イスラエル人女性起業家による、日本生まれの唯一のコミュニケーションエージェンシー。「他の誰とも違う」という強みを世界へ

イスラエル人女性起業家による、日本生まれの唯一のコミュニケーションエージェンシー。「他の誰とも違う」という強みを世界へ

SivanS Group 代表取締役 中村 シバン

カテゴリ: 、従業員数: 10〜49

2021.12.26

中村 シバン(なかむら・しばん)

SivanS Group代表取締役

イスラエル生まれ。日本在住歴20年以上。コミュニケーションエージェンシーでの業務を経験後、日本でのキャリアの成長と他にはない自身のブランドエージェンシーを立ち上げたいという想いから2011年に『Because We Are Different』という理念のもとSivanS株式会社およびSivanS DigitaL株式会社を設立し、代表取締役に就任。また、イスラエルを拠点としたSivanS Israelを2018年に設立。

デジタルマーケティングにおいて、日本の企業のほとんどは国内の消費者をターゲットに展開しています。そうした常識を超越して、バイリンガルの強みを活かしたデジタルマーケティングを世界に発信しているSivanS Group代表取締役の中村様にお話をお伺いしました。

 

 

旅先での出会いがきっかけとなり日本へ。「諦めない精神」で起業

 


--本日はよろしくお願いします。
早速ですが、中村さんのこれまでのキャリアや起業のきっかけをお聞かせください。

幼い頃から両親に自立することの重要性を教わり、15歳の時に学校で勉強しながらウェイトレスとして働く日々を送っていました。この経験を通じて、若い頃から仕事や勉強に対する責任感が芽生え始めました。「誰かがやるから私も……」そんな考え方が嫌いだった私は、自分の考えをしっかりと持ち、子どもながらに「とにかく頑張らなければいけない」という気持ちを抱いたのをよく憶えています。

 

イスラエルでは女性にも徴兵義務があったため、18歳から軍隊へ入隊し、2年を過ごしました。徴兵期間を終えた人は、大学進学やリフレッシュの目的で旅行に出かけることが一般的で、友人同士のグループで行動する人が多かったのですが、ひとりでの行動が好きだった私は一人で世界を旅することを決めました。
徴兵期間後の旅行で、様々な場所を巡った後、オーストラリアのメルボルンへ行き着きました。そこで、初めて日本人男性と出会ったことが人生の分岐点となり、現在日本で暮らすことになるきっかけになりました。

 

日本に来るまでに、様々なチャレンジがありました。しかし、日本でのビジネスに関しては、経験もなければ言葉も知らなかったため、不安も大きかったのですが「諦めない精神」を持ち続け、日本で新しいことに挑戦することを決めました。来日した際、職務経験はありませんでしたが、やる気やモチベーションがあふれる程あったため、チャンスがあれば勉強をし、常に目の前のことに対して全力で立ち向かいました。もちろん、最初は苦労しました。来日した当時は、面接で何度も断られ、仕事はなかなか見つかりませんでした。しかし、困難な状況をモチベーションに変えながら、決して諦めることなく挑戦し続けました。

 

そのような状況の中、自分が好きなこと、自分が得意なことを考えるようになっていきました。私は、昔から自分で様々なアイデアを考えることが多かったため、自分の強みを活かすには起業をし、誰かと一緒に自身のアイデアを形にすることが最良であると考えるようになりました。



ダイバーシティあふれるインターナショナルなSivanSチーム。グローバルな対応で世界へ発信

 

 

--貴社の広告代理事業について、教えてください。

広告代理店として、多岐にわたる業界のクライアントに向けて戦略からプランニング、クリエイティブ、ブランディング、PR、デジタルマーケティング、ビデオ製作、イベント運営など、360°のマーケティングコミュニケーションソリューションを提供しています。また、自社で開発したメディア事業も展開しています。

弊社はトータルコミュニケーションエージェンシーとして、360°のサービスを提供できることを強みとしています。クライアントを深く理解し、テイラーメイドでのソリューションを提供することで、高いクオリティ、パフォーマンス、スピード、そして実績を活かした幅広いアイデアを提供しています。

 

また、弊社では日本人だけではなく、様々な国籍のスタッフが多く在籍しており、とてもインターナショナルな環境が特徴です。だからこそ、日本はもちろん、海外の文化を理解した上で多岐にわたるサービスを提供できることも強みであると自負しています。日本でのビジネスを展開したいと考える海外の企業や、海外への展開を検討している日本企業の両方にフレキシブルに対応できることも評価されていると感じています。

弊社は、日本企業という位置づけではありますが、創業者である私がイスラエル出身ということもあり、この点においても「他社との違い」を生み出しているといえるでしょう。

 


