代表取締役御手洗 大祐(みたらい・だいすけ)
rakumo株式会社 代表取締役社長
愛知県一宮市生まれ。ナイジェリアや東京都、横浜市を転々とし、立教英国学院を経て、1996年横浜国立大学教育学部(比較芸術課程)卒業、日本電信電話入社。伊藤穰一氏の誘いを受けて、ガジェットのレビューサイト事業で1999年にバックテクノロジーズを設立し、代表取締役に就任。その後バックテクノロジーズを米CNETに売却し、日本法人のシーネットネットワークスジャパン代表取締役社長を経て、2004年日本技芸(現rakumo)設立、代表取締役社長就任。当初はインキュベーション事業を展開。2005年アイスタイル取締役。リーマン・ショック後にコンサルティングや労働集約型産業の事業が難しくなると考え、業態を変えてSaaS事業を始め、経営難から2013年にはネットイヤーグループからの支援を得て、2017年にネットイヤーグループから再度独立後、2度目の挑戦で2020年に東京証券取引所マザーズに上場を果たした。
コロナによって様変わりしたワークスタイル。普及するリモートワークの影響で、急速にクラウドサービスの需要が高まる中、「仕事をラクに、オモシロく」をテーマに 、世界的クラウドプラットフォームと連携し、生産性を高めるサービスを提供し躍進するrakumo株式会社代表取締役社長の御手洗様にお話を伺いました。
インターネットの技術で、仕事や生活に役立ちたいと考え起業へ
--本日はよろしくお願いいたします。まずはじめに御手洗さんのご経歴をお聞かせいただけますでしょうか。
大学在籍中にインターネットビジネスに興味を持ち、卒業後に大手通信会社で新しい技術を利用したインターネットサービス事業の立ち上げに携わりました。その中でアメリカのベンチャー企業と関わるようになり、自分でビジネスをやりたいと考えるようになりました。 その後製品評価サイトのベンチャーを立ち上げ、その会社を米国のネット企業に売却したのちに、日本法人の社長を務めていました。
その後はもともとやりたかったインキュベーターの仕事をしたいと考え、2004年に日本技芸(現rakumo) を立ち上げました。
これからの日本は高齢者が増えて生産者人口が減り、社会維持が難しくなるといわれています。その問題を解消するために当社が得意だったITとデザイン力を活かして役に立てることをやりたい。その想いから「rakumo」という事業をはじめました。 皆様にご協力やご愛願をいただきまして、昨年上場することができました。
グローバルクラウドのプラットフォームと連携し、日本人が使いやすいサービスを提供
--現在クラウドサービスを中心に展開されていると思いますが、改めてご説明いただけますか
Google WorkspaceやSalesforce社のサービスをご利用の皆様が使いやすい法人向けクラウドサービスの提供をベースに事業を展開しております。
大手企業だけでなく中小企業にも使いやすい業務サービスを提供していこうと事業をはじめました。
現在2つの方向性で事業を展開しています。
1つ目はGoogleのサービスラインナップにないものを、Googleと連携して使えるサービス として提供しております。「電子稟議システム」「経費精算」「勤怠管理」という会社全体の業務に使うツールの開発をおこなっております。
2つ目はGoogleのサービスラインナップには存在しているが、使いにくいものをGoogleのデータと連携しながらより使いやすくするサービスとして提供しております。「rakumoカレンダー」(スケジュール調整サービス)、「rakumoコンタクト」(アドレス帳)、「rakumoボード」(社内掲示板サービス)などのサービスを提供しております。
今は資本関係はないのですが、かつてSalesforce社からも、プラットホーム上のアプリケーションシステムのご相談と出資をいただき、そこではSFAと連携したスケジュール管理のソーシャルスケジューラーというサービスの提供をしております。
またGoogleと Salesforceの2つのサービスを使っている会社様が多く、スケジュールをどちらにも入れるのが面倒だというご意見がありました。ですので自動で両方にスケジュール同期してくれる「rakumo Sync」というサービスを両方のプラットフォーム上で提供しています。
--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
プラットフォームとの連携で、Google WorkspaceやSalesCloudを使っているユーザーの方に、データやプロセスの連携により、仕事の手間を減らし便利にご利用いただける業務サービスを提供しています。当社のデザイナーが使い勝手の部分を最も意識して使いやすいサービスを提供している点も弊社の大きな強みです。
例えばGoogle Workspaceのユーザー管理と連携して効率的なユーザー管理ができたり、「電子稟議システム」は、Googleドライブから簡単に書類を選び添付することができます。社内業務では、何度も同じ内容を入力するということが起こりがちですが、ラインナップで提供していますので、様々なサービスとの連携を可能にしました。
また自社サービス間の連携も行っており、例えば「勤怠管理サービス」は、ワークフローと連携することで勤怠に関する複雑なワークフローの承認プロセスを実現ができます。
「経費精算サービス」は、 rakumoカレンダーに行き先予定を登録しておくと、裏側でナビタイムと連携して経路情報と交通費を入力してくれるシステムです。スケジュールを入力しておくだけで交通費情報が自動的に入力されますので、主に交通費の立替精算に関する申請業務を効率化しました。
経費精算や稟議などの手間がかかる処理を効率化したサービスを提供しており、お客様からも好評いただいております 。
国や組織固有のスタイルをフォローする、 “価値のある新しいサービス” の創造
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
「仕事をラクに、オモシロく」が弊社のビジョンです。ルーチンワークを減らし、人の力が必要な生産性の高い仕事に集中できるような環境を作っていきたいと考えています。
新型コロナウイルスの影響でワークスタイルや組織の在り方が変わってきています。会社の基本的な仕事、人材や組織に関わる部門を弊社でも強化、伸長していく考えです。
世界で広く使われるGoogleや Salesforceのプラットフォーム上でのサービスを事業としておりますので、同じプラットフォームが利用される海外での展開もしやすい環境です。
各国の文化に根ざした業務スタイルをフォローするサービスを、支社のあるベトナムを中心とした東南アジア方面から展開していきたいと思います。
--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
新しいサービスに取り組まれている方が多いので、連携させて頂く中で、お客様にとって“価値のある新しいサービス”を作りご提供していきたいと思っております。
上場しましたので、 M&Aも視野に入れ、自社だけではなく、外部の協力を得て、事業スピードを上げて広げていきたい考えです。当社もそれなりの顧客基盤を持っておりますので、私たちのお客様に役に立つサービスを作られている方と、ぜひご一緒に取り組ませて頂けますと幸いです。
--本日はありがとうございました。
rakumo株式会社
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プロフィール
御手洗 大祐
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