「唯一無二の内装工事会社」を掲げ、建築業界の課題解決を目指す

「唯一無二の内装工事会社」を掲げ、建築業界の課題解決を目指す

株式会社エス・ビルド 代表取締役 澤口 貴一

カテゴリ: 不動産・建築、従業員数: 50〜99

2022.02.08

澤口 貴一(さわぐち・たかいち)

株式会社エス・ビルド 代表取締役

京都産業大学卒業後、IT企業に就職。その中でオフィスのコーディネートやデザインを提案する部署で営業職として従事。その後不動産コンサルタント会社に秘書として勤め、2003年株式会社エス・ビルドを起業。現在では年間2,000件、累計20,000件以上のオフィス内装を手掛けている。

 

 

京都産業大学の外国学部を卒業するものの、畑違いともいえるIT企業に就職し、オフィスコーディネートの営業職に従事されました。2003年には株式会社エス・ビルドを起業。特許を2個保有する「建築の電卓」というソフトウェアも開発されました。また年商が24億という業績を上げられ、今後の益々の活躍が期待されます。今回はそんな株式会社エス・ビルド、代表取締役社長の澤口様にお話を伺いました。

 

 

2003年に内装工事会社を起業、今では年商24億の会社に成長させる

 

 

 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、澤口さんのご経歴についてお聞かせください。

 

長野県の高校を卒業後、京都産業大学の外国学部に入学し、ロシア語を専攻していました。

大学を卒業してから特に仕事にこだわりを持っていなかったためIT企業に就職しましたが、その中でオフィスのコーディネートやデザインを提案する部署で営業職として従事しました。その後、転職をして不動産コンサルタントの会社で秘書として働きました。

 

しかし、会社が倒産してしまい、それを機にエス・ビルドを起業しました。当初の事業内容については注力したい領域や明確なビジョンは持っていませんでした。そんな中、成功するにはどうしたらよいのかを考えた末、オフィス関連の仕事に行き当たったのです。

 

ところが経験値のある仕事をそのままやろうとしても、仕入先が大手企業になるような業種への参入は厳しいものでした。そこで、会社のオフィスをターゲットにした内装工事の事業を始めたのです。

 

 

部屋の面積や内装材の数量など、積算を瞬時にしてくれるソフト「建築の電卓」を開発

 

 

--現在の事業内容について、改めてご説明をお願い致します。

 

弊社では、主に内装工事の事業をしております。今期でちょうど18期が終わり、年商は24億ほどです。

 

詳しい事業内容としては、オフィスエントランスや各種造作物デザインの施工、スチール・アルミパーティションなどの可動間仕切工事、床工事、内装仕上工事など多岐にわたります。コロナ禍ではテレワーク需要で原状回復工事や縮小移転、レイアウト変更などの工事依頼が急増しています。

 

また、弊社の子会社であるエス・ビルドシステムでは、施工現場で必要な部材を瞬時に計算できる「建築の電卓(https://s-build-s.jp/)」という積算ソフトを開発・販売しており、2つの特許を取得している弊社自慢のソフトです。

 

開発の経緯については、建築業界の課題となっている慢性的な人手不足と1人当たりの業務負担を改善したい、というのがきっかけです。2016年当時は、「この部屋の面積はいくつか?」「内装材量が何枚いるのか?」「照明器具が何個いるのか?」などの積算業務をすべてアナログで行なっており、非常に時間や手間がかかっていました。また、手計算の信憑性(精度)や部材ロス、計算結果の共有ができない、など多くの課題を感じていました。そこで積算ソフトを探したのですが、良いソフトが存在しなかったのです。それならば、自社で作ってしまおう!と考えました。

 

開発から6か月後にはプロトタイプを作ることができたものの、その段階では全く役に立ちませんでした。その後、2年くらいかけ、他社にも販売できるような立派なソフトに仕上げました。

 

現在「建築の電卓」は、自社だけでなく同業者の内装工事会社や内装資材メーカーなどに販売しています。また内装工事会社からあがってきた見積もりの数量が適正かどうかをチェックするのに、大手のビルオーナー企業にもお使いいただいております。

 

 

--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。

 

強みは主に3点あります。


1つめは、圧倒的な価格力です。弊社のソフトと似たようなソフトがいくつかありますが、1本60万円〜120万円ほどする高価なソフトばかりです。ソフトが使用しているPCの台数ごとに必要となれば、かなりのコストとなり、メンテナンス費用も別途かかります。

一方、弊社のソフトは買い取り制ではなく、サブスクリプション制です。費用は年間7万2000円。1日で換算すると約200円です。その他、インストールや説明など初期導入費に10万円かかりますが手っ取り早く導入していただくのにはお手頃な価格になっていると思います。

