過去から未来へ届くメッセージ「OMOIDE」で実現したいのは人が中心の世界

過去から未来へ届くメッセージ「OMOIDE」で実現したいのは人が中心の世界

おもいで株式会社 代表取締役 Co-Founder, CEO 奥野和弘

カテゴリ: IT・情報通信、従業員数: 5人以下

2022.02.21

奥野 和弘(おくの・かずひろ)

おもいで株式会社 代表取締役Co-Founder,CEO

大阪府羽曳野市出身。大学院を卒業後、IT業界に新卒で就職する。現在、平日は本業のコンサルタントとして業務をこなしながら、週末はおもいで株式会社の社長として活動している。

学生の頃にタイムカプセルなどに入れて、大人になった自分へメッセージを書いた経験をした人も多いかと思います。これらのアナログな方法に代わって、ITを活用し、過去から未来へメッセージを届けるサービス「OMOIDE」を展開しているのがおもいで株式会社です。ただメッセージを届けるだけではなく「OMOIDE」を通して社会を良いものにしていくために、これまでにない新たな領域への挑戦をしている代表取締役の奥野様にお話を伺いました。



本業と週末社長の二足のわらじ

 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、奥野さんが起業されたきっかけをお聞かせください。


神戸の大学へ進学し、大学院まで学びました。大学時代は宇宙物理学を専攻していましたが、縁があり新卒でIT業界へ就職。20年ほどIT業界でキャリアを積んできました。現在も大手コンサルティングファームでコンサルタントとして働きながら、2017年1月におもいで株式会社を設立しました。


メンバーは私を含めて全員が兼業で関わるボランティアです。私のおもいで株式会社で社長としての活動は週末が中心です。無報酬ではありますが、同じ想いを持った人が集まり、現在事業を展開しています。


 

ありそうでなかった、時間を超えて届くメッセージ

 


--創業当初より「OMOIDE」というアプリの開発、運営を中心に事業展開されていると思いますが、改めてご説明をお願いいたします。

はい、「OMOIDE」は、未来に想いを届けるメッセージアプリです。2016年にビジネスモデルの構想が始まり、2019年からは個人向けにiPhoneとAndroid用のアプリをダウンロードができるようになりました。SNSのような使い方で写真や動画にメッセージをつけ、1年後や3年後など、自分が設定した時期に受け取れるというサービスです。


「OMOIDE」を利用するユーザーは主に3つのパターンに分類されます。


・未来の自分に向けて:「OMOIDE」を利用している方で最も多い傾向にある使い方です。主に若い世代の方が、未来の自分へメッセージを送るために利用しています。


・終活の一環として:自分が生きた証を残したいと思ったり、自分が亡くなったあとも家族や大切な人に忘れないでほしいと思ったりすることが大きな理由です。家族などに宛てたメッセージが多いです。


・生活の記録として:たとえば友人と行ったテーマパークでの思い出や、子供の誕生や成長を数年後に見て楽しむために利用されています。


弊社では、ユーザー様からお預かりしたメッセージを確実に届けるということを最重要視しています。そのため「OMOIDE」は広告収入に頼らず、従量課金制で運営しています。昨今のアプリは無料のものがほとんどで、基本は広告収入で賄っています。私は本業でマーケティングのコンサルタントとして働いていますが、広告ビジネスの不安定さを肌で感じていました。


弊社のサービスでは、場合によっては10年、20年先といった長いスパンでメッセージをお預かりすることになります。そのため、広告ビジネスに依存したビジネスモデルでは不安定ですし、会社の寿命が短くなる可能性もあります。短期的なマネタイズを目指すのではなく、長い目で運営していかなければ、ユーザー様へ確実にメッセージをお届けすることはできないでしょう。しかし、いずれ個人向けサービスは完全無料化を目指していきたいですね。

 

また、2021年の秋からはBtoB向けのサービスをスタートしました。主なターゲットは、飲食店、ホテルや観光地、自治体の観光課、レジャー施設などです。たとえば、弊社のサービスを導入したレストランへ記念日のディナーに訪れたとき、QRコードを読み込み、写真とメッセージを未来へ届けるというものです。写真とメッセージを届けるにはメールを使っているのですが、メールでレストランからのメッセージやクーポンも一緒に送ることができるため、新たなマーケティングとして使っていただけます。


