社員の心身の健康状態を保つことが会社の成長に直結する。社員の健康維持を通して企業の成長をサポートしたい。

社員の心身の健康状態を保つことが会社の成長に直結する。社員の健康維持を通して企業の成長をサポートしたい。

株式会社ラフール 代表取締役 結木啓太

カテゴリ: IT・情報通信、従業員数: 51人〜100人

2021.08.16

結木啓太(ゆうき・けいた)

株式会社ラフール 代表取締役社長

 

高校卒業後、株式会社アイエムエスに入社され、わずか3年で会社の最年少管理職に就任し、その後、IT企業等の営業支援を行う会社を経て、2008年にIT関連企業の株式会社トラストマネージメントにて役員として会社を牽引。通信関連と個人情報保護に関するコンサルティング業務を行う傍ら、経済産業省認定団体JAPHICの認定審査員認定試験を通過し、認定審査員として個人情報保護に関する活動にも携わる。

2010年には、助成金を活用した教育研修事業立ち上げに参画し、個人情報保護に関する従業員への教育研修プログラムの構築・助成金の活用スキームの構築。そして2011年11月、現在の株式会社ラフールの前身となる、株式会社ヒューマンリソースマネージメント設立し、代表取締役社長に就任。

 

 

 

働き方改革法の施行をはじめ健康経営の重要性が謳われる昨今、社員からの企業に対する愛着度を示す「エンゲージメント」が注目されています。データとテクノロジーを活用しながら社員のメンタルヘルスをケアしエンゲージメントを高めるサービスを提供する株式会社ラフールのサービス内容や今後の展望について、の結木代表取締役社長にお話をお伺いしました。

 

 

企業の情報漏洩防止の原因の一つは「社員のメンタルヘルス悪化」

ー 本日はよろしくお願いいたします。まずは、起業に至った経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。

 

はい。前職は個人情報を中心として情報セキュリティのコンサルティング会社の役員として勤めておりました。当時は、情報漏洩対策と言いますとPCを置き忘れないようにする、といった施策が主流でしたが、SNSの利用が広がっていく中で、SNS上での情報漏洩や社内の告発が発生しまして、それを防ぎたいという企業様から依頼を受けてコンサルティングを実施していました。

 

当初は、例えSNSであっても意図的な情報漏洩をした場合は個人を特定することが可能になることを啓蒙するなどの施策を通して情報漏洩の防止を図っていたのですが、個人が特定されても良いから意図的に情報を漏洩させようとする社員の方もいらっしゃいました。

 

そのような社員の様子やSNSの投稿を拝見していますと、精神面が良好ではない状態にあるのではないかと考えていました。ちょうど企業様からも社員のメンタルヘルスをケアしていくことで関係性を良くしていきたいと依頼を受け、メンタルヘルスケアに取り組む意思決定をしました。最初は社内で提案をしていたのですがなかなか承認が下りなかったため、自ら創業することにしました。

 

 

社員の心身の健康状態を分析し、改善立案、対策までをワンストップで提供

 

 

ー ありがとうございます。事業内容として、『ラフールサーベイ』についてお伺いできますでしょうか。

 

はい。『ラフールサーベイ』は、社員の精神状態のほか、身体の状態やエンゲージメント(自社への愛着度)、ハラスメント/離職リスクなどが可視化できます。そして、社員の健康状態に合わせた改善立案、対策までをワンストップで提供するサービスです。

 

特徴としてはプロダクトアウトでサービスをつくり上げていることに加え、15万通りのアドバイスコメントやセルフケア動画などを社員へ提案できる点です。

 

社員のストレス度合いを年に1回確認する「ストレスチェック」が2015年に厚労省によって義務化されたことで、メンタルヘルスケアを開始する企業様は増えましたが、「とりあえず義務だからやる」という企業様が多い状態でした。また、市場に出ていたストレスチェックサービスとしても、厚労省の指定した調査項目に沿って提供しているものがほとんどでした。

 

我々は、創業に至った経緯から、単に年に1回のストレスチェックを行なって、問題がある人だけが産業医と面談する、という取り組みをしているだけでは本質的なメンタルヘルスケアは実現できないと考えていました。

 

2018年に働き方改革法が施行された頃に健康経営が注目されるようになり、ようやく「ストレスチェックだけでなく健康経営のサポートもしていただけないか。」というご依頼をいただいたことで、それまでの約3年間のご支援で溜まっていた約3,000社、18万件のストレスチェックデータと離職率を組み合わせて、社員はどのような精神状態の時に離職しやすいのか、という研究を本格的に始めました。

 

精神科医の先生や大学の心理学部の教授と共同で、既存のストレスチェックの調査項目に改良を加えていき研究を重ねた結果、上司や同僚との人間関係や目標達成率、入社前の会社への期待と入社後の会社の対応に感じたギャップ、といった指標が離職に大きく影響を与えることが分かり、メンタルヘルスケアをできるようなサービスを構築してきました。

 

近年は多くの企業様でエンゲージメントが重視されるようになってきているため、マーケットインで作られているサービスが多いですが、我々の場合は健康経営を実現していくための分析を通してサービスを考えた結果としてエンゲージメント支援サービスが出来上がった形で、いわゆるプロダクトアウト型の開発となっていますので、データを元にした本質的なケアが行えるようになっています。

