日本語化されていて、日本でのサポートも充実しています。しかし、国内の企業の中には海外製のツールに違和感しか感じない場合もあります。
CRMツールは国産で機能性に優れたツールも色々と出ています。無料体験できるものも多いので、どうしても合わない場合には、ぜひ他のツールの導入も検討してみましょう。
セールスフォースとは欲しい機能をカスタムできるCRM
セールスフォースを導入することで、企業は必要な営業やマーケティングを強化するための機能を手に入れることができます。セールスフォースは使いにくいという声もありますが、日本での導入実績が1位である理由は、使いにくさよりも導入メリットを感じている企業の方が多いためです。
セールスフォースが自社に合うかどうかは、実際に使ってみないとわかりません。興味があるのなら、一度無料トライアルを試してみるといいでしょう。実際に使ってみて、自社に合うかどうかを確認してみることをおすすめします。
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