事業計画作成の負担を軽減し、事業成長に寄与するプロダクトを作りたい。それが形となった「ProfinanSS」の目指すものとは。

事業計画作成の負担を軽減し、事業成長に寄与するプロダクトを作りたい。それが形となった「ProfinanSS」の目指すものとは。

株式会社プロフィナンス 代表取締役CEO 木村 義弘

カテゴリ: IT・情報通信、従業員数:

2021.12.14

木村 義弘(きむら・よしひろ)

株式会社プロフィナンス 代表取締役 CEO

 

 

2006年、株式会社インスパイア入社。投資部門にてスタートアップへの投資実行、投資後のバリューアップに従事。スタートアップの海外事業立ち上げを経て、2011年デロイトトーマツコンサルティングに入社し、ミャンマー事務所創設に参画。現地では日系企業・現地政府の支援に従事した。2015年メディア系企業の経営企画部メンバーとして国内外のM&Aを主導し、子会社CFOとしてPMI・管理体制構築に携わった。2018年株式会社プロフィナンスを創業。収益計画をクラウドで作成できる「ProfinanSS」を開発、提供。

 


 

企業にとって事業計画は、経営の意思決定をする上での重要な役割を担います。しかし、定量的に事業の将来・戦略を表現しようとすること、また、それを表計算ソフトで作成することは、いずれも極めて難しく、時間もかかるため、悩んでいる経営者は多く存在します。そんな現状を踏まえ、“事業計画・収益計画をWeb上で誰でも・簡単に作成できる”をコンセプトに自社プロダクトの開発に尽力している、株式会社プロフィナンス代表取締役の木村さんにお話を伺いました。
 


 

大手コンサルファームからベンチャー企業まで幅広く経験を積む。その経験を基に、満を持して株式会社プロフィナンス設立へ。

 

 


--本日はよろしくお願いします。早速ですが、木村さんのこれまでのキャリアや起業のきっかけをお聞かせください。
 

大学時代は化学工学という分野を勉強していたのですが、大学院進学後は品質管理・マネジメントを研究テーマにする研究室に所属し、応用統計・経営工学について学びました。「幅広く業務を経験したい」「様々なカルチャーを吸収したい」という思いから、当時関心があった経営コンサルティングを事業としている会社に新卒入社したのですが、思いがけずスタートアップへの投資を行う投資部門に配属されました。そのため入社後は、投資検討・実行や、投資先であるスタートアップの事業計画・収支計画策定に従事していました。
 

投資先支援に携わっている間は、一緒に事業を作っていく楽しさや苦労にやりがいを感じる日々でした。そんな中、投資検討・実行を主業務とするチームに異動となりました。投資を受けたい企業の代表の方と討議するのですが、実際は投資をお断りするケースがほとんどです。私としては、お断りするにしても何かしら事業の解像度が上がるようなアドバイスや示唆を出したかったのですが、まだそこまでの知識や経験が足らず、自分の能力の至らなさに歯がゆさを感じた毎日でした。
 

そこで、自分自身が事業としっかり向き合う経験を積む必要性を感じ、ベンチャーキャピタルを退職してベンチャー企業へ転職しました。ここでは、インド子会社立ち上げに携わるため、渡印しました。インドでの経験から、自ら挑戦したい、起業したいという考えが生まれました。実はこの頃(2009年末)には現在の事業であるProfinanSSの構想をすでに持っており、「Web上でカンタンに事業計画が作れるソリューション」で起業しようと考えていました。しかし、当時はクラウドの会計ソフトも全く浸透しておらず、かつその状況を乗り越えて自分の構想を実現するほどの実力もない、そして何より覚悟を決めきれず、一度断念しました。

 

 

--事業の構想を持ちつつも、中々踏み出せない状態だったのですね。そこからどのようなきっかけで事業を開始されたのでしょうか?
 

