長岡　裕己(ながおか・ひろき)

ROYAL AGENT株式会社　代表取締役社長

2008年にUniversity of Oregon Business Administrationを卒業し、株式会社リクルートキャリアに入社。2015年にデータコンサルティングやデータエンジニアリングを専門とするDATUM STUDIO株式会社に移り、セールス責任者を務める。2018年、データ活用人材に特化した人材紹介会社としてROYAL AGENT株式会社を設立し、代表取締役に就任。

 

椎橋　侑己（しいはし・ゆうき）

ROYAL AGENT株式会社　シニアコンサルタント

大学在学中よりDATUM STUDIO株式会社にインターンとして参加し、卒業後に入社。同社での経験と在学中に人材紹介業に携わった経験から人と企業の両方の発展をサポートするため、ROYAL AGENT株式会社に参画。

 

 

ビッグデータやDXなど、データ活用を表すキーワードが時代とともに変わっても、データサイエンティストの重要性は変わりません。データサイエンティストの人材紹介に特化し、求職者と企業の両面からサポートすることで双方のミスマッチを防ぎ、データサイエンティストのキャリア形成に貢献するROYAL AGENT株式会社の長岡様・椎橋様にお話を伺いました。

 

 

データサイエンティストと企業のミスマッチをなくしたい

 

 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、長岡さんと椎橋さんが起業されたきっかけ、入社された動機をお聞かせください。

 

（長岡さん）私は2008年に株式会社リクルートキャリア（以下、リクルートキャリア）に新卒で入社し、人材紹介コンサルタントとして活動したのちに新規サービス開発にも携わりました。そして2015年に、データコンサルティングやデータエンジニアリングを事業とするDATUM STUDIO株式会社（以下、DATUM社）に、営業として転職しました。

 

同社で任されたのは、営業の立場から企業のデータ活用のコンサルティングをすることです。同社が他社に売却されることになったタイミングで退社し、それをきっかけに2018年にROYAL AGENT株式会社を設立しました。

 

弊社はデータの利活用ができる人材に特化した、人材紹介会社です。前職で多くの企業のコンサルティングをした経験から、データ活用の定義が曖昧であるため、企業が求める人材とデータサイエンティストのスキルのミスマッチが頻繁に起きていることを実感していました。それには、データサイエンティストのスキルの評価制度が固まっていないために市場価値を正確に測れないという背景もあります。

 

新卒で入社したリクルートキャリアに在籍していた頃から、いずれ独立することは頭にありました。そこで、企業と、データサイエンティストやコンサルタントの両面をサポートし、両者のミスマッチを防ぐ人材紹介サービスを提供しようと考えたのです。

 

（椎橋さん）大学在学中よりDATUM社にてインターンをしており、卒業後はそのまま同社に就職しました。長岡と出会ったのもDATUM社です。長岡と同じく、データサイエンティストを採用したものの、その力を十分に活かしてきれていない企業を見てきました。

 

大学在学中から人材紹介業にも携わり、人の人生・企業の発展の両方のサポートを行えることにやりがいを感じていましたので、ROYAL AGENT株式会社にてデータサイエンティストの採用を考えている企業のお手伝いをしています。
 

 

人脈と、経験豊富なキャリアコンサルティングが強み

 

 

--貴社の人材紹介事業について、改めてご説明をお願いいたします。

 

弊社ではデータサイエンティストやDXコンサルタント等データ活用人材に特化した人材紹介と、自社のデータ活用をお考えの企業様などにコンサルティングを提供しています。データサイエンティストの人材は限られており、とても狭い業界ということもあって、弊社はおそらく日本で唯一のデータサイエンティストに特化した人材紹介会社です。

まず求職者から見た弊社の独自性について説明しますと、弊社のキャリアコンサルタントと面談すれば、データサイエンティストとしての現状や悩みを共有でき、キャリアパスを提案してもらえることです。
 

というのも、弊社のキャリアコンサルトは全員がデータサイエンティストとプロジェクトを推進した経験があり、多くの企業の課題解決に携わった経験があります。そのため、求職者のお話を伺うことで、その方のスキルや状況をかなり正確に把握できます。

