売上目標は立てない。信頼と実績のみで戦うマスコミ広報戦略

売上目標は立てない。信頼と実績のみで戦うマスコミ広報戦略

株式会社ベンチャー広報 代表取締役 野澤 直人

カテゴリ: 広告・PR、従業員数:

2021.11.19

野澤直人(のざわ・なおひと)

株式会社ベンチャー広報 代表取締役

 


 

明治大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。1998年にマスコミ業界に転職したが、従事してみると広報がマスコミに影響を与えていることに気づき、海外留学関連のベンチャー企業に転職。ゼロから立ち上げを任された広報部門では、5年で売上10倍という急成長に貢献し、その後、2010年に当時日本では珍しいベンチャー企業・スタートアップ専門のPR会社として株式会社ベンチャー広報を創業。2014年より名証セントレックス上場のIT企業・株式会社ガイアックスの執行役を兼務。


 

現在、日本において中小企業は約390万社あると言われております。非常に多くの企業が存在しますが、大手企業のように資金力があるわけでもなく、受けたいサービスを受けられない企業も多くあります。その中で、中小企業を専門としたスタートアップPR事業を行う株式会社ベンチャー広報の野澤様にお話をお伺いしました。

 

 

資金力がないベンチャー企業にもチャンスを。スタートアップの支援をすべく起業へ

 

 

 

--本日はよろしくお願いします。まずはご経歴からお伺いさせていただけますか?
 

大学生の頃から将来起業したいと考えており、そのためには経営の知識と営業力が必要だと感じ、経営情報サービス会社に入社しました。

 

ベンチャーリンクではBtoB営業をしていたのですが、なかなか物が売れずに苦労していました。そんな折、テレビでとある商品が多く売れていることがきっかけで、マスコミの影響力の大きさに興味を抱いたのです。そこで自分も携わりたいと考えるようになり、転職を決意しました。

 

しかし、いざ働いてみると想像とは違う点がありました。働く前は、マスコミが世の中を動かしているように感じていましたが、実際に雑誌の編集の仕事をしてみると、企業の広報からプレスリリースが送られてきたり、「自社をPRしてくれ」というような売り込みがたくさん来ていました。
 

その時に、企業の広報がマスコミを利用して自社をPRしていることを知り、広報がマスコミに影響を与えていることに興味を持ちました。そこで、海外留学関連のベンチャー企業での広報職を経て、起業に至りました。


 

--海外留学関連のベンチャー企業に転職されたとのことですが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?
 

知り合いの社長が運営する海外留学関係の会社の手伝いを頼まれたことがきっかけです。

当初は、行う仕事は決まっていなかったのですが、広報の仕事をさせてほしいと申し出たところ承諾され、ゼロから立ち上げを行いました。入社時点ですと従業員が20名で年商は2億でしたが、私が広報の部門を立ち上げたのち、5年で従業員は200名、年商は20億まで拡大しました。


 

--そこから独立に至る経緯についてもお伺いできますか?

 

起業は昔からの夢であり、いつか達成したいとは思っていたのですが、どの職種で起業するのかまでは決まっていませんでした。

 

しかし、年齢を重ね、30代後半を迎える中で、今までの経験ややりがいから起業するなら今しかないと考え、会社を立ち上げることにしました。

 

事業内容としては、当時は大手のPR会社はベンチャー企業をクライアントにはしない傾向にあったため、ベンチャー企業にも安く広報のメソッドを提供できるスタートアップ専門のPR会社を創設しました。

 

 

不要なコストの削減とマスコミ広報で効率的なPR活動


 

--現在ベンチャー、スタートアップ専門のPR事業を中心に事業展開されていると思いますが、貴社の主軸事業について詳細にお伺いできますか?

 

主軸としているのは、広報担当者に代わって広報業務を代行する(リテナー契約)サービスです。

具体的な内容としては、月額45万円で戦略策定からメディアプロモート、取材立ち会いなど一気通貫して支援しております。経験豊富な広報担当者を1人雇ったというようなイメージを持っていただくと分かりやすいかと思います。

 

 

--ありがとうございます。事業を行う中で発揮される強みについてもお伺いできますか?
 

