警備業界からSDGs を発信。警備業は安心安全だけではなく、環境も守る”ゼロエミッション”プロジェクト

警備業界からSDGs を発信。警備業は安心安全だけではなく、環境も守る”ゼロエミッション”プロジェクト

株式会社警備ログ 代表取締役 長谷川 功一

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2021.11.02

長谷川 功一(はせがわ・こういち)

株式会社警備ログ 代表取締役社長

 

家業である警備会社のシステム・ガードサービス株式会社に後継者として入社。青年会議所の活動でSDGsと出会い、警備業にSDGsを落とし込むことはできないかと考えるようになる。

2018年12月に警備業にSDGsを普及することを目的として株式会社警備ログを設立。2019年5月に家業の警備会社であるシステム・ガードサービス株式会社の代表取締役に就任。2021年5月には日本の企業ユニフォームの廃棄をゼロにすることを目的にした、企業ユニフォーム廃棄ゼロエミッション推進委員会を設立。

 


2015年に国連サミットで制定されたSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)。今回は、女性雇用率のボトムアップや警備服のリサイクルなど、警備業にSDGsの普及活動をしている株式会社警備ログ代表取締役の長谷川様にお話をお伺いしました。

 

 

安心安全だけでなく、環境も守る警備会社

 

 

 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、長谷川さんのこれまでのキャリアや株式会社警備ログを設立されるきっかけをお聞かせください。


家業であるシステム・ガードサービス株式会社という警備会社に将来の後継者として就職しました。弊社は44年の歴史があり、地域では比較的老舗の警備会社として認識されています。そして、私自身若いうちから警備業協会の地元理事メンバーとして会合等に参加させて頂いておりました。

今は警備の仕事に誇りを持ち、業界をさらに発展させるために動いている私ですが、当時はあくまで家業を継いだだけで、警備の仕事に積極的だったわけではありませんでした。そんな折2010年に地元の青年会議所に入会し、地域のことや社会全体のことを考えるようになり2018年にはSDGsについて勉強する機会を得ました。


家業の警備業は他の職種に対して比較的不人気な職種であり、子供達の将来の夢にもなりにくく、現に人材不足も目立ってきています。そこでSDGsを警備業に取り入れることで業界全体を盛り上げることができるのではないかと考えました。そのために、まずはSDGsをどうにか社内に落とし込めないかと考えたのです。


最初は「SDGsとは何か」から始まり社員も困惑していましたが、まずは目標を決めることが大切だと考え、着目したのがSDGs の「ジェンダー平等の実現」でした。実は警備業界全体の警備員人口は約55万人なのに対し、女性警備員は約3万人しかいません。弊社でも同じように女性の警備員が圧倒的に少なく、まずは女性警備員がどのようにしたら集まるのか?また定着してくれるのか?と社内で議論を進めました。目標が定まると社内の士気も上がり、女性警備員の雇用率の向上に繋がりました。

 

しかし、警備業界全体としてはまだまだ「SDGs」に対する理解が進んでいるとは言えません。そこで2018年に一念発起して警備業界にSDGsを普及させるための会社として、現在、私が代表をしている株式会社警備ログを設立したのです。また、2021年5月には日本の企業ユニフォームの廃棄をゼロにすることを目的とした団体(企業ユニフォーム廃棄ゼロエミッション推進委員会)を設立しました。
 

 

服から服をつくり「廃棄ゼロへ」。ユニフォームのリサイクルで警備業界からSDGsを発信


 

--SDGsといっても様々あるかと思いますが、貴社ではどのようにSDGsへ貢献しているのでしょうか。

 

弊社ではSDGsの取り組みとしてユニフォームのリサイクルを行っております。株式会社警備ログを立ち上げた2018年当時の全国約9,500社ある警備会社が全て等しくSDGsに取り組むことができる内容として共通点を探した結果、着目したのが「ユニフォーム」でした。


警備業はユニフォームに社名が入ったワッペンが付いている事と、セキュリティ上の問題もありユニフォームが不要になれば産業廃棄物としてお金を払って廃棄処分しています。先ほど全国の警備人口は約55万人だと述べましたが、それはつまり約55万着のユニフォームが製造され、廃棄されていることになります。そのため、ユニフォームのリサイクルはSDGsに大きく貢献するのではないかと考えました。


現に、近年の統計ではアパレル業界全体として、廃棄された衣類が78万トンで新しく作られた衣類は81万トンであると報告されていますが、驚くべきはそのうち3.6万トンが企業用ユニフォームだったのです。そのため、企業用ユニフォームだけでも再利用できれば、SDGs全体に対する貢献度は大きいのではないかと思いました。

リサイクルユニフォームをつくることは企業にとって社会的評価の向上にも繋がり、弊社と企業様がウィン・ウィンの関係を構築できます。弊社では繊維メーカー、販売代理店、運送業者、リサイクル業者と提携し、不要になった使用済みのユニフォームを無料で全国どこでも回収する仕組みを構築しています。


 

--具体的にどのような方法で普及活動をしているのかを教えてください。


基本的には、企業様のご紹介やセミナーの開催といった方法を取っています。また、警備会社がSDGsに取り組むことのギャップに興味を持っていただき、メディアに取り上げていただくことも多くあります。



--この事業を通じてどういったことを実現したいとお考えでしょうか。

 

「企業ユニフォームの廃棄ゼロの社会」を実現したいと考えています。ゆくゆくは企業がユニフォームのあり方を見直す必要があると考えており、弊社のサービスを利用することは、ただSDGsへ取り組むだけでなく、SDGsとは無縁に思えそうな警備業界からの発信ということの意外性もあり、業界の発展にもつながると思っています。
我々が真剣に真正面からSDGsと向き合うことは、世の中にも衝撃を与えることができると思いますし、持続可能社会を作り出す第一歩として先頭に立ってこの活動を推進していきたいです。


また、警備業そのものを子供達が憧れる職種にしたいと考えております。「憧れる職業」ランキングに入ることはなかなかない警備業ですが、私の活動がきっかけで少しでもこの仕事に興味や憧れを抱いてくれる子供達が増えれば嬉しく思います。


 

廃棄ゼロでサステイナブルな社会に

 

 

 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。

 

全国の警備会社の警備服のゼロエミッション(廃棄ゼロ)により、警備業がどの産業よりもSDGsに取り組んでいる産業となることを目指します。もちろんそのためには多くの企業との協業が必要になりますが、そのための具体的な施策として、デザイナーさんとパートナーシップを結び、廃棄ゼロのスキームにプラスして見た目もオシャレなユニフォームとして、今までのユニフォームになかった付加価値のあるサステイナブルブランドの立ち上げを行います。


 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?

 

プラスチック製品は近年、改正法案が可決され、使用量が減ってきています。それはつまり、国がリサイクルを推進しているということです。服から服をつくり「廃棄をゼロ」にする我々のスキームは、環境に配慮ができるだけでなく、SDGsに取り組みたい企業にも多大なメリットがあります。


ユニフォームを着ている企業様は全て対象となりますので、SDGsと言う世界共通言語を軸に「廃棄ゼロ」のサスティナブルな社会を一緒につくりましょう。「廃棄ゼロ」のゼロエミッションに、ご興味頂けましたらお気軽にご連絡を頂けましたら幸いです。


 

--本日はどうもありがとうございました。

 

株式会社警備ログ

https://keibi-log.jp/

企業ユニフォーム廃棄ゼロエミッション推進委員会 

https://peraichi.com/landing_pages/view/zeroemission0/

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プロフィール

株式会社警備ログ代表取締役

長谷川 功一

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