植松 健佑(うえまつ・けんすけ)
株式会社スペサン 代表取締役
2011年国際基督教大学(ICU)卒業後、株式会社リクルートに新卒入社。人材領域において、クライアントの採用・組織戦略推進のパートナーとして活躍。2015年4月、ダンスの舞台づくりを通じて感じた「心震える瞬間」を創り出す素晴らしさを、多くの人の日常に届けたいと思い株式会社スペサンを創業。サプライズをプロデュースする事業からスタートし、オリジナルウェディング事業へと展開。現在は、これまでの事業で培ったノウハウを活かし、法人向けの企業文化醸成支援事業「Cultive(カルティブ)」まで発展。
「人を幸せにする 心震える瞬間の創造」を理念に創業したサプライズとウェディングのプロデュース事業を行っている会社は、人生をトータルで幸せにするためにはライフイベントだけではなく、ワークの部分も幸せにする必要があると考えています。ライフとワークの両面の幸せを実現させ、社員自らも幸せに働ける会社を目指している株式会社スペサン代表取締役の植松様にお話を伺いました。
自分の気持ちが動くことに時間を使いたい
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、植松さんが起業されたきっかけをお聞かせください。
2011年に国際基督教大学(ICU)を卒業し、株式会社リクルートに入社しました。リクルートではHR系の事業に携わり、2015年に株式会社スペサンを創業して代表に就任しました。
サプライズをプロデュースすることが創業事業だったのですが、そこからオリジナルウェディング事業へ広がり、今期で7年目となりますが、法人向けに、企業文化醸成をサポートする「Cultive(カルティブ)」という新サービスも自社で開発し、展開できるようになりました。
--元々独立したいという思いを持っていたのでしょうか。
昔からどうしても起業したいというタイプではなかったです。しかし、社会に出るときに様々な会社を見たのですが、どこかの会社に一生勤めているというイメージができませんでした。このとき「自分の気持ちが動くことに時間を使って生きていく人生」がいいと感じたのです。人生をかけてチャレンジしたいものが見つかった時に、そこに飛び込める人でありたいと思い、その価値観が当たり前な人が多いリクルートを選びました。
リクルートではHRの事業に携わり、直接ウエディングに関わりがあったわけではなかったのですが、会社勤めをしながら、週末に友人のサプライズの仕事をお手伝いしたり、先輩のプロポーズを感動的に演出することをしていました。週末にボランティアを含めて行っていた活動が大きくなり、元々つながりのなかった方のプロポーズを手伝うようにもなりました。
学生時代からもこういった様々な舞台づくりをした経験があり、誰かのライフイベントを演出することで「自分自身が幸せな気持ちになれたこの感動を、何か形にすることはできないか?」と考えていたタイミングで、一緒に感動を分かち合ってきた友人たちの協力もあり、この業界に舵をきることになりました。
サプライズからウェディング、さらに社内の文化醸成まで展開
--現在ウェディング事業を中心に事業展開されていると思いますが、改めてご説明をお願い致します。
現在はオリジナルウエディング事業「HAKU」を主軸に展開しております。
こちらはゼロベースからのオーダーメイド型結婚式を提供させていただくサービスとなっております。結婚式場についても自社で保有せず、新郎新婦のご希望に沿った場所選びから行っているため、まさに自分たちだけの結婚式にして頂けるかと思います。
創業時からずっと「幸せな人を増やしたい」ということを根本の思いとして事業を展開しています。幸せを軸に事業を作ったときに、元々行っていたサプライズやウェディング事業はライフ(自分のプライベート)の領域です。結婚式のほとんどが週末にあります。週末に結婚式をして大きな幸せを感じて、数日後の月曜日になって会社に行くとハッピーじゃないとなると、人生をトータルで見たときの幸福度はあまり高まっていないのではないかと思いました。
やはり、仕事もプライベートも充実してこそ本当の幸せだと思います。表現が難しいですが、二つのバランスを取る、というよりもどちらも最高の状態を求めていくイメージですね。弊社の事業を通じて一人でも多くの人が幸せな気持ちになってくれる、その実現に向けて日々邁進しています。
--BtoCからBtoBをはじめることになったときに、苦労したことや工夫したことなどありますか?
BtoBの企業様をお客様にするにあたり、弊社の認知度があまりないので、弊社が法人向けのサービスを提供していることにどのように納得していただくのか、弊社の価値をいかに伝えていくのかをよく考えていました。
元々結婚式事業を行っていたので、直接知っていただいている方々からは企業内でのイベントを制作できるかどうかの相談はいただいていました。そのため社内イベントには関わらせていただいていたのです。イベントを作るだけではなく、文化として社内に浸透させられるところまでが、企業にとって価値のあることだと納得していただくことが大変でした。
--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
toBの「Cultive(カルティブ)」に関しては、元々弊社が幸せをテーマにして事業をしてきたことで、toCの領域で人を幸せにする、人を感動させることにしっかりと向き合い実績を積んできたので、たくさんのノウハウを持っているのが強みです。
toBの事業をするにあたっても、toCの領域での実績があったことが独自性だと感じています。競合他社に負けない、お客さまに寄り添ったオリジナリティのある提案ができることを大切にしています。
お客様の課題を抽出するコンサルティングから始まり、企画戦略の設計、イベント当日のオペレーション、クリエイティブを伴うアウトプットまで全て社内のリソースで完結できます。
幸せを受け取った人が他の人に幸せを送る、幸せが連鎖する世界を生み出す
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
私たちは、「大切な人を想う幸せが連鎖する世界を創る」ことをビジョンに掲げています。そして、幸せを受け取った人が他の人に幸せを送るような、連鎖する世界を生み出していきたいと思っています。幸せの形は主観によって決まりますが、弊社がつくっていきたい幸せは「大切な人を想う幸せ」です。自分の想いや大切にしている人への気持ちを届けていくことや、絆を感じた瞬間、人と人との想いが通じ合った時の幸せをつくっていきたいです。
現状、自分たちが直接お客様にサービスを提供し、クライアントのお手伝いをしていますが、もっと仕組み化して、自分たちが時間を割いて関わらなくても、関係者を幸せにするアクションを起こせる企業を増やしていきたいと考えています。
提供内容の自動化や、より本質的な幸せを提供するためのロジック作りには、日本における幸福学の第一人者と言われる教授にも、アドバイザリーとして参画いただいています。
–最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
特殊な領域で幸せと向き合ってきました。お客様のためにもまず社員の幸せに向き合って従業員の"幸福"をマネジメントする役職、CHO(Chief Happiness Officer)を社内に内制しています。まずは社員を幸せにすることに本気を出すと事業が伸びていくことが、データでも自分自身でもわかっています。
そうして日本をハッピーにしていきたいので、お困りごとがあればお声がけいただきたいです。
--本日はどうもありがとうございました。
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