一番の強みは「人」です。弊社に所属するPRコンサルタントの能力値の高さには自慢があります。それにより、個人が一気通貫でサービスを提供することが出来ます。

例えば、大手のPR会社等は分業型を採用しており、広報活動に中で担当者が分かれている事が一般的です。ですが、弊社の場合個人が責任をもって担当している為、広報活動の全体感を踏まえて最適な選択をすることが可能となります。
 

 

また、大手であれば通常3人で行う、PR戦略策定、プレスリリース、クライアントとのコミュニケーション、メディアとの接触といった作業を1人の担当者に相談することが出来るのは、コミュニケーションを迅速に行うことができ、クライアントにとってのメリットが高いと考えております。
 

 

--類似サービスと比較して価格が安いように感じますが、その価格を実現できるのは他にどういった理由がありますか?
 

事業運営にかかる販管費などのコストを削減することでこのような価格を実現しております。
 

例えば、弊社では積極的な営業活動を行なっていません。実績による信頼を築いているため、営業をせずとも多くの案件をご依頼頂いております。

 

通常PR会社はコンペや提案などの営業コストが大きい傾向にあるため、そのコストを削減することでこのような価格設定が可能となっています。

 

あとは、リモートワークの活用によるオフィスの家賃の削減です。

豪華なオフィスを持つことはサービスの質には直接影響しないと考えており、広く家賃の高い自社オフィスを持たないようにしています。加えて社内MTGを極力少なくするなど、マネジメントコストを下げることも重要だと考えており、社員を信用し、主体性を引き出す環境を作ることでリモートワークを実現し、同時にオフィス家賃という固定費を削減しています。



--ベンチャー企業が広報活動を行うメリットはどのようなものでしょうか?

 

少額の費用でも大きなリターンが得られる可能性があることです。

分かりやすく言うと、広告は銀行預金のようなもので、予算をかければ一定のリターンが返ってきます。対して、広報は株を買うようなイメージですので、うまくいけば大きなリターンを得られる可能性があるというわけです。
 

大企業であれば予算に余裕があるため双方に取り組めますが、中小、ベンチャー企業にはなかなか厳しいため、コストパフォーマンスがいいマスコミ広報を使うべきだと思います。

 

マスコミ広報とは、新聞、雑誌、TVを使って、マスコミに発信してもらう手法です。それにより、企業の信頼度を高めることができます。マスコミ広報がうまく行けば、商品の認知度アップ、会社の信頼性、売上の向上といった多方面の分野でうまくいきやすくなるので、ベンチャー企業にはおすすめの広報戦略と言えます。

 

 

売上は2の次3の次。年輪経営でまずは社員を幸せに。

 


 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか?

 

年輪経営(ねんりんけいえい)を意識して、会社運営を行しています。
”年輪”とは木を切った際の切り口に見える輪のことです。年月が経つにつれて気が成長し、この年輪も大きくなっていきます。弊社もそれに習い、あえて急成長は目指さず、年10-20%くらいの着実な売上成長を目安にしています。
 

これには理由があります。急成長することはいいことですが、その結果歪みが生まれることもあるためです。社員が幸せになるための仕組みの一つに会社があると考えていますので、会社の売り上げよりも社員の幸せを重視しています。そのため、売上目標は立てません。
 

当社のPRコンサルタントには新規案件獲得の営業活動をさせず、担当するクライアントの満足度を高めることだけに時間を使うようにしてもらっています。


 

--ありがとうございます。最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
 

PR活動などが必要な企業様はご相談いただければと思います。

直近はお仕事のご相談が非常に多く、全てのご依頼をお受けするのは難しいのですが、月額1万円で広報PRのノウハウが学べるオンラインサロンもご用意しておりますので、そちらも併せてご検討いただければと思います。

 


--本日はどうもありがとうございました。


 

株式会社ベンチャー広報
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