--多岐業界のクライアントに向けて戦略からプランニング、クリエイティブ、ブランディング、PR、デジタル・SNSマーケティング等、幅広く展開されていますが、多方面での事業展開が可能な理由をお聞かせください。

社内に各分野のスペシャリストを採用することにより、クライアントの多様なニーズに対応できる体制を整えています。そのため、弊社は一般的な広告代理店ではなく『トータルコミュニケーション』によるサービスが可能な広告代理店なのです。

 

スペシャリストの採用に関しては様々な方法がありますが、弊社の文化を理解し、適応する人材を重要視しています。

現在、弊社はハイブリッドコミュニケーションエージェンシーとして、自動車、飲料、消費材、化粧品、テクノロジーをはじめ、多岐にわたるブランドのコミュニケーションサービスを提供しています。

 

--貴社では多様性とインクルーシビティの企業文化を受け入れ、独自の「違い」の感覚を受け入れたい個人を歓迎しています。会社経営をされる中で「大切にしていること」そして「大切にしていきたいこと」について、お聞かせください。
 

経営者にとって大切なのは、各社員が自分自身を表現できるようにすることです。日本の会社では「我慢」の文化がありますが、私自身は我慢することで、いいアイデアを失ってしまうことがあると考えています。自分の気持ちは表現し、伝えるべきだと思っています。先輩、後輩という概念を捨て、インターンの学生でも管理職でも同じ立場で発言できる環境を整えています。
 

また、弊社は女性の社会進出を大事にしています。2022年までにSivanS グループは、男性と女性の雇用比率を5:5にすることを目指し、より多くの女性の指導的地位への就任を奨励しています。そのため、結婚や出産後の処遇にも配慮しています。実際に、仕事を続けられる環境を作ることはもちろん、子育てと仕事を両立して活躍している女性社員もいます。


会社が変わるには社員ひとり一人が変わらなければいけません。各々の「個性」や「気持ち」を大事にするとともに、全社員が価値観を共有し、ひとつの目標に向かえる関係作りと環境作りを大切にしています。

 

 

常に最新のトレンドを取り入れながら前進を続ける

 

 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか

業界的にトレンドになっているデジタルマーケティングに関してはすでに力を入れていますが、弊社が持っているインターナショナルな組織的能力を生かして、今後もさらに最先端のアドテックを取り入れながら、トータルコミュニケーションサービスを拡大し続けていきたいと思っています。

 

また、自社におけるデジタル領域の取り組みのひとつとして、弊社ではメディア事業もすでに行っています。イタリアとイスラエルの2つの国に特化したWebメディアプラットフォーム『ITALIANTY(イタリアニティ)(https://italianity.jp/)』と『ISRAERU(イスラエル)(https://israeru.jp/)』 を開設し、イタリアとイスラエルに関する高品質のコンテンツの提供拡大を目指しています。

 

 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?

 

来日後、起業家として仕事をする中で、困難な状況になればなるほど、挑戦する気持ちや、やる気がとても湧いてきました。私は自身の会社を作り、成長させ、日本から海外に展開していきたいという目標を立てました。様々な障害やチャレンジがありましたが、その度に目標を達成するために多くのことを勉強し、吸収していきました。

それまでの職務経験、言語習得、そして日本のビジネスへの深い知識もなかった外国人の私が、この業界で「ユニークプレーヤー」として他社とは違う活動をできているのは、情熱や学ぶことへの意欲を常に持っていたからだと思っています。

 

成功の秘訣は、まず、第一に自分自身を信じること。そして、決して諦めないことです。自分の中に一貫性があれば、必ず成功すると感じています。逆に「できないから諦めよう」という気持ちがあれば、決して頂上にたどり着くことはできないと思います。

起業家になるには、リスクを恐れない姿勢、そしてやり抜く力が必要です。

「自分の気持ちに正直に、ビジョンと目標を追い求めること」を、常に社員にアドバイスしていますが、何よりも大事なことは、常に地に足がついた姿勢を持ち、謙虚であることだと思っています。

私は、ひとつの目標を達成するたびに、常に自分が起業した時のことを思い返しています。これまでに、数多くのチャレンジがありましたが、誰にチャンスをもらったのか、誰に支援してもらったのかを常に思い出し、常に初心に立ち返っています。また、これまでに自分の側で支えてくれた人たちに、とても感謝しています。

ビジネスは、社会情勢などにも左右されるため予測不能で、常に、何が起こるかわかりません。だからこそ、地に足の着いたマインドを持ち、日々の実務と進化を着実に行うことが必要だと考えています。 

 

 

--本日はどうもありがとうございました。

 

 

SivanS株式会社

https://sivans.jp/

 

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