小澤 一郎(おざわ・いちろう)
モノック株式会社 代表取締役
大学2年生のときにiPhoneアプリをエンジニアと開発し、写真アプリが2000万DLを超える大ヒットを記録。アプリ発信と同時に起業。写真アプリでの専業は難しいことから化粧品業界へとピボットし、D2C販売を開始。他業種からの化粧品ブランド開発支援も行い、世の中に様々な化粧品を送り出している。
アプリの開発に取り組む企業が増える中、小澤様が開発された写真アプリは、2000万ダウンロードという大記録を達成しました。しかし、大手企業が参入したことで写真アプリ一本で事業を継続することは難しいと感じ化粧品業界へと思い切った方向転換をしたモノック株式会社。どのような思いがあったのかこれからの展望と共にモノック株式会社代表取締役の小澤様にお話を伺いました。
2000万DLの写真アプリヒットから化粧品業界にピボット
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、小澤さんが起業されたきっかけをお聞かせください。
大学2年生(20歳)のときに立ち上げた会社で、今は11期目になります。当時会社を立ち上げる前から、iPhoneアプリの開発などを友人と行っておりまして、写真アプリを発信したことをきっかけに会社を立ち上げました。
ですが、当時の写真アプリ事業は現在は行っておらず、7年ほど前に現在の化粧品事業にピボットしました。
--なぜ写真アプリから化粧品業界にピボットされたのでしょうか?
写真アプリが全世界で2000万ダウンロードくらいの大ヒットとなったのですが、無料アプリだったのでマネタイズが難しかったというのがあります。
また、インスタグラムやLINEカメラのような大手企業が参入してきたことで、我々のようなベンチャー企業が写真アプリ一本で事業を継続することは難しいと感じました。その時の写真アプリユーザーの90%くらいが女性であったため、そのユーザーさんに新しいサービスを提供することでマネタイズをしようと考えたのです。
女性向けのサービスを行おうということで、企画をしておりました。ツール系アプリよりもオリジナルメディアをしようと思い、最も取り組みやすかったものが化粧品だったので、化粧品メディアに参入をしました。
一気通貫型で化粧品開発から販売までできるから強い
--現在化粧品事業を中心に事業展開されていると思いますが、改めてご説明をお願い致します。
現在は化粧品の開発を行っております。
自社開発している化粧品は直販になっていて、いわゆるD2C(消費者直接取引)販売となっております。ブランド名は「FAVES BEAUTY(フェイブス ビューティ)」です。基本的にはオンライン限定で販売していますが、今後は店舗販売も行う予定です。
他にも「D2CSTATION」という名前で、お客様の化粧品開発支援を行っております。
企画から製造・物流・販売・プロモーションなど、通常ならブランド側が全て自分たちで行うことを担い、支援させていただく形をとっております。
3年前に自社の化粧品ブランドを立ち上げたときに、商品を考えてサンプルを手配、工場を探すなど、化粧品の場合は薬機法という法律を遵守する必要もあり、マーケティングや、物流、倉庫などブランドを立ち上げる大変さを身をもって体感しました。さらに、人手が全然足りないという問題があることがわかり、もっと簡単にできれば、と思ったことがこの事業を始めたきっかけでもあります。
化粧品ブランドを立ち上げたいお客様は当社にご依頼いただければ、ブランド立ち上げだけでなく、売り上げが出るところまで支援するシステムになっています。
--支援するお客様というのはどのような方が多いのでしょうか。
7割が化粧品業界以外のお客様で、残りの3割がすでに化粧品業界に携わっており、新たにD2Cとして商品を販売したいという化粧品会社様になっています。
大半を占めている異業種からの参入に関しては、すでにネットビジネスに携わっているIT系が多いかと思っていたのですが、建設業や旅館を営んでいる方、学習塾の方など様々なジャンルの方々が新規事業立ち上げを希望してお申し込みいただいています。このような場合、ECサイトのことや化粧品業界のことなどをレクチャーしながら商品開発をしております。
営業方法としては、SNSにLPを投稿、Googleに広告を入れるなどしており、基本的にはインバウンド営業です。
--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
自社ブランドFAVES BEAUTYの強みは、人の瞳や髪の毛、肌の色などは人それぞれ違い、似合う色というものも違ってきます。似合う色を見つけることで、その人に合ったメイクを提案できるようになります。弊社のブランドは「パーソナルカラーブランド」と名付けていまして、カメラのバーチャルシミュレーションなどを利用しながら、それぞれの人に合った色を提案していくところが特徴になっています。
立ち上げ事業に関しての強みは、一気通貫で提供しているところです。D2Cは流行っていることもあって、企画できる会社やデザインできる会社などはありますが、全てを一気通貫で提供している会社というものはありません。
弊社がなぜできるのかというと、自分たちで化粧品ブランドを運営しているかつ、自分たちで化粧品メディアを持ち、マーケティングの実績もあるため、全ての領域をサポートできるためです。D2Cでは痒いところに手が届く商品であり、ユーザーの声に沿った商品を提供していくことが大切だと思っています。
100ブランド創出し、グローバル展開を目指す
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
短期的には100ブランド創出を目指しております。日本の化粧品会社の中に、短期的に100ブランドを一気につくれる会社はありません。実現するためには、様々なことを同時並行にできる組織力や体制が必要です。
会社としてのミッションはブランドづくりを革新することで、ビジョンは画期的な化粧品ブランドをつくることです。立ち上げるだけなら誰でもできるので、しっかりと売れるブランドにしていくことが重要であると考えています。
中長期的には、それらのブランドをグローバルに育てていくことを目標としています。
--ありがとうございます。最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
化粧品を全く知らない方でもブランドの立ち上げができるようにしっかりとサポートしております。実際に店頭に並んでいる商品は、異業種の企業様が契約いただいて販売しているものが多いです。簡単なお話からでも大丈夫なので、是非作りたいという方がいらっしゃいましたらご連絡いただけたら幸いです。
--本日はどうもありがとうございました。
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