青木 清治(あおき せいじ)
株式会社オキセ 代表取締役
長野県岡谷南高校の普通科を卒業後、事務機屋に就職しコピー機などの修理に携わる。その後コンピューター修理をおこなっている企業へ転職し勤務するなか、コンピューターの時代に可能性を感じるようになる。ITが世の中に普及することを予見し、26歳で満を持して独立。平成6年に、システムの構築・運用保守、機器の出張修理などを手掛ける「有限会社オキセ情報研究所」を設立。平成14年には社名を「株式会社オキセ」に変更し、現在では全国でサービスを展開している。
私たちは、新しい製品・新しいサービスを使うときに、その製品を開発した企業に目を向けがちです。しかし、それらを問題なく安全に利用するためには、新しい機器類などを設置・保守・修理することが必須。そのために多くの技術者が見えないところで活躍しています。株式会社オキセにはOA機器・IT機器・通信機器のプロフェッショナルが数多く在籍。あらゆる企業、または個人のために日々奔走しています。今日は代表取締役の青木さんにお話を伺いました。
ITが社会に普及する以前からパソコン業務に可能性を感じる
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、青木さんが起業されたきっかけをお聞かせください。
高校卒業後、コピー機やワープロの修理などの修理をしている、10人程の規模の事務機屋に就職しました。3年ほど勤務したのちに、コンピューター関係の修理をおこなっている、規模の大きい事務機屋から声をかけてもらい、そちらへ転職して2年半ほど勤務しました。
それが今から30年くらい前、WindowsではなくMS-DOSの時代の話です。当時は業務用のパソコンが1セット100万円、ハードディスクが1MB1万円くらいでした。
独立したのは、私が26歳の時です。コンピューターの歴史で言うと、Windows3.1 が出てきた頃でしょうか。当時、都心部ではもうバブルが弾けていましたが、地方はまだバブルの景気の良さが残っていたので、サラリーマンよりも稼げると思い独立に踏み切りました。
--独立に踏み切った理由は何だったのでしょうか。
これからはコンピューターの時代が来る、と見越したからです。最初は、コンピューター中心の事業を小さなアパートの一室から立ち上げました。私の実家が饅頭屋を営んでいたこともあり、自分自身も自らの力で商売をするという考えを自然に持っていたのだと思います。
独立当時は企業がパソコンの導入を始めた頃でしたが、その頃はまだ、パソコンを実際に使っての業務があまり普及していませんでした。しかし、私はパソコンを使った事務処理業務のニーズが高まることに可能性を感じていたのです。
28歳の頃には、ワープロ教室として初めて事務所を設置したということもありました。そのほかには、中小・零細企業に向けてコンピューターのシステム開発や運用保守などをおこなっていました。
24時間・365日稼働、機器の区別なく対応
--現在、OA・IT機器等のオンサイト修理(出張修理)事業を中心に事業展開されていると思いますが、改めてご説明をお願い致します。
弊社の主な事業はこちらです。
- OA・IT機器等のオンサイト修理(出張修理)事業
- サーバ・ネットワーク構築・保守事業
- OA機器の販売事業
- オセキオリジナルブランド「Oki楽シリーズ」のサービス事業
- ホスティング・Webサイト関連事業 など
このなかで、現在は「OA・IT機器等のオンサイト修理(出張修理)事業」が事業の中心となっています。オンサイト修理というのは、OA・IT機器等の出張修理です。例えばある企業でコピー機が壊れたとしたら、最初にメーカーに電話をすると思います。
連絡後には、サービスマンが現場ヘ行ってコピー機の修理をおこなうわけですが、それはメーカーの人間ではありません。私たちのような委託業者がおこなっているのです。弊社には、そのための技術者が150人以上在籍しています。
つまり私たちはメーカーやサービス会社と、サービスパートナーとして、さまざまな機器の保守・修理などをおこない、製品やサービスを縁の下で支えるという役目を担っているわけです。
--具体的には、どれくらいの規模の企業のもとで業務をおこなっているのでしょうか。
そうですね。さまざまな規模の企業のもとで活動しています。大手企業や銀行のデータセンターや、メーカーのコンピューターを扱うこともあれば、個人所有のタブレットの修理をおこなうこともあります。
またコンピューターだけでなく、プロジェクター・プリンター・スキャナーなど、あらゆる機器の設置や修理、サーバー構築、ネットワーク構築などをおこなっています。
