刑事の経験はビジネスの役に立つ。元刑事だからこそできることがある

刑事の経験はビジネスの役に立つ。元刑事だからこそできることがある

一般社団法人日本刑事技術協会 代表理事 森透

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2022.01.17

森 透匡(もり・ゆきまさ)

一般社団法人日本刑事技術協会 代表理事

警察の元警部。詐欺、横領、贈収賄事件等を扱う知能・経済犯担当の刑事を約20年経験。 東日本大震災を契機に独立。一般社団法人日本刑事技術協会を設立し、現在は代表理事として「ウソや人間心理の見抜き方」を主なテーマに大手企業、経営者団体など毎年全国180か所以上で講演・企業研修を行い、これまで7万人以上が聴講。2020年には大手エージェントの1万人以上の講師の中から全国№1人気講師に選出された。

社会のあらゆる問題につながる警察の仕事。現場で身につけた経験や知識は、警察の職務以外でも活きることはあるはずです。しかし、退職と同時に知識が表に出る機会がなくなるのが現状としてあります。そんな課題と向き合い、社会のニーズに応えながら警察OBの活躍の場を提供する一般社団法人日本刑事技術協会 代表理事の森様にお話をお伺いしました。

 


人生は1度きり。東日本大震災をきっかけに独立
 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、森さんのご経歴をお聞かせください。


長崎県生まれ千葉県育ちです。まず千葉県の警察官として27年10ヶ月勤務。もともと独立を考えていましたが、東日本大震災をきっかけに46歳で独立しました。最初に株式会社クリアウッドという会社を立ち上げ、講師業・コンサルタント業を展開。グラフィックデザイナーの弟を社員にして広告事業も始めました。2019年12月にデザイン事業を畳み、コンサル・講演事業を1本化。2019年7月に日本刑事技術協会を立ち上げました。クリアウッドは警察とは関係のない仕事なのに対し、協会は警察に大きく関係のある仕事です。現在、日本刑事技術協会で代表をしています。


 

--東日本大震災を契機に独立されたということでしたが、現在展開されている事業はいつ頃から考え始めたのでしょうか。


独立する2年前から考え始めました。

当時、広域緊急援助隊という災害の救出部隊の中隊長として従事。3.11の時にも、福島で救出活動をしていました。1000年に1度の震災を目の当たりにして、人間生きているうちに挑戦しないと本当にいつか死んでしまうと実感。独立を決意した瞬間でした。

 

講師業・コンサルタント業が具体的になったのは、半年前です。独立するために起業塾に入り、自分に何ができるか考えたとき、探偵や警備業のような他の人がやっている仕事は避けたいと思っていました。変わったことをビジネスにしたいと思い、中でもリスクが少ない講師がいいかなと。「ウソの見抜き方」というコンテンツで講師を始めました。ウソの見抜き方のスキルは、日本では私の知る限り教えている人はいません。非常にニッチで面白いのではと思い、テーマとして選びました。


 

刑事の知識を提供し、企業の悩みを解決していく


 

--現在展開されている事業について、改めてご説明をお願いいたします。

 

クリアウッドを立ち上げ講師業をやる中で、刑事の経験や知識は世の中のニーズに応えられると気づきます。刑事、警察のいろんな仕事での経験が民間企業や個人の悩みを解決できるのではと考えました。私の他にもいろんな元刑事、警察官がいます。そういう人たちが民間企業の悩みを解決できる場があれば面白いと思い、2019年7月に協会を立ち上げました。独立している元警察官に登録してもらう形で、現在私をいれて10名のコンサルタントがいます。


講演では、「ビジネスで役に立つウソの見抜き方」というコンテンツをお話しすることが多いです。頻度は、年間で180回ほど。講演や企業研修で、全国の経営者団体や企業に行ってお話しています。

