入江俊輔(いりえ・しゅんすけ)
イクス会計事務所 代表税理士
1976年シンガポール生まれ。1999年成蹊大学経済学部経営学科卒業。大学在学中に税理士を志し、猛勉強のすえ2000年に税理士試験に合格。就職した会計事務所で実務経験を積み、28歳という若さで2004年入江会計事務所を開業。翌年には行政書士法人A.I.ファーストを設立。その後、2011年上海茂恒会計士事務所・上海恒睦企業管理諮洵有限公司設立。2012年香港侍和會計税務有限公司(Loyal Consultancy Limited)設立。2016年イクス会計事務所代表税理士に就任。
ITやAIの進化がめまぐるしい現代。しかし、経理や税務の業界ではまだまだアナログな業務が多いと言われています。その一方で、IT化の広がりは税理士という人材の不足に拍車をかけています。そんな中、最先端のITツール提供企業と良好な関係を築き、いち早くITツールを会計業務へ活用することで、効率化を実現し続けているイクス会計事務所代表税理士の入江様にお話を伺いました。
中小企業の経営支援ができる税理士として、若さと人脈を武器に起業へ
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、入江様が税理士という職業を目指したきっかけをお聞かせください。
学生時代から「30歳までに年収を1000万円稼ぎたい」という漠然とした目標があり、そのためには専門的な資格を身に付ける必要があると考えたことがきっかけです。
資格の勉強をする中で、中小企業の経営を支援していきたいという思いが芽生え、世の中にある様々な資格の中でも税理士を選びました。
--税理士になるうえで苦労されたことはありますか。
勉強にかなりの時間を要した事ですね。税理士の資格はとにかく勉強量が重要です。そのため、大学3年時から本格的に資格の勉強を始め、在学中に簿記も勉強しました。働きながら勉強する人も多い資格なので、早めに取り掛かって正解だったと感じています。何事も早め早めに始めて準備しておく方が後々楽になるだろうということは、人生においていつも念頭に置いていますね。
--ありがとうございます。大学卒業後から起業に至るまでの経緯についてもお聞かせください。
卒業後は、経営者と直接話をしていきたいという思いから、あえて大きい会計事務所は選びませんでした。そして、やはりそちらの方がやりがいがあって面白く、自分にも合っていると感じていました。そこから地道に実務経験を積み、約5年で自分の会計事務所を創業しました。
当時、ITバブルや美容室バブルの影響で、同世代の人が続々と開業し、会計事務所のニーズも高まっているタイミングでした。そのため、独立のタイミングも予定より早まりました。
また、異業種交流会で出会った経営者たちの人脈が後押ししてくれたことも開業した理由の一つです。
その他の理由としては、やはり早めに独立したほうがリスクが少ないですし、当時は若手というだけで注目されました。今でこそ若い社長は珍しくないかもしれませんが、当時は費用面や情報の少なさなど、独立するためにはたくさん課題があったため、若手の経営者はあまり多くいませんでした。
--開業当初はどのように顧客を獲得されていたのでしょうか?
紹介での顧客獲得を中心としつつ、バブルの流れに乗る形でIT企業や美容室が得意というブランディングをしていきました。その取り組みが雑誌に掲載され、そこから新たな顧客を獲得する事もありました。当時はまだまだインターネットが使われていない時代でしたので、HPを使った集客よりは雑誌を見てもらうほうが主流でした。
ITツールを駆使し、他にはない圧倒的スピード感と的確なコンサルティング
--現在取り組まれている事業内容と強みをお伺いできますか?
主に企業の経理・税務作業支援を行っております。クラウド会計ツールや会計事務所向けツールなどのあらゆるITツールを駆使することによって、スピード感を持ってコンサルティングできるのが他の会計事務所との差別化ポイントです。
まだまだアナログ要素が多い業界のため、クライアントがほとんど手を動かさずにデータを連携させる仕組みなどは大変喜ばれています。
ITを取り入れることで労働力の削減はもちろん、クライアントとのやり取りを減らすことができますし、また、送られてくるデータを待つのではなく、こちらから積極的にデータを取得してコンサルティングする攻めの姿勢も強みだと思います。
とにかく“早い”ということがクライアントの満足度に繋がっていますね。
弊社としてはITツールを活用することで、労働集約型と言われている会計業務に割く時間をいかに省略できるかを重視しております。
--ITの導入方法について具体的にお伺いできますか?
外部組織(ランサーズ)を使ってマクロを組んだり、HAYAWAZAという会計変換ソフトの会社と連携して、専用のツールをカスタマイズするなどしてITツールを導入しています。
例えば、クライアントが美容室の場合、持っているPOSデータを連携できるような仕組みを整えるといったサービスを提供できます。それぞれのクライアントに合わせた仕組み作りのために、日常的に行っている会計業務の手順をそのまま動画で撮影して頂くようなこともあります。
--ありがとうございます。ITツールを導入する上で業界の傾向などはありますか?
傾向は特にありません。データ化できる業界でしたら全て対応できます。
特に美容室を中心とした美容業界はITとの連携相性が良いです。また、スタートアップ企業など、初めからITツールを使っていけるような企業はより相性が良いです。まずは数字周りの情報をデータ化していることが前提で、最低限ネットバンクは必要です。
税理士業界は深刻な人材不足。人材採用と育成で社内組織強化を
--今後の事業展望についてお伺いできますか?
業界の情勢を踏まえ、更にサービスを拡大していきたいと考えております。
現在の税理士業界は、IT化の広がりによって深刻な人材不足に陥っている状態です。
今後、更に税理士が減っていけば、頼める税理士がいないという会社が多く出てくると思いますが、そのような場面でこそ弊社のサービスをご利用いただければと思います。
また、拡大に向けて、人材の獲得をしていきたいと考えております。
現在は少数精鋭の税理士陣を抱えていますが、彼らのスキルを平準化した上で、特に中堅人材を獲得していきたいと考えています。
最近は若い世代の経営者とのコミュニケーションも増えてきているため、20代の人材も必要ですね。年内はとにかく社内組織の強化を推し進めていきます。
--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
まずは数字に興味を持ってみてください。経営では資産表の確認と予実管理が重要であり、だからこそ日々の経理業務が非常に重要です。
会社の経理業務ををより強化していきたい、だが社内で業務を担える人材が不足している、そんな悩みを抱える方は、是非一度当社にご相談ください。
--本日はどうもありがとうございました。
イクス会計事務所
http://www.ixskaikei.com/
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プロフィール
入江 俊輔
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