社会課題を解決するためのクリエイティブとコンテンツをつくる。複数の武器で挑戦者をサポートする株式会社MAGiC HoURとは

社会課題を解決するためのクリエイティブとコンテンツをつくる。複数の武器で挑戦者をサポートする株式会社MAGiC HoURとは

株式会社MAGiC HoUR 代表取締役社長 西尾

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2022.01.24

西尾 輝(にしお・ひかる)

株式会社MAGiC HoUR 代表取締役社長

神奈川県出身。逗子開成中学・高校出身。高校卒業後、草津温泉にある旅館に1年半ほど勤める。その後、京都の龍谷大学政策学部へ進学。学生団体の立ち上げを通し、様々な活動に没頭する大学生活を過ごす。5社の企業を経験したのち、2020年12月に株式会社MAGiC HoURを設立。創業1年を迎えた。

日本を良くしたいという思いや、身近にある困ったことを解決するために起業しようと考える人や世の中のために個人で活動している人は少なくありません。しかし、新たなチャレンジや活動を継続するにはお金が必要です。「想いはあるのに、利益を生む方法がわからず諦めてしまう人は多くいます。」そう話すのは、株式会社MAGiC HoUR 代表取締役社長の西尾輝社長。西尾さん自身も高校を卒業後、様々な活動や経験を通し社会貢献をテーマに深く考えた後、2020年12月に株式会社MAGiC HoURを設立されました。会社を設立した理由、これから目指す世界についてお話を伺いました。



社会課題に取り組む企業や人が損をする世の中ではいけない

 

 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、西尾さんが起業されたきっかけをお聞かせください。

 

逗子開成中学校・高等学校という進学校に通っていましたが、将来の夢がありませんでした。周囲の同級生たちが、大学のその先まで見据えて進路を決めていっているなか、大学で何をしたいのかさえ特にありませんでした。

受験勉強に身が入ることもなく、毎日コントの台本を書いたりラジオの構成を考えたりしていて、なんとなくで決めた志望校に落ちたときも、ただ浪人してもあまり意味がなさそうだなと一度働くことに決めました。

 

草津温泉の旅館には1年半ほど勤務し、掃除や洗濯、接客や予約の管理などを経験しました。働いていて衝撃を受けたのは、地元に働く場所がないから仕方なくという人や、生活のためにとりあえず働いている人に出会ったことです。進学校では裕福な家庭がほとんどだったので、働くことやお金への価値観の違いに驚き、社会にはこういった知らない格差がたくさんあることを知りました。今までの価値観が壊された時期でしたね。こうした社会における差異がなぜ生まれるのか、是正されないのか、そういったことを学ぶために大学進学を決めました。

 

自分の知らない場所で過ごしたかったので京都の大学に入学。大学時代は研究室でバイトをしながら、学生団体に入り地産地消を実践するための農業のチームで活動をしたり、自分たちで団体を立ち上げ、大学内にある障害のある方が働くカフェの運営を行っていました。

 

これらの活動を通して、世の中には知らない課題、その奥にある複雑な事情を知ることになりました。また、それと同時に、社会課題の解決を事業にしているが、うまく回らないことも多いという現状を目の当たりにしました。事業として利益を上げながら課題を解決することがいかに難しいのかを肌で感じましたね。


社会課題を解決するための事業が継続するシステムをつくることの必要性を感じ、その仕組みづくりを知るために、大学卒業後は就職することを決めました。入社した企業では会社全体の予算管理や、評価制度の改善、コスト削減施策を考える部署に配属され、管理の基礎を知ることができました。


その後2度の転職で人事業務全般を担当、また新規事業の管理なども経験しました。そういったなかで、ベンチャー企業や中小企業向けに人事施策の勉強会でスピーカーとして呼ばれる機会が増えてきたことで、自分のやっていることが他社でも活きることを確信しました。

社会にとって良い会社を増やすために人事の領域においてノウハウを提供したいと考え、発信できる場所を考えていた頃、就活サイトを運営する企業とお話する機会があり、参画することに決めました。ベンチャー企業の経営者と会う機会が増えたことで、経営をよりリアルに感じることが出来ました。


一方で、多くの経営者との出会いや、スタートアップな環境に身を置いたことで、自分が本当にやりたいことについて深く考えるきっかけとなり、自分のやりたいことは自分でつくるしかないのではないかと考えるようにもなりました。そこで社会課題を解決したいと考える人が挑戦を諦めないでいられるような仕組みを実現するために2020年12月に株式会社MAGiC HoURを設立。仕組みづくりには4ヶ月間かけ、2021年の4月から本格的に事業をスタートしています。

 

また、弊社がNPOではなく株式会社である理由は、社会課題解決に向き合っている企業や人のロールモデルになるためです。社会課題解決を事業にしていることが利益を生むのでなければ、誰もやりたがらないでしょう。社会課題を事業にしている経営者でも資産を生む世界観をつくり出すことで、世の中を良い方向に変えていきたいと考えています。


現在では、クリエイティブやアートの事業に専門性を特化させ、クリエイティブ制作に関わる人たちに取り巻く課題の解決を事業で行っています。同時に、創業当初の想いである広く社会課題に関心を持つ人を増やせるように、メディアの運営や研修コンテンツを制作する事業で発信をしていっています。


 

高い専門性を持つメンバーが集まり、想いをカタチにする

 