ウソを見抜くスキルは、採用面接や人事管理、取引先に騙されないために必要です。また、ウソを見抜かなければならない仕事の方もいらっしゃると思います。例えば、損害保険会社の請求担当者です。実際に大手の保険会社で研修することもあります。そういう方に向けて、私はウソの見抜き方のスキルを全国にお伝えしています。他の登録講師は、私とは違う分野を扱っています。


 

--講演では、先方側から話す内容を依頼されるケースが多いのでしょうか。


話せることはある程度決まっていて、ホームページにコンテンツを提示しています。

例えば私の場合、「ウソの見抜き方」「本音の引き出し方」などのコミュニケーションスキルを中心に提供しています。その中から依頼があり、お話に行きます。


私の仕事は講演が多いです。今はオンラインが9割ですが、これからリアルに戻ってくる感覚はありますね。


 

--協会に登録する警察OBはどのように集めているのでしょうか。


協会のホームページを見た希望者から問い合わせがきます。そこから理事が面談し、登録者として基準を満たしているかを判断しています。


中には、講師として全国を回ってみたいという人もいます。民間や講師業を知らない状態で入っても仕事にならないため、協会の中に講師養成塾を作っています。講師をやりたい人はそこに入ってもらい、私のノウハウをすべてお伝えしてデビューしてもらう流れです。

 

 

--養成塾でのプログラムやカリキュラムはあるのでしょうか。


養成塾では、講師として活躍するための話し方を教えています。その人の背景からどんな話ができるのかというコンテンツ作りや話し方の構成の部分ですね。誰が聞いても学びのある時間にするためのテクニックをお伝えしています。



--独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。

警察官、刑事は現場経験が豊富です。一般の人が一生見ないような社会の表裏も見ているため、その現場経験がみなさんのお役に立てます。困ったときは弁護士や警察に相談するのが一般的ですが、敷居が高いですよね。そこで民間の団体である私たちが警察とみなさんの間に入ります。相談の敷居を低くして、警察とは違ったサービスを提供できることが強みです。



--同業にあたる団体はありますでしょうか。


警察官が何人かいる警備会社やコンサル会社はあるかもしれませんが、当協会のように刑事の講演を表に出している形のところは他にないと思います。


警察ネタならここに聞けばいいということで、雑誌やテレビなどメディアの取材も多いです。そういう意味でも他と差別化できているのかもしれません。



警察官OBの活躍の場を増やし、民間の力になりたい


 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。

警察官も定年退職が65歳になるかもしれませんが、人生は長いです。定年したあとも時間があります。いろんな経験、知識を持っていても、退職するとゼロになります。どこにもアウトプットすることなく終わってしまうのは、すごく勿体ないことです。警察の経験は民間企業の役に立てます。そのため、OBの活躍の場を増やすことが今後の大きな目標の1つです。これは事業を立ち上げた目的でもあります。


もう1つは弁護士や警察よりも敷居を低くして、相談しやすい環境を作っていくことです。最大限民間のお役に立てるように事業を展開していきたいですね。


当協会では、講師によって扱うテーマが異なります。みなさんの悩みをより解決していくため、講師やコンサルタントの人数を増やし、対応範囲を広げていきたいというのが展望としてあります。


 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?


当協会は、元刑事、警察官が所属する団体です。例えば危機管理上の問題点、コンプライアンスの問題点、採用・不正など人事関係の悩みにお応えできます。警察のOBに相談したら知恵を借りれるのではという悩みをお持ちでしたら、お力になれると思います。

 

当協会の登録コンサルタント、メンバーで解決できない場合は、民間で業務提携もしているため、そちらに振って解決してもらうこともできます。例えば探偵会社、調査会社などです。採用関係であれば、個人のSNS調査からネットの履歴書を作るサービスとも業務提携しています。何かありましたら、どんな形でも解決できると思いますのでお気軽にご相談ください。


 

--本日はどうもありがとうございました。

 

一般社団法人日本刑事技術協会

https://j-keiji.org/

 

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