柔軟性とスピード感を活かし、テレビ業界から再生エネルギー業界の裏方役として縦横無尽に活躍

柔軟性とスピード感を活かし、テレビ業界から再生エネルギー業界の裏方役として縦横無尽に活躍

株式会社リニューアブルメンテナンス 代表取締役 西村 律貴

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2022.01.20

西村 律貴(にしむら りつき)

株式会社リニューアブルメンテナンス 代表取締役社長

2014年、日本大学芸術学部を卒業し、TVドラマ制作会社に入社。その後、人材紹介会社へ転職し、新規開拓営業を経験。起業準備のために退職し、海外留学中にヨーロッパで目にした太陽光発電・風力発電設備に感銘を受け、電力自由化の開始とともに再生エネルギー領域に参入することを決める。2015年に個人事業主として事業を立ち上げ、2016年に株式会社リニューアブルメンテナンスとして法人化し、代表取締役に就任。

 


 

電力自由化をきっかけに多くの企業が太陽光発電や風力発電といった再生エネルギー事業に参入しましたが、効率良く発電し続けるにはメンテナンスが欠かせません。太陽光発電のメンテナンス業を皮切りに、コンサルティングや売電事業などを運営している株式会社リニューアブルメンテナンス 代表取締役の西村様にお話を伺いました。

 

 

ヨーロッパで目にした光景が事業のきっかけに

 

 


--本日はよろしくお願いします。早速ですが、西村さんが起業されたきっかけをお聞かせください。


2014年に日本大学芸術学部を卒業しました。音響技術専攻で、フジテレビ系ドラマ制作会社に就職し、ドラマのセリフや音を加工する技術者でした。入社時は経営者である父の影響もあり、ゆくゆくは独立して現場を束ねる音響監督になりたいと思っていました。

 

しかし、制作会社での働き方に疑問を持ったことや独立に必要な技術を身につけるのに20年かかると知り、退職して人材紹介会社に営業職として入社します。営業職を選んだのは、自身の力で稼ぎたいという思いがあり、そのために必要なスキルを会得したかったためです。そこで、新規開拓営業として1日200件のテレアポや見積等の書類作成を身につけ、ノルマを継続的に達成できるようになったところで起業準備に入るために退職しました。

 

その際、今後数年は頑張るという決意表明もあり、姉から借り入れをして、短期ではありますが以前から興味があった海外留学にもチャレンジしました。アジア人が少なく、費用も安いという理由で選んだ行き先がヨーロッパのマルタ共和国です。3〜4ヶ月の留学中のスイスやドイツ旅行で太陽光・風力発電の設備を目にしたことが、結果的に現在の事業を始めるきっかけとなりました。

 

というのも、ちょうど帰国したのが、日本で電力自由化が始まろうとしている頃だったのです。再生エネルギーはお恥ずかしいですが当時の自分にはカッコよくみえ、何より新しい領域なので、ビジネスを立ち上げて参入するには良いタイミングだと思いました。
 

2015年冬から個人事業主として事業を始め、2016年6月に株式会社リニューアブルメンテナンスとして法人化しました。


 

柔軟性とスピード感を武器に実績を積み上げてきた


 

--現在、再エネコンサル事業、売電事業を中心に事業を展開されていると思いますが、改めてご説明をお願いします。
 

弊社の主力事業は以下の3つです。

 

  • 太陽光事業

メガソーラーと言われる高圧〜特高圧の発電所の運用開始後のコンサルティング、メンテナンスを支援します。

  • 風力事業

主に北海道えりも町で低圧の発電所の企画・土地開発〜施工・運用開始までをワンストップで実行、販売します。

  • 地域特産品販売事業

全国各地の美味しいもの・おもしろいものを取り扱っています。

 

このなかでも、太陽光発電設備のメンテナンスは弊社がいち早くスタートさせたビジネスです。弊社が提供するメンテナンスとは電気系統の点検ではなく、どちらかと言えば土木作業に近い除草です。なぜかと言うと、太陽光パネルは日照条件の良い山中に建てることが多いのですが、周囲に雑草が生えやすい場所でもあります。しかし、生い茂った草がパネルに影を落とすと発電効率が下がってしまうため、太陽光発電にとって雑草は大敵です。
 