--現在の事業内容について、改めてご説明をお願いいたします。
 

社会課題の解決に挑戦する人を継続して支援するための事業を行っており、現在は5つの事業を運営しています。


・ブランドクリエイティブ事業:企業のスタートアップ期や、新たな事業を立ち上げる際に必要なブランドのコンセプト設計、ロゴやホームページなどのデザイン関連、広報の戦略設計などの初期のブランド戦略を一括でご支援しています。


 ・マーケティングコンサルティング事業:広告の運用代行や分析、LPの制作を行っています。


 ・研修コンテンツ制作事業:研修運営企業から依頼を請け、新規事業企画、マーケティング、クリエイティブ、コーポレート、採用など様々な専門スキル向上のための研修コンテンツを制作。その中で社会課題解決の目線やSDGsなどの理解を深める内容を盛り込んでいます。


 ・メディア事業:社会課題を身近に考えてもらうためのWebメディア「DaiFUKU(ダイフク)」を運営しています。社会課題に興味を持つ人を長期的に増やしていくためにつくりました。生活者の目線で社会のいいところやもやもやするところをエッセイとして寄稿いただいたり、社会課題解決をベースに活動している起業家やフリーランスをインタビューし、記事や動画にしていたり、海外のSDGsの事例を掲載していたりします。


・地方創生事業:地方自治体と共同で事業を展開している企業様のサポートを行います。


株式会社MAGiC HoURを立ち上げ、きちんと利益が生まれる事業にするために困ったことや悩んだことをヒントに、それらを解決できる事業をつくってきました。たとえば、会社のホームページを制作するだけでも多額の費用がかかるため、スタートアップ期は資金面で困る企業が多くあります。しかし、事業を継続することを考えると、コンテンツのクオリティを下げることはいい判断ではありません。


そこで、ブランドクリエイティブ事業では、デザイン納品の3カ月後から分割でお支払いできる仕組みを取り入れています。資金が少なくて困っている企業でも、クオリティに妥協することなく事業をスタートできる仕組みです。


また、私自身が事業づくりを得意としていますので、必要があれば、プロダクトづくりからサポートをしています。やりたいことはあるけれど、どのように事業を始めればよいかわからないという場合でもサポートをいたします。誰しも必ず起業したい理由があるはずです。その理由を明確にしながら、二人三脚でやりたいことを形にするためにお手伝いをしています。



--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。

ブランドクリエイティブで言うと、ブランド戦略から制作まで一貫で行えることが強みだと言えます。経営者である私自身がディレクターやライターの経験が長いため、経営者の目線と製作者の目線でクライアント様に寄り添えることは大きな武器だと考えています。


また、研修コンテンツ制作については、やはり現場で活躍出来る実践的な思考養成と社会課題解決の目線を養える特殊な構成にしているところでしょう。今や社会課題解決の目線やSDGsへの理解は仕事を行ううえでの前提へとなってきており、コーポレートの文脈では会社を守るために正しい理解をする必要があります。

そういった、実践向きの攻めの部分と時流を捉えた守りの部分がバランスよく身につくのが特異性だと考えています。


弊社メンバーはそれぞれが社会課題に対して関心領域を持っており、専門性のあるスキルと併せながら独自の価値を発揮出来るメンバーばかりです。その延長線上に質が高いサービスが存在しています。


 

誰もがチャレンジし、活躍できる世の中を創造するために


 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
 

今期から新たな取り組みとして、社会課題を解決したいデザイナーが集まるスタジオを設立し、企業にとってもより想いに共感してくれるデザイナーと仕事が出来る場提供したいと考えています。現在、社会課題を解決する会社と仕事をしたいと思っていても、アプローチ方法がわからないクリエイターは多いです。逆に、依頼する企業も自社の意向に沿って仕事を依頼できるクリエイターと繋がることの出来る方法がわかっていません。

新しく設立するスタジオを、この両者の問題をすべて解決できる場にしたいと考えています。


日本はアニメをはじめ、あらゆるクリエイティブな分野が発展し、優秀なクリエイターも多いのですが、自身の売り出し方がわからず、とにかく安売りしてしまうパターンが多く見られます。良いものをつくるより、安いほうがいいという世界では何も進化しません。この現状を打破するためにスタジオを設立し、これを足がかりにしてアート産業にも進出していく考えです。


アートやクリエイティブの持つ「余白」の可能性を信じ、社会課題を解決するための一つの力、一つの方法として確立させていきたいです。それ以外にも、「余白」や「多様性」をテーマに事業を丁寧につくっていきます。


 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?


経営者とは未来の専門家でなければならないと考えています。こうなりたいという未来を創造し実現するために、意思決定をし続ける人であるのが経営者。自分たちが目指す未来に手立てができるのが経営の面白さです。未来を不安に感じる人は多くいますが、自分が作りたい未来を決めることで、不安は減っていきます。挑戦する人が増えることで社会の課題が解決されていくことを願っていますし、挑戦する人を弊社は全力でサポートしていきたいですね。

 

また、様々な思想の経営者がいて、多様な挑戦があって良いと全員が認め合える社会でありたいと考えています。正解はひとつしかないという理論よりも、どんな形でもお互いを応援していける社会が実現していくことを願っています。


 

--本日はどうもありがとうございました。


 

株式会社MAGiC HoUR

https://magichour-social.co.jp/


 

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