その後、デロイトトーマツコンサルティングの新チーム発足時にお声がけいただき、入社することになりました。入社してまもなく、デロイトのミャンマーオフィスの新規立ち上げを任されました。

 

しばらくしてミャンマーオフィスが軌道に乗り、改めてコンサルティングではなく事業側に携わりたいと考えていた際に、日本の事業会社とご縁がありました。同社の経営企画部のマネージャーとして入社し、国内外でのM&Aをリード、子会社のCFOとして経営を担いました。様々な経験を積むことができたと感じる中、「自分はビジネスで何がしたかったのか」と振り返った時、頭に浮かんだのがProfinanSSでした。

 

「ProfinanSS」の構想をしてから5年以上経っているにも関わらず、未だにそれに替わるサービスはなく、多くの経営者がExcelを使って苦労しながら事業計画や収益計画を作っているという現状がありました。そこで、ProfinanSSの実現にもう一度挑戦しようと決意し、2018年に株式会社プロフィナンスを創業しました。

 

「ProfinanSS」を活用し、単なる事業計画策定の支援だけでなく、ユーザーの思考拡張を目指す

 


--現在スタートアップ企業向けに事業を展開されていると思いますが、貴社の主軸事業についてお伺いできますか?

 

事業内容は、ファイナンスデザインツール「ProfinanSS」の開発及び提供、戦略・M&A・新規事業に関するコンサルティング、各種企業研修の実施です。
 

中でも主軸事業は、自社プロダクトである「ProfinanSS」です。“事業計画をWeb上で誰でも・簡単に作成できる”をコンセプトに開発しています。ガイドに従って数字を入力していくと、投資家や銀行に提出を求められる損益計算書(PL)やキャッシュフロー・資金繰り表(CF)の計画を作成することが可能です。また、ProfinanSSでは、SaaSビジネスや、プラットフォームビジネス、ECなど多様な収益・売上モデルにも対応し、今後もユーザーの声に応えて機能を増やしていきます。
 

実際、ExcelやGoogle スプレッドシートなどの表計算ソフトを活用して作成する方が多いです。しかし作成自体が大変な作業であるため、どうしても「作って満足」になりがちでもあります。私は、事業計画で様々な数字を仮定してシミュレーションすることが大切だと考えています。様々な状況を想定して数字に基づくシミュレーションをすることで、経営者自身が事業への理解を深めることができます。「ProfinanSS」を活用し、事業シミュレーションをすることによって事業解像度を上げてほしいのです。


 

ーー事業計画の可視化ができる「ProfinanSS」ですが、他社プロダクトとは違う独自性や強みはどんなところでしょうか?

 

一番はUX(ProfinanSSを通じて得られるユーザー体験)へのこだわりですね。ProfinanSSは、単なる業務効率化ではなく、将来の経営に関わる戦略やデザインの領域を対象としています。ユーザーの「思考を拡張する」ことを目指し、ProfinanSSの利用を通して「より事業理解が深まった・事業解像度が上がった」という状態をどのように実現するか、そこを意識して、UXを考えています。
 

また、売上モデルだけではなく、どのように事業計画を考えればよいのかという思考プロセスもユーザーが実現できるよう、数字の入力をステップに分解するといった工夫もしています。
 

 

ーー経営者が事業への理解をより深め、その業務に専念できる手助けをしてくれるツールとのことですが、どのようなユーザーを支援されているのでしょうか?
 

主なユーザーは、スタートアップです。なかでも投資ラウンド(投資家が企業に対して投資をする段階)がシリーズAの企業(エクスパンション、事業運営のコアとなる商品やサービスの提供を具体的に開始する企業)で、IT業界の企業が中心となっています。また、同じような悩みを抱える大手企業の新規事業担当の方にもご利用いただいております。

 

ユーザーの事業成長に貢献するプロダクトを作りたい

 


 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか

 

この事業を通して実現したいことは、スタートアップや新規事業の成功確率とその成長スピードを上げることです。
 

そのために、ユーザーの成長とともに自社プロダクトをブラッシュアップし、アップデートさせていきたいと思っています。そしてゆくゆくは、大企業対応に向けたエンタープライズバージョンへの展開や、2025年には日本発のグローバルBtoB SaaSとして海外市場への進出挑戦を目標に考えています。

 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
 

この領域は自身が本当に苦労した領域です。事業計画作成の負担を削減することによる効率化だけでなく、我々が蓄積した知見を詰め込んだProfinanSSをご利用いただき、事業解像度向上と、その先にある事業成長に寄与したいと思っています。


 

--本日はどうもありがとうございました。


 

株式会社プロフィナンス

https://corp.profinanss.com/

 

 

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