昨今では企業からのメールがスパム扱いされることが多く、読んでいただくのがなかなか難しい状況にあります。また、メールマガジンの開封率は2割あれば良い方だと言われていますが、「OMOIDE」を利用した方のメールの開封率は8〜9割です。過去の自分からのメッセージが届いているのですから、メールを開封する人がほとんどなのです。そして、楽しかった思い出や、自分からの「また来たいね」というメッセージを受け取ることで寛容度が高まり、今年の記念日も思い出のレストランで過ごそうと心を動かすことができるのでしょう。


 

--「OMOIDE」に対する想いを教えてください。


弊社の理念は、「明日をもっと笑顔があふれる世界に」というものです。「OMOIDE」が使われていくほど、未来に届くメッセージの総量は増え、笑顔になる回数が増えていきます。弊社が預かるメッセージは資産となっていくのです。


また、「OMOIDE」を通して、死との向き合い方や人生の価値を提供していきたいですね。たとえば、死という出来事は人間が絶対に克服できないことですが、家族へ20年間書き溜めてきたメッセージが自分の死んだ後に届くことを考えると、死の恐怖がやわらぐのではないでしょうか。


日本は無宗教の人が多いですが、宗教心によって死の恐怖が和らぐこともあります。ただ、それだけの理由で宗教に入信しようともなかなかならないと思います。「OMOIDE」が、死に対して少し前向きになれたり、新たな考えへの出会いを提供できる選択肢の一つになれればと思っています。


--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。

時代を先回りし、これまでマーケットがなかった領域を新たにつくっているという自負があります。時間軸に沿って人間が人間らしく生きるという領域にはマーケットポテンシャルがあるのではと推測しています。しかし、先行しているアメリカでは未来にメッセージを送るサービスは機能が充実していなかったり、マネタイズすることができなかったりしている例が多いですね。

弊社は創業当初からBtoBを考えてきましたが、初めはBtoCでサービスを展開し、その間にB2B向けのサービスやマネタイズモデルを構築、ビジネスモデル特許も申請し、B2B向けのビジネスを準備してきました。

 

SNSができたおかげで、世界中の誰でも簡単に繋がることができる時代になりました。しかし、核家族が増え、近所づきあいも減り、世代を超えた繋がりが弱くなっているように感じます。また、これまでの社会は便利さを追求してきましたが、それも頭打ちになりつつあるのではないでしょうか。

弊社が新たな領域へ進出することで、人が心地よく生きていけるようになり、生きる価値を感じられる世界を実現するようになると信じています。



売上よりも優先することは「社会を良くすること」


 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。

まず目指しているのは、世界中の観光地に弊社のQRコードがあり、誰でもQRコードを読み取ってメッセージを送れるようにすることです。観光地から未来に向けてメッセージを送る、ということが当たり前になる世の中にしたいですね。


弊社が本当にやりたいビジネスモデルはBtoCです。ただ、個人向けのサービスが広まるまでには長い時間が必要だと思っています。なぜなら、これまでに過去の自分からメッセージが届くという経験がない人にとって、それがどのように嬉しいか想像できないからです。

BtoBの事業を行う理由は、過去からメッセージが届くということを当たり前のことにするため。まずは観光地にQRコードを置くことからスタートし、未来へメッセージを送ることがどういうことなのか、多くの人々に体験していただきたいと考えています。

 

さらに弊社のサービスを通して、社会問題の解決に少しでも貢献できたら嬉しいですね。未来に対する想像力の欠如や、過去から学ばないということが社会問題を引き起こしているケースも多いと思います。弊社のサービスで新しい習慣を生み出し、社会が少しでも良くなるよう日々まい進していきたいですね。


今後永く事業を継続していくためにも、弊社が目指しているのは創業寛永何年というような、京都の老舗お茶屋さんのような存在です。現在の弊社はベンチャー企業ではなく、老舗企業の創成期にあるのだと位置づけています。


 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?


弊社は売上よりも、社会の役に立つことを世に生み出していくことに重きを置く会社です。今後も新たなことへ挑戦していくために、ビジネスパートナーを探しています。世の中を少しでも良い方向へ変えたいという信念をお持ちの経営者様は、ぜひお声がけください。一緒に想いを形にしていけたら嬉しいです。


 

--本日はどうもありがとうございました。


 

おもいで株式会社

https://www.omoide.life/


 

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