 

また、社員のメンタルヘルスケアを進めていくためには、健康状態を把握した上でどのような施策が必要なのか、というところまで検討し実行していく必要がありますが、ただ社員のメンタルヘルスや会社へのエンゲージメントを見える化するだけでは、最終的に人がデータを元に施策を検討することになりますので、人事部の負荷が大きくなってしまいます。

 

一方で、我々のサービスは、社員がアプリやPCでマイページにログインすることで、動画やアプリを通じて約15万通りのアドバイスを受けられるため、人事部の方の負担は大きくありません。

 

また、他社様のサービスとも連携しているため、我々が提供できるプランの他にももっと効果的なプランがあれば、他社様のサービスの提案を行うこともあります。

 

 

 

 

ー ありがとうございます。どのような企業様に活用いただくケースが多いのでしょうか。

 

はい。100名〜300名規模の企業様からエンタープライズ企業様まで幅広い企業様にご活用いただけているのですが、特に複数拠点をお持ちの企業様はうまくご活用いただけるケースが多いのではないかと思います。

 

このような企業様は拠点間でパフォーマンスに差が出てくることが少なくなく、その際に我々のサービスを利用いただくことで、拠点ごとにパフォーマンスを下げている要因を洗い出すことが簡単にできます。このあたりを評価いただいてご利用いただくケースが多いですね。

 

また、離職率が高く、離職者の穴埋めをするための採用コストが高い業種の企業様の場合も我々のサービスの価値を感じていただきやすいのではないかと考えています。

 

 

ー 近年は位置情報企業との提携など多様な種類のデータ収集も進められているようですが、どのような意図があるのでしょうか。

 

はい。我々は自身の健康に対する意識が低いと言われる日本人の健康意識を変え、自分自身の健康を維持するような行動変容を起こしていきたいと考えています。

 

位置情報データを例にとると、例えば、メンタルヘルスに改善が求められる人は行動範囲が家と職場の往復ばかりになってしまうケースもあります。

 

このような場合、ストレスが溜まっていることに気付けていない方も多いので、近くの公園や花屋など、少しでもいつもとは違う景色を見せられるようスマホでお勧めできるような仕組みを作っていきたいと考えています。

 

その仕組みを発展させれば、例えば元気がない人が自動販売機の前を通りかかった時に、栄養ドリンクを飲むことをお勧めできるような、新たな広告の形につながっていくのではないでしょうか。

 

最終的には我々のアプリを利用していれば自ずと健康になっていく、そのような仕組みを作っていきたいです。

 

 

社員の健康維持を通して企業の成長をサポートしたい

ー では、今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか。

 

はい。まずはAIによるお勧めのコンテンツの質をより高めていくために様々なデータを収集していきたいと考えています。

 

対企業様向けでの展望をお伝えしますと、今世界的にESG投資がトレンドになっているのですが、日本は世界と比較しESG投資の普及が遅れています。特にS(Social:ソーシャル)に着目した投資が進んでいません。

 

我々としては、人事部の方だけでなくIR担当の方にもサービスをご利用いただきまして、例えば社員のメンタルヘルスの状態やパフォーマンスの数値をIRに反映させることで株価の安定を図る、といったようなことをご支援していきたいと考えています。

 

例えば、近年はダイバーシティが謳われ女性活躍が推進されていますが、日本ではまだ、「役員の女性比率」がどのくらいか、という目標を建てている企業がほとんどです。

 

次のステップとして、ダイバーシティを進めてどれくらいパフォーマンスを高めることができたか、というところが注目されるようになってくると思います。だからこそ、今のうちからパフォーマンスの定量的に可視化できるような仕組みを普及させていきたいです。

 

 

ー 最後に、働き方に対する考え方が急速に変化しているなかで、今後はどのような考え方が企業に求められるとお考えでしょうか。

 

はい。コロナの影響でリモートワークも一気に普及し、オフィスのあり方なども見直されるようになりました。リモートワークが増加しますと必然的に社内のコミュニケーションは少なくなります。そして、コミュニケーションが少なくなるとパフォーマンスが低下していきます。

 

リモートワークを導入しつつパフォーマス向上をしていくためには、会社が戦略的な人事サポートを行う必要があると考えています。近年、社員の健康を維持していくことが会社の成長につながる、という考え方がようやく浸透してきており、社員の健康維持が戦略的な人事サポート施策の一つとして数えられるようになってきたのではないかと思います。今後はこの考え方がさらに広がり、当たり前になっていくの思います。そのような中で、我々としては、企業様の成長を社員の健康管理の面から手伝える会社でありたいと思っています。

 

 

 

ー 本日はありがとうございました。

 

 

株式会社ラフール
https://www.lafool.co.jp

 

Professional Onlineでは無料で経営者インタビューに掲載いただける方を募集しています。お問い合わせフォームよりご連絡ください

 

 

 

SHARE
COPYLINK

プロフィール

株式会社ラフール代表取締役

結木啓太

会社情報