川口 健作 (かわぐち・けんさく)
カッコイイ株式会社 代表取締役
大学卒業後、2014年新卒で株式会社フルスピードに入社。営業を一年半経験した後、動画マーケティング部署の立ち上げを任される。その後、インバウンドマーケティング全般を担うコンサル部署やSEO、WebPRのディレクション・コンサル部署でマネジメント業務に従事し、2018年に同社を退職。2019年4月にカッコイイ株式会社を創業し、メンズ美容の推進を行っている。
メンズ用のコスメが登場するなど、メンズ美容市場が盛り上がりを見せている。そんな中、薄毛や脱毛などコンプレックス色の強いコアな部分に注目し、メンズ美容事業を展開しているカッコイイ株式会社。代表取締役の川口様にお話を伺いました。
音楽を諦め、マーケティングの世界へ
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、川口さんの経歴についてお聞かせください。
大学で経済学を学んでいましたが、2年で退学してミュージシャンをしていました。しかし、食べていけなかったため大学に再入学をして、卒業後はWebマーケティングの会社に入社しました。
最初は営業として、DSPという広告商品の営業とSEOのコンサル営業を1年半やっていました。その後、動画マーケティングの新規部署立ち上げ、インバウンドマーケティングやSEOのマネジメントをしていたのですが、マネジメントがつらくなり退職をしました。
独立後、縁があってメンズ美容事業を立ち上げることになり、カッコイイ株式会社を創業しました。立ち上げのきっかけともなった「MOTEO」というメンズコンプレックス領域のメディアを立ち上げ。その後は実店舗の展開や上場会社とのコラボなども行っています。オンラインとオフラインの両方で、メンズ美容事業の推進に力を入れています。
メンズ美容への挑戦〜「MOTEO」に込める意味とは〜
--最初は「MOTEO」からカッコイイ株式会社をスタートされたとのことですが、事業に対する社長の想いをお伺いできますか。
メンズという軸で言うと、フリーランスになりたての時に3ヶ月ほどヨーロッパに行っていたのですが、日本人の男性が美女を連れて回るという光景がなくて。
逆は多い印象があったんですよ。すごく主観なのですが、日本人男性ってあまりモテないのかなと色々考えてました。
弊社はスキンケアだけではなく、コアな分野の美容に力を入れています。というのも、100年経っても変わらない事実をビジネスにしたいなと考えていて。男性ホルモンに着目して薄毛・脱毛・EDといったコンプレックスに紐づく美容の情報を発信しています。
--いわば男性諸君の味方みたいなイメージでしょうか。
そう考えてくださると嬉しいですね。
顧客を10倍成長させるには実行支援が不可欠
--貴社の事業概要を改めてご説明いただけますでしょうか。
メンズ美容メディア「MOTEO」の運営、オフライン事業として店舗の立ち上げやメンズ美容・メンズ関連事業のコンサルティング業務がメインです。
--Webマーケティングの事業もされているそうですが、具体的な事業内容をお伺いできますか。
特徴としてはプロジェクトコミット型で、プロジェクトをまるごと受けることが多いです。例えば、新しい商品が発売予定でこれぐらいの販売目標を会社から求められてるという相談があった場合に、サイト制作や広告にいくら使うのかという予算の割り振りをまず組みます。
コンサルティング業務ではありますが、どちらかというと実行支援型というところを意識しています。提案して終了ではなく、実務レベルのタスクに落としこみ、目標までPDCAを回すことに重きをおいています。
--具体的なお客様層としてはどういう企業様でしょうか。
クリニックが多いです。製薬会社やメディカル系・美容系の店舗、一部メディアですね。
--例えば、そのクリニックや美容系の会社さんは、いわゆるECで何か売られてるようなイメージなのですか。
それもあります。最近で例をあげるなら、検査キットのプロモーション案件です。
この分野に関しては、医薬部外品か否かによって販売方法が異なります。販売方法によってどの方法でアプローチするのが効果的なのか変わってくるので、ECサイトごとの傾向を見て別の施策を行うこともあります。
--実行支援型というお話がありましたが、実務的な部分もすべて担われていらっしゃるということでしょうか。
おっしゃるとおりです。
まずその商品が世の中に認知されているかいないかによって戦い方が変わります。今回の場合、新しいタイプの検査キットだったため、まずは商品自体を認知させる必要がありました。
認知を拡大させるためには何かしら媒介してくれる拡声器のような力が必要なので、その点を加味してプランニングをします。