 

2つめは、簡単操作なのに機能が本格的であることです。ソフト会社が作ったソフトではなく、現場を知り尽くした工事会社が作ったソフトという点で、かゆいところに手が届く、気の利いたソフトに仕上がっています。 また、パソコンが苦手な方や業界知識がない方でもすぐ使える簡単操作となっているため、未経験入社でも即戦力で活躍できます。

 

3つめは、積算結果を共有できることです。「建築の電卓」で積算した結果はexcelで帳票出力できるためそのまま指示書や見積書として提出することが可能です。また、紙の図面ではできなかったデータ共有ができることから営業や現場監督との連携もスムーズに行う事ができます。

 

また、弊社のソフトは他社にはない特許を2つ取得している点も特徴です。

 

1つは、柱や吹き抜けなどの減算エリアを自動で切り取り、部屋として判定したのち、面積や周長を計算しながら、内装材料が何枚必要なのかがすぐに割り出せるようになっている点などソフトの仕組みの部分で、総合的な観点で特許を取得しています。

 

もう1つの特許は、魚の骨のように斜め方向に内装材料を貼り付けるヘリンボーン貼の計算方法についての特許です。ヘリンボーン貼した材料が何枚必要なのかを手計算では、ほぼ不可能で、このタイプの貼り方は枚数計算にはとても苦労します。

 

弊社のソフトはざっくりとした数量を把握して見積書を作成したり、手配するのではなく、実際に足りる「実数」を把握できるという点において優れております。大まかな内装材の数量を発注して、現場で材料が足らないとか余るとかいう話は往々にしてあります。

 

壁に内装材を貼る際にも、窓やドアの部分など「内装材を貼る場所と貼らない場所」を特定し、貼らない部分の材料を差し引いた数量を正確に割り出すことができるなど細かい部分にもこだわっている点も魅力のひとつです。

 

 

「唯一無二の内装工事会社」という経営理念の元、日々奮闘中

 

 

 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。

 

内装工事業は、おかげ様でコロナ前より110%ほど売上が上昇しております。利益も過去最高の利益となっております。さらに「建築の電卓」も売上が2倍に上昇しています。

現在の内装工事部門における1人あたりの生産性は3000万円強で、売上高は70数名で24億円です。今後は一人当たりの生産性を5,000万円に伸ばし、100人で50億円を目指して頑張っていきます。

 

弊社の経営理念は「唯一無二の内装工事会社」となることです。これはお客様の視点から「こんなにいい内装工事会社があるんだ!」という意味での「唯一無二の内装工事会社」であると同時に、「建築業だがら、現場仕事だから、今のご時世だから、しょうがない、無理だ」 という問題や障壁に私たちが立ち向かい、ひとつずつ問題を解決することにより、建設業なのにこんなことを実現できている会社があるという意味での「唯一無二の内装工事会社」 であります。そんな企業になることが、私たちの存在意義であり、使命だと考えております。

 

また、「建築の電卓」では、10,000IDを目標にしております。現在は300IDなので、1,000IDを直近の目標として頑張っております。

 

 

--今後の採用についてはいかがですか。

 

現場監督の数=生産能力に繋がるので、現場監督をどんどん採用したいです。

また、弊社では韓国人を4名採用しています。韓国は求人倍率が低く、大卒者の3割しか就職できないという状況です。

コロナ禍以前には、四年制大学の建築学科を卒業予定の学生の中で、日本で働く意欲があり、日本語がN2レベルの人材を紹介してもらい、その中から採用するといったことも行なっておりました。

 

 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?

 

「建築の電卓」は、内装工事会社さんの業務効率を大幅に上げ、同じ内装工事会社目線で作り上げたソフトです。導入企業様からは業務時間75%、部材ロス50%削減とかなりの効果を実感頂いております。必ず積算時間の短縮につながるはずです。

 

また内装工事会社さんだけでなく、PDF等の図面をもとに面積や周長、そこに貼られる長方形材料やロール形状の材料の数量計算をされている職種の方々には是非お試しいただきたいです。予想外な導入先として、不動産業の方からも「面積が分かるし、プレゼンの資料にも使えるね」ということで導入していただきました。

ご興味がおありの企業様は、ぜひお声がけください。

 

 

--本日はどうもありがとうございました。

 

 

株式会社エス・ビルド

https://s-build.jp/

https://s-build-s.jp/

 


Professional Onlineでは無料で経営者インタビューに掲載いただける方を募集しています。

お問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

 

詳細の説明はこちら
SHARE
COPYLINK

プロフィール

株式会社エス・ビルド代表取締役

澤口 貴一

会社情報

株式会社エス・ビルド