コンビニエンスストア内のコーヒーマシン・家庭用ディスポーザーなども受託しており、幅広いオンサイト修理受託業務に対応しています。
弊社のサービスは24時間・365日稼働。電話を受けてからなるべく早く現場に到着できるよう、北海道から九州まで全国に約30ヶ所の事業所を設けています。
世にある企業は、さまざまな事業を展開していっています。そして新しい製品も開発されていっています。その上で、その製品の設置や運用保守は必要不可欠な存在です。私たちが、管理しているからこそ、お客様はその製品を安心して利用できるのです。
どんどん新しいアイデアを出していこうという考えの現代の世の中から見ると、弊社は逆行している企業とも言えるかもしれませんが、これから先もずっと必要な存在であると思っています。
最近では、コロナ渦においてリモートワークが普及してきており、個人宅の修理などの案件も請け負っています。地方ではシステムについての知識があまりない方も多く、お客様と情報システムの間に入って依頼をこなすこともあります。
--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
弊社の強みは、OA、IT、通信機器全てに対応ができるというところです。というのも、OA機器とIT機器の区別がついていない方が多いのですが、実際には異なります。
OA機器はコピー機や電話など。IT機器はパソコンなど情報機器に関連するものです。現在は複合的な役割をはたす機器が増えたため、昔より線引が難しくなりましたが、厳密に言うとこの2つは異なり、管理する業者はそれぞれ違います。
もちろん、通信機器に対応している業者もまたその2つとは異なります。しかし、弊社ではOA、IT、通信機器全てに対応しています。
NTT情報機器特約店として、回線からネットワークにも対応でき、OA機器・IT機器まで一気通貫して担当できます。そのため不具合の元が特定できない場合でも、弊社に連絡をいただければすぐに対応可能です。
通常は、それぞれを専門とした業者に委託する必要があるため、依頼した業者で対応できない場合には、振り先を変えなければなりません。
しかし、弊社に連絡いただければ、機器の種類を選ばずに対応できます。また弊社は、社内の部署間における横の連携を得意としており、お客様の情報を共有することで、対応できる最適な人材を選定し、出張修理をおこなっています。
--あらゆるお客様のところへ技術者の方が出張するとのことですが、そのための交通手段の管理や、情報についての管理について、どのような体制をとっているのですか。
出張に出るために弊社で保有している自動車は、現在150台以上です。また従業員は全員セキュリティ効果の高い個人VPNを保有しており、機密情報漏洩のリスク管理には特に気を遣っています。
現在1日の出張依頼の件数は400件以上。それらをスムーズに管理するために、アポイントメント取りや、アテンドについてトータルで管理できるシステムを自社で開発しています。
さらに拠点を増やし、さまざまな企業の力になりたい
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
ITリテラシーが低い運営の方々に現在の最新のITを普及するため、情シス代わりに使える会社として全国展開をしていきたいです。今まではメーカーや委託元の意向にそって業務をおこなってきましたが、今後は独自サービスを全国に展開し、新しい客層を取り込んでいきたいです。
また、各県で 365日 24時間、4時間以内でお客様のいるところに向かうことができる体制を作りたいです。現在、弊社の拠点は全国で28箇所ありますが、私たちの目指す体制を叶えるには、最低80拠点必要。まずは50拠点から徐々に全国展開を目指したいです。
余力があれば、自社で開発した一括管理システムのソフトについて新しく部署を立ち上げて、ブラッシュアップした後に、新規事業として展開していきたいです。
--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
弊社では、これから自社のサービスを全国展開し、新しい顧客の開拓を事業の中心として考えています。
「いいサービスを全国展開したい」「いい商品を全国展開したい」という方に対して、隅々までサービスが行き届くよう、私たちが御社の足となって全てサポートいたします。
運用保守など、常に人を必要とする事業の展開を考えている場合は、是非弊社に委託してほしいです。御社の名前で仕事をするので、ぜひよろしくお願いいたします。
--本日はどうもありがとうございました。
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