 

一方、企業から見た弊社サービスの独自性は、紹介する候補者の質の高さと通常の手段ではリーチできないような人材を紹介できることです。そもそもデータサイエンティストの経験者が少ないため、ダイレクトリクルーティングに応募が来ないとお悩みの企業は多いです。しかし、逆に言うとデータサイエンティストが狭い業界であるゆえに、弊社が紹介する人材には友人や知人のご紹介を通じて登録していただいた方も多く、そういった方々は一般に採用で使われるデータベースには出てきません。

 

キャリアコンサルタントとの面談により、求職者のスキルやキャリアパスの希望をしっかりと把握できること、そして一般のデータベースでは見つけられないような人材を企業にご紹介できることが弊社の強みです。
 

弊社では今すぐ転職を考えているわけではない方とも、カジュアルにコミュニケーションを取っています。紹介先の企業からいただくフィーは一般的な人材紹介業と変わりません。また企業のニーズによってはヘッドハンティング型の人材紹介も手がけています。

 

 

--企業とデータサイエンティストのミスマッチが見られるというお話がありましたが、具体的に、どのようなミスマッチが起きているのでしょうか？

 

企業の状況によって、データサイエンティストに求められるスキルは変わります。たとえば、すでに社内にデータを活用する環境が整っている企業なら経験の浅いデータサイエンティストを採用し育成することも可能です。
 

一方で、まだデータベースも整っていない企業の場合はどうでしょうか。データサイエンティストはデータを用いて分析するのが仕事です。したがって、データ分析に必要なデータ基盤を作るところから始めるのなら、今の時点で採用すべきなのはデータサイエンティストではないでしょう。

 

また、まったく新しいサービスを開始する企業なら、若手よりもシニアを採用したほうが良いと提案することもあります。このように、企業や事業の段階によって、必要な人材やスキルは異なるのです。そういった事情にあわせた人材を紹介することで、ミスマッチを防いでいます。

 

 

規模を追うよりもサービスの質を優先

 

 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。

 

企業のニーズに対して、データサイエンティストの数は限られていますので、事業を無理に拡大することは狙っていません。これまでの経験から、人材紹介業のような労働集約型のビジネスモデルは一定以上の規模に拡大するとサービスの質が下がってしまうと感じているからです。
 

人材紹介業の肝は価値提供をするコンサルタントです。コンサルタントの質を一定に保たなければ本当に良いサービスはできません。マーケットの成長にあわせて弊社の事業規模が拡大することはあるかもしれませんが、規模拡大を優先してサービスの質を落とすようなことはしたくないと考えています。
 

少し前はビッグデータ、最近だとDXというように、その時々によってデータサイエンティストが求められる領域を表すキーワードは変わっています。しかし、データ利活用をしたいという本質的なニーズは変わりません。長く業界を見てきた経験から、求職者には将来的に役立つスキルは何かなどといったアドバイスを送り、キャリア形成に貢献したいですね。
 

現在は積極的には取り組んでいませんが、今後は弊社に登録しているデータサイエンティストの可能性を広げるためにも、紹介先企業を開拓する必要があると考えています。また、将来的には独立しているエンジニアの派遣や業務委託先として紹介といった事業を展開することも検討中です。

 

 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか？

 

社内のデータを活用するためにデータサイエンティストの採用をお考えの企業はご連絡いただければ幸いです。どういう人を採ればいいのか、また採用市場においてどのようなポイントを訴求すれば良いのかというメッセージングから一緒に考えますので、採用要件が決まっていなくても、まずは一度ご相談ください。

 

弊社のサービスは人材紹介ですが、ご相談内容によっては採用がベストではないケースもあるかもしれません。その場合は業務委託ができる人材の紹介など、他の方法で課題を解決できるよう尽力いたします。
 

 

--本日はどうもありがとうございました。

 

ROYAL AGENT株式会社

https://www.royal-agent.com/

 

 

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