そこで、弊社では草刈り・除草をメインにしたメンテナンスを提案しています。数年前に電力自由化が始まったとき、太陽光発電設備を建てる会社は多く誕生しましたが、いずれ必要となる設備のメンテナンスを意識している会社は多くありませんでした。競合が少ないため、大企業からも受注をいただき、日本全国で展開しています。
 

なお、弊社が取り扱っている太陽光発電設備は発電容量1メガ以上のメガソーラーだけです(発電容量1メガのパネル=東京ドームのフィールド約1つ分の敷地面積)。住宅の屋根の上に取り付けるような小型のものは承っていません。これまで取り扱ったなかで最大規模のものは九州の60メガの発電所です。
 

風力発電については、弊社が国や自治体から開発の許可を得て、企画から設計、建設のマネジメントまでを担い、その後、法人様へ投資目的で販売しています。なお、建設は専門の会社に外注しています。

 

風力発電の事業は、国や自治体との交渉を含むため、完工までのリードタイムが長いのですが、これまでに40件ほど完成させた実績があり、そのうち約30件は販売済です。すべて北海道の日高地方ですが、残りの10件も今期中に販売を見込んでいます。

 

弊社の企業理念は「選択できる未来のために」です。選択肢を増やすことが豊かであると考えています。たとえば、電力自由化により今までの東京電力や北海道電力だけでなく、新電力と言われる企業と契約できるという選択肢もその1つだと思います。

 

また地方では、先祖代々の土地だが遊休地の活用方法に困っているが捕比較的多いので、未活用の土地に風力や太陽光発電の建設のご提案をして、できるだけ先方に選択肢を増やし、全体がWin-Winとなることを意識しています。

 


--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。

 

弊社は社員は私一人だけという零細企業ですので、小さな企業ならではの柔軟性とスピード感は意識しています。たとえば、太陽光発電所で実際にあったのが、運用開始後2年ほどで発電所の周りを覆うようにして竹が数メートル生えてしまい、早急に除去したいが第3者の土地のため、その地権者と関係性を保ちつつ伐採して欲しいという要望でした。なんとか解決しましたが、さまざまなニーズに細かく対応できる柔軟性は強みですね。
 

また、商談から最速で2日後には現地調査に入れる、フットワークの軽さも強みだと考えています。


 

再生エネルギー業界の将来を見据えた事業展開を

 

 

 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
 

今後は自社で発電所を所有していきたいですね。弊社の小型発電所は日本の中でも特に強い風が吹くことで知られている北海道えりも町にあります。他のコンサルの案件も含めて、月に1回ほど定期的に訪問しています。

 

さらに、業界の将来を見据えた事業展開も重要です。過去4〜5年は太陽光発電設備の建設バブルと言える状況でした。ということは、電力の固定価格買取制度が終わる20年後には大量のソーラーパネル交換が発生するはずです。事業として太陽光発電に取り組んでいる企業様のなかには、外したパネルの再利用を検討しているところもあり、弊社にとっても事業チャンスだと考えています。
 

太陽光・風力発電事業は投資的な側面があり、不動産と似ています。建てたあとも定期的なメンテナンスが必要なところもそうです。現在、新規顧客獲得は既存のお客さまからの紹介によるところがほとんどなのですが、親和性が強い不動産関係の企業はこれから狙っていきたいマーケットでもあります。
 

また、今後は新規事業として地域特産品販売事業を拡大したいとも考えています。太陽光発電・風力発電を通して、全国の農家さんや工事会社とつながりができました。そのつながりを活用して、海外に日本の農産物・畜産物を販売するビジネスを検討しています。

 

一時期、北海道で黒毛和牛を海外向けに卸す話を進めていました。あいにくコロナ禍のために一旦ストップしていますが、再開するチャンスを待っています。ただ、海外展開するにあたっての課題は、弊社では販売チャネルを持っていないことです。

 

農家さんなどと直接の付き合いがあり、仕入れには強みがあるので、販売の面で協力できる企業様がいらっしゃればありがたいですね。小規模になりがちなECよりも、大きなロットで買っていただけるところとお話を進められたら良いなと思っています。


 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?

 

経営者としてはまだまだ若輩者ですので、業界問わず先輩経営者の方々と意見交換や新しい視座を頂戴する機会をいただけますと幸いです。ぜひご連絡ください。

 

--本日はどうもありがとうございました。


 

株式会社リニューアブルメンテナンス

http://www.r-main.com/


 

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