春日 博文(かすが・ひろふみ)
ポート株式会社 代表取締役社長CEO
2011年に大学卒業と同時にポート株式会社を創業。現在は就職、リフォーム、カードローンの領域でインターネットメディアを複数運営。メディアで集めた知見を活かして、就職エージェントやオンライン診療などのリアルプロダクトを開発。2018年に東証マザーズに上場。
インターネットを活用して誰もがあらゆる情報を簡単に探せるようになった現代においても、見つけることが困難な情報を消費者に提供し続け、設立からわずか7年で上場を果たしたポート株式会社の春日代表取締役社長CEOに、事業の強みや今後の展望についてお話をお伺いしました。
意思決定の難易度が高い領域で人々の決断を支援する
ー 本日はよろしくお願いいたします。まずは、春日様のご経歴とポート社の設立に至った背景をお伺いできますでしょうか。
はい。大学入学前は部活や勉強などを含めた様々な活動の中で結果を出せたということがありませんでした。そのため、大学に入学するときには、自分の人生の中で何かしらの成果を世の中に残したいと思っていました。その中で、ビジネスは勉強とは異なり、受験勉強の様に制限時間がないことや、正解があってそれをいかに覚えて回答するか、というインプットからアウトプットするというものとは真逆にあることなど、様々な違いがあることに気づきまして、ビジネスの世界でなら大きな成果を出していける可能性があると思っていました。
在学中に開始した個人事業が自分の人生の中で最も上手くいったこともあり、いつかは起業したいという思いもありましたので、年齢が上がって失敗した時のリスクが大きくなってしまう前にチャレンジしてしまおうということで、卒業と同時に会社を立ち上げました。
ー 続いて、貴社の事業内容についてご説明いただけますでしょうか。
はい。我々は非日常領域における意思決定を支援するためのマッチングサービスを展開しています。非日常領域とは、一人一人の人生の中で重要だが意思決定する機会が少ない領域で、現在では就職やリフォーム、カードローン領域でサービスを展開しています。
具体的には、消費者に向けて非日常領域における意思決定の参考となる情報を発信するメディアを運営し、就職領域では人材会社や求人企業、リフォーム領域では施工店、カードローン領域ではカードローン事業者とのマッチングまでをデジタルを通じて包括的にご支援させていただいています。
ー ありがとうございます。なぜ、非日常領域の情報提供を始められたのでしょうか?
情報が少ない非日常領域において、有用な情報を蓄積することができれば、会社として大きな資産になると考えたのがきっかけです。
アパレルや美容、食など、日常的に利用するものについては、何を着て何を食べるかなど、誰もが毎日何かしらの意思決定をしています。SNSにも数多くの情報が落ちていますので、意思決定のために調査する時間も少なく、難易度は高くありません。
一方で、非日常領域においては、人生で意思決定を下す機会が極端に少なくなります。このような領域では意思決定時のコストも高いため、失敗したくないと思う消費者の方がほとんどだと思うのですが、日常領域のものと比較するとSNSにも情報が落ちていませんので、意思決定の難易度が高いのではないかと思います。だからこそ、有用な情報を提供することがユーザーの支持を得ることにつながると考えました。
成果報酬型のマッチングモデル
ー なるほど、他社サービスと比較された時に、どのような点が特徴になりますでしょうか。
完全成果報酬型でマッチングまでご支援させていただくビジネスモデルを採用している点です。当社としては、実際にマッチングまで実現させて初めて、消費者の意思決定を支援できたと考えています。そのため、バナーなどを活用してPV数を伸ばして報酬を頂くというような広告モデルは採用していません。
消費者の皆様に対してはメディアを通した情報提供に留まらず、サービスのご利用まで一気通貫でサポートをさせていただいています。例えば、リフォームをご検討の消費者の方に対しては、実際にリフォーム業者から受け取られた見積もりの内容を精査させていただくなど、当社を経由してマッチングして良かったとご満足いただけるよう最後まで伴走させていただいております。
ー ありがとうございます。これまでの実績として、御社サービスをうまくご活用されているケースとしてはどのような企業様が多いのでしょうか?
就職領域においては、全てのニーズにお答えできると考えています。当社のサービスは国内最大級の会員規模を持っております。就職情報サイトのキャリアパーク(https://careerpark.jp/)や就活クチコミサイトの就活会議(https://syukatsu-kaigi.jp/)、就活イベント情報サイト(https://evekatsu.com/)のイベカツなど、それぞれがその領域で国内最大規模のメディアとなっており、現在は毎年就活生の約70%にご利用いただいています。そのため、例えば専門職の方を採用しようという企業様や、非常に多くの人材を採用している企業様など、その会社様に合った形でカスタマイズしてサービスを提供しています。
また、当社は求人情報を掲載するだけでは終わらず、マッチングまでご支援させていただきますので、求人サイトに掲載したは良いものの、なかなか問い合わせまで繋げられていないような中小企業のみなさまにとっても、非常にメリットを感じていただけていると思います。
社会課題を解決するサービスを展開する
ー 現在は非日常領域として、就職・リフォーム・カードローンにフォーカスされていますが、今後さらなる領域の拡大はご予定されているのでしょうか?
はい。会社全体として領域を定めることはありません。マッチングサービスを起点に様々な社会課題を解決できるサービスを展開していきたいと考えています。そのような中で、冠婚葬祭、不動産、医療などの領域への展開は直近の方針として可能性があるのではないでしょうか。
非日常領域における戦い方は共通点が多くあります。過去の実績を元にマッチングしていくためのフォーマットを持っていますので、比較的横展開しやすいのではないかと思っています。
ー ありがとうございます。続いて、今後の展望についてお聞かせください。
はい。先述した通り、当社は社会課題を解決していくサービスを展開していきたいと考えています。社会課題を解決する、という目的を達成していくためには、問題となっている業界や領域に存在する構造や考え方を変えていく必要がありますが、トッププレイヤーになって初めて、当社の業界内でのインパクトが生まれてくると思いますので、各領域No.1プロダクトにこだわって、まずは現在展開している領域を中心にさらなる事業拡大を進めていきたいと考えています。
ー 読者(御社と取引を検討している、決済権のある経営者)へメッセージをいただけますか。
はい。就職領域においては、全国のあらゆる就活生とのマッチングを成果報酬型でコミットメントできますので、採用難易度が高い職種を探したい、なかなか応募がこない、もっと優秀な人材を採っていきたいと考えている企業様はぜひ当社のサービスをご活用いただければと思います。
また、アライアンスも積極的に進めています。資本業務提携、M&Aなど専用の窓口を公開して集っていますので、ぜひご連絡いただけると幸いです。
■提携/M&A問い合わせURL
ー 本日はありがとうございました。
ポート株式会社
https://www.theport.jp/
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