田村寿康(たむら・としやす)
株式会社東京ニュース 取締役 経営企画室長・企画デザイン部長
印刷会社やPR会社を経て、父が社長を務める株式会社東京ニュースに入社。その後、紙からwebへの業界の変化に適応すべく、様々な社内改革や新規事業の拡大に取り組む。現在はデザイナー部門と経営企画室という2部門の統括責任者をしながら、日々会社の発展のために努力をしている。
新聞広告製版に関しては、新聞社への送稿件数が全国1位という高い実績を誇りながらも、今や時代は紙からWEBへと移行しています。そんな時代背景の中、創業72年という老舗クラスの企業を絶やすことはできません。そのため生き残りをかけて、社内改革や新規事業の拡大に取り組んでいる、株式会社東京ニュース取締役の田村様にお話をお伺いしました。
デザイナー部門と経営企画室という2部門の統括責任者
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、田村さんのこれまでの経歴についてお話を聞かせてください。
東京ニュースに入社するまでに2つの会社に勤めていました。1社目は印刷会社で、新規開拓や顧客の拡販などの営業に7年間携わりました。
2社目はPR会社であり、そこでは、プレスリリースや記者発表会などのPR業務に加えて、SNSの運用やゲーム会社のマーケティング部門に出向したりと幅広い経験を積ませていただきました。
ちなみに今勤務している東京ニュースは、主に広告を制作している会社になります。この東京ニュースは、父が代表を務めている会社です。元より、いずれは一緒にやってほしいという話があり、2020年1月よりこちらに入社をしました。現在は、デザイナーを抱える部門と経営企画室という2部門の統括をしています。
--貴社の業務内容について、詳しくご説明いただければと思います。
弊社は、製版と印刷・デザインという3つの事業が主な業務内容となっています。
1つめの「製版事業」は、主に新聞広告の製版業務になります。例えば、新聞広告を出したいという要望があるお客様に、各新聞社によって異なる入稿データやルールに合わせながら、ベストな状態できれいに印刷できるようにする仕事になります。また、雑誌広告の製版や、印刷物の画像補正なども行なっています。
そして2つめの「印刷事業」は、パンフレットやポスター・POP・ノベルティーなど幅広い製品に対応しています。目的や予算が案件ごとに異なるので各仕様に応じた提案を行なっています。また、外部ネットワークも豊富にあるので、案件に応じてベストなチームで対応しています。
3つめの「デザイン事業」では、主に新聞広告や印刷物、WEB広告などのデザイン制作をしています。またイラストを描けるメンバーもいますので、純粋なデザイン制作だけでなく撮影やイラスト制作など、多岐にわたった業務を請け負っています。
弊社の最大の強みは、紙媒体のトータルプランニング力
--印刷や広告の企業というのは多いと思いますが、貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
弊社の祖業である新聞広告製版に関して言えば、新聞社様への送稿件数は全国1位を誇っています。各新聞社様によって最適な処理方法やデータの作り方というのは各々異なるのですが、これまで数多くの案件を担当する中で培ってきた技術や知見は強みだと思います。
また、例えばお客様が新聞広告を出したいという際に、掲載方法や掲載に至るまでのスケジュールなどトータルプランニングがキチンとできるのは、数ある製版会社様の中でも弊社が得意とするところです。
印刷・デザイン事業についても、デザイン→製版→印刷という作業工程面での一連の流れを長年提供してきましたので、そうした前後の作業工程を意識したサービスというのが可能です。
例えば「こういう風に印刷をしたい」というお客様であれば、「そのためにはこういう製版作業が必要」で、「こういうデザインにした方がいいですよ」といったような一連の流れに沿ったクリエイティブな提案ができるのも弊社の強みと言えます。
生き残りをかけて、新規事業や社内改革に積極的に取り組む
--新規事業や社内改革への取り組みについて、詳しくご紹介いただけますか。
弊社は、創業してから72期目を迎えました。元々は私の曾祖父が1950年に創業しまして、新聞広告製版と印刷事業をしながらこれまで順調に成長を遂げてきました。ところが今のコミュニケーションツールというのは、WEBやSNSなど多岐にわたっています。
このままだと、我々が提供できる価値というのがどんどん下がってしまいます。これは私が入社する前からの課題となっていたものです。それこそ新規事業の拡大はもちろんのこと、これまでやってきた業務内容もなかなか変えることができませんでした。また、新しい方向に向かっていくにあたって、組織体制や社内制度などについても変革が必要でした。
現在ではコミュニケーションチャネルの多様化や複雑化の影響で、これまでのような画一的な型にはまったコミュニケーション方法は通用しなくなっています。「どのようにしたらうまく伝わるのか?」といった本質的なところにまで知恵を絞りながら、最適なコミュニケーション方法というものを選択していく必要があります。
そのためには、弊社が得意としている紙媒体のトータルプランニングを強化していくことはもちろん、これまで弊社が注力してきた「紙」以外にも外部パートナー様と連携するなどしながら、対応領域を広げていかないといけません。
また、アイデアベースの提案だけでなく、より説得力のあるクリエイティブを提供するために、データ分析を組み合わせることも有効だと考えています。
加えて、有名コンテンツとタッグを組んだグッズ開発や、SNSの運用なども既に取り組み始めていて、これまで製版会社がやっていなかった領域にも積極的に挑戦していきます。
新規事業についても、市場調査などを行いながら、データ分析をする必要があります。例えば、ターゲットユーザーがどういったことに興味を持っているのか、さらにはWEB検索する際に、どういったキーワードを検索しているのかといったことを今、経営企画室を中心に調査しながら新規事業について検討しているところです。
また、ツールの導入が進んでいない中小企業を中心に、データ分析自体をサービスとして提供することも検討しています。
ちなみに、経営企画室という組織は、社内改革の一貫として新しく設立したものです。その他にもデザイン力をもっと強化するために、これまで営業部の中にあったデザイン部門をひとつの部門として独立させました。
その他にも様々な社内改革を進めているところですが、その全てにリンクする指針として、先日「想いで世界をつなげる」という新たなビジョンを社内で発表しました。今後はビジョンの達成に向けて全社一丸となって進んでいきます。
--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
弊社は創業して72年目になるのですが、これまでずっとお客様の想いを届けるお手伝いを第一として行なってきました。現在は紙媒体だけでなく新しい領域にも取り組んでいますので、ぜひご相談いただいてお手伝いさせていただけるとうれしいです。
また今後様々な挑戦をしていく中で、自社だけでやっていくというのは難しいので、様々な企業様と手を組みながら想いを届けるコミュニケーションの実現に向けて邁進していきたいと思います。
--本日はどうもありがとうございました。
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