戸田 昌孝(とだ・まさたか)
曽我株式会社 代表取締役
1970年東京都出身。1992年丹羽幸株式会社に入社。その後、父親が経営する曽我株式会社に入社し、2005年に代表取締役に就任。観光業向けの服飾卸のほか、企業のコスト削減コンサルティングなどに取り組んでいる。
長期に渡る緊急事態宣言により、飲食業界や観光業、百貨店を主戦場としていたアパレル業界は壊滅的な打撃を受けました。また、助成金によって何とか延命している企業も多く、ポストコロナに向けた利益創出や強い経営体質を作ることは急務です。
ファストファッションの台頭やバリューチェーンの変化など、大きな変革期であった90年代から2000年代に日本のアパレル業界を経験し、今またコロナ禍で大きな経営判断をいくつも乗り越えてきた、曽我株式会社で代表取締役を務める戸田様にお話を伺いました。
父の後を継ぎ、社長に。経営のピンチを何度も経験
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、戸田さんが現在のポストに就かれた経緯をお聞かせください。
大学を卒業後、丹羽幸株式会社へ入社しました。丹羽幸は、レディス・ベビーなどのアパレルを中心に、寝装・インテリア・呉服などの企画・製造・販売を行っている名古屋の繊維総合商社で、私は百貨店向けにレディスのパジャマの営業をしていました。
そこで修行したのち、24歳の時に父が社長を務める曽我株式会社へ入社します。入社して2年経った頃に父が他界したため、当時の専務であった私のおじが社長に、私は取締役に就任しました。
ところが、5年ほどで会社の経営が傾いてきてしまったのです。2005年には、おじと交代する形で私が社長に就任しました。そのタイミングでおじと共に退社した社員も多く、父が作った曽我株式会社の名前と借金だけが残ったのです。
婦人服メーカーとしてずっとやってきた会社でしたが、何とか経営を立て直すため、業務転換をして婦人服卸に取り組むようになりました。それからは観光地や温泉地のホテル・旅館や、高速道路のサービスエリアなどに商品を置くことで事業を継続しています。
しかし今度は、昨年からのコロナ禍により観光客が激減し、観光関連施設向けの商品がほとんど動かなくなってしまいました。そこで、会社として生き残るために、今年に入って企業のコスト削減のコンサルテーションを行なう事業を始めました。代理店やお客さまも順調に獲得できていますので、年内にはスタートアップとして、ある程度軌道に乗ったと言える状態になると予想しております。
--紆余曲折があり、時代の変化に合わせて婦人服卸から商社として別事業に軸足を移しつつあるという事ですね。では、貴社の現在の中心事業についてお聞かせください。
婦人服に限らず、総合商社として幅広い商品の取り扱いがあり、現在は、商社事業・コンサルティング事業・卸し事業の3つを柱として展開しております。
商社事業では、低GIチョコレートの企画開発やアレルギー対応商品を取り扱っております。低GI食品は、肥満やメタボリックシンドロームの予防や改善の観点から注目されており、弊社のダイエットチョコレートに関しては砂糖を使っていないことが特徴です。砂糖の代わりに、最近話題になっているアガベシュガーを使っていたり、乳酸菌や食物繊維を豊富に含んでいたりすることから、ダイエットに取り組む方にご好評をいただいております。
また、弊社はIgG遅延型アレルギー検査キットや、世界で一番多く売れていて、全世界47カ国で愛されている「HEM(ヘム)」社のお香の販売代理店です。HEMは1983年にお香の本場インドで生まれたブランドで、「お香といえばHEM」というほど認知度の高いブランドです。以前、HEM社の重役の方が来日された際には、私がアテンドをさせていただきました。
卸し事業に関しては、婦人服を楽天やAmazonで販売しております。こちらは既に仕入れてある在庫が無くなれば事業としては終了するつもりです。
売上が上がりにくい時でも、コストの見直しで利益創出はできる
--商社事業と卸事業は直接的にモノを売る事業ですが、コンサルティング事業については少し色が違うように思います。内容を詳しく教えていただけますか?
コンサルティングで取り扱うのは基本的にコスト削減に関しての様々な項目で、大きな分野で分けると、企業の一般的なコスト・損害保険料・賃料です。
一般的なコストというのは、消耗品であったり、清掃費、セキュリティ費などです。文房具などの消耗品からコピー機のリースまで、弊社がグループ会社のような形で提携している企業があり、ご依頼を受けたクライアント企業の取次ぎを行っております。
また、賃料に関しては、日本で一番賃料を削減している不動産会社と提携していますので、ご紹介することが可能です。
損害保険料の削減については、火災・車両・責任賠償など今かけている保険を見直すことで、補償内容は変わらないまま、新しく安い保険にかけ直しができる場合があり、クライアント企業を提携先の保険代理店へ取次ぎしております。
弊社も経験したように、コロナ禍で売上を上げていくことが難しいという企業は多いと思います。弊社のお取引先である、観光業や宿泊施設も大変苦しまれています。そんな中、弊社の提携先企業が介在した案件では、損害保険の見直しにより経費が20~80%も下がった実績がありました。
年間損害保険掛金が100万円~数十億の法人の方を対象とし、弊社の提携先企業が徹底的にリスクサーベイを行います。お客さまの購買代理として、価格をただ下げるだけでなく、多くの保険会社のオプションの中から本当にお客さまに合った保険をご提案させていただくことで、経営の側面支援を行います。
--売上向上によって利益を上げることが難しい状況にあって、コスト削減によって純利益を生み出せるというのは時流に合ったサービスだと感じます。貴社の独自性や強みについてもお伺いできますか。
私自身がクライアント企業の窓口になるので、小回りが利きますし、商材についても幅広く何でも屋として使っていただけるところが強みです。私は企業顧問として顧問バンクに登録があり、気になった企業には私から直接お声がけすることもあります。
提携先企業に関しては、実績を重視してご紹介しております。たとえば、コスト削減に関して申し上げますと、弊社の提携先はコスト適正化事業の業界最大手として累計年間削減貢献額140億円以上を達成する企業です。
また、クライアント企業側の負担やリスクが少ないことも重要です。まず、品目の適正な価格を導き出す作業から開始し、専門チームによる調査・報告書の作成・ご報告まで全て無料でご提供いたします。完全成果報酬で交渉しますので、依頼をされたクライアント企業様のリスクもございません。
当然、各企業が自社でコスト削減に取り組まれていることと思います。しかし、コスト削減の専門チームに依頼することで、自社だけでは成し得なかった大きな成果を得ることが可能です。50品目以上のメニューから、今まで手の届かなかったコストも削減できます。
サービスをより多くの企業に広め、お客様の笑顔につなげたい
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
これからは、コンサル業をメインに展開していきたいと考えており、弊社のサービスを営業していただくアライアンス先も増やしていきたいです。現在は宮崎県、大阪府、愛知県など4社と提携しており、今後もエリアにはこだわらずアライアンス先を募集していきます。特に、損害保険に関しては利用されていない企業は無いと考えますので、全国がサービス対象エリアです。
今後の弊社は、見込み客を獲得できるアライアンス先と、実際にコストなどを削減する作戦を立てるサービスのサプライヤーをつなぐハブとなっていくイメージです。
--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
各種コストや損害保険料削減などのコンサルティングサービスを、弊社と一緒に広めていただけるアライアンス先を探しております。現在のところ、クライアント企業にとってはノーリスクでコストを確実に削減できており、大変喜んでいただいております。クライアント企業様からの感謝や笑顔がいただけるよう、私たちと一緒に取り組んでいただける企業様はぜひお声がけください。
--本日はどうもありがとうございました。
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