一方、薄毛クリニックや脱毛クリニックはすでに認知されているので、シェアの奪い合いになります。
そうなると、やはり自然検索や広告をいかに効率よく実行するかが重要になります。弊社で1番力を入れてるのがROIの改善なので、いかにLTVを上げるかといったことも考えます。
一般的なコンサルは戦略的に獲得単価を改善するといったことはしないので、そこにコミットしていくのは弊社の特徴だと思います。
--イベント事業にも取り組まれているそうですが、こちらは具体的にどういった内容なのでしょうか。
複合施設の中に、いわゆる特設コーナーとして期間限定で出店しているショップがあるじゃないですか。その話が進んでいて、おそらく来年の1月ぐらいには実現できると思います。
--特設ショップを出したい人を貴社が募るのでしょうか。それとも貴社として店舗を出されるのでしょうか。
両方です。弊社がブース代を負担し、出店したい人を集めれば、バリエーションも生まれて面白い企画になると思います。
社員0人。全員フリーランスのプロフェッショナルチーム
--実行支援型にこだわる理由をお伺いできますか。
実は、弊社は社員0人でチームメンバーは全員フリーランスなんです。
フリーランスでチームをつくることにとてもこだわっていて、来年の2月か3月に「フリーランス発注の教科書(仮題)」というフリーランスの発注に関する本も出版します。
実行支援を実現するにはあらゆるレイヤーの職種が必要で、大きく分けるとプロジェクトマネージャー・ディレクター・スペシャリスト・実際に作業をしてくれるワーカーの人・アシスタントが必要です。
全員でだいたい80人ぐらいのチームですが、とにかくあらゆる粒度の作業を全てまきとることにこだわってます。
フリーランスは雇用関係で結ばれていないので、僕も選びますが、フリーランスの方から僕も選ばれなければ成立しません。
そういう意味で、自分がイケてないと選ばれないんですよね。そのシステムがかっこいいなと思っていて、「去るものは追わないし来るものは拒まない」状態でチームを作ることができるということにとても魅力を感じています。
--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
強みで言うと、弊社は10倍とか、桁が変わるぐらい相手を成長させる仕事をしようというのを大事にしています。実際、フリーランスを中心に実行支援まで巻き取れる体制ができているので、それが可能だと思っています。
チームのみんなには「仕事を断るな」「人のせいにするな」「できない理由を考えるな」というルールを課してるんですけど、このなんとかするという考え方も強みであると考えています。優秀な人間しか集めないので、僕が飽きられさえしなければ上手くやっていくことができると思います。
MOTEOの面で言うと、メンズ美容の施設掲載数は12,000件以上と日本最大級※ですので、豊富な情報の中から、エリアやこだわり条件による絞り込みで比較・検討し、ニーズにマッチした施設を見つけることができます。
※弊社調べ
--会社を運営して行くうえで課題はありますか。
恥ずかしい話ですが、バックオフィスが全然充実していないところですね。クライアントファーストなので内側のことをあまり考えられてなくて。契約の形態も成功報酬と固定報酬が混在しているのですが、現状バックオフィスは1人しかおらず、だいぶ負担をかけてしまっている状態です。
今後の展望
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
オンラインとオフライン両方を制していきたいと思っています。メンズ美容といえば「MOTEO」でもいいですし、買い物に行った時に弊社のブランドがあるというのは見える姿として必要です。
--社長ご本人として、今後の展望はありますか。
3万人計画という夢があり、リアルの場所に3万人を集めたいです。
分かりやすくいうと、アーティストコンサートに行ったら3万人集まるじゃないですか。
以前、Mr.Childrenのライブをたまたま前のいい席で見れることがあって、 後ろを振り返ったときにめちゃくちゃ人がいるなと思って。
ちょうどその頃『キングダム』を読んでて、将軍とか大将軍クラスになると大体3万人ぐらいを率いてて、ぶっちぎったやつは3万人を目の前に集める力があるんだなと思いました。
この世に生を授かったからには、3万人を目の前に集めたいなと思っています。
--本日はどうもありがとうございました。
カッコイイ株式会社
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