不動産業界のレガシーをテクノロジーによりアップデートして、スタートアップ企業をオフィス領域で支援したい。

不動産業界のレガシーをテクノロジーによりアップデートして、スタートアップ企業をオフィス領域で支援したい。

株式会社IPPO 取締役COO 中川 拓哉

カテゴリ: 不動産・建築、従業員数: 10〜49

2021.09.26


中川 拓哉(なかがわ・たくや)

株式会社IPPO 取締役COO

 

石川県出身。高校中退後NGO法人にて海外でボランティア活動を行い、帰国後は株式会社メンズスタイルに入社。その後国内最大手アパレルECサイトの運営に携わり、株式会社メンズスタイルにCOOとして再度ジョインする。同社のホールディングス化を進め、不動産売買仲介会社取締役を経て、2018年12月よりIPPOに参画。


 


 
近年、様々な業界でIT化や業務のDX化が進み、不動産業界でも「不動産テック」という言葉の認知が拡大しています。 「不動産テック」とはテクノロジーの力を活用し、不動産業界が抱える課題や従来の習慣を変えようとする価値や仕組みの事です。 しかし、不動産業界にはいくつかの課題や従来からの慣習がある為、中々効率化が進んでいない状況です。 そこで、今回は従来の不動産業の課題をテクノロジーの力で解決すべく、「オフィス仲介」を中心とした事業を展開されている株式会社IPPO取締役COO中川様にお話をお伺い致しました。



圧倒的行動力で帰国後にECサイト運営企業に入社

 

 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、中川さんのこれまでのキャリアや現在経営されている会社に参画されたきっかけをお聞かせください。
 

高校中退後に、厚生省と仕事をしている知人にNGOボランティアツアーに誘われ、カンボジアで井戸掘りや日本語を教える活動をしていました。帰国後にyoutubeにて、株式会社メンズスタイル代表の起業家インタビューを見る機会があったのですが、当時、起業家という生き方が存在することを知らなかった自分は衝撃を受け、惹かれたことを覚えています。

 

そこで、翌日すぐにHPからコンタクトをとり入社したいと伝えた結果、面接をして頂けることになりました。入社できるのか不安だった私は、会社を分析して30枚のレポートを作成し、面接に望みました。結果としては無事に入社することができ、最終的にはCOOに就任致しました。



当時、会社としての売り上げは15億円程ありましたしが、より売り上げ規模が大きい会社で働きたいと考えるようになり、当時のECサイト年間売上が300億以上ある国内最大手アパレル会社のサイト運営に従事しました。その後、再度COOとして株式会社メンズスタイルに参画し、事業部の独立を進め、組織設計などの立て直しや会社のホールディングス化を進め、最終的には7社のグループ会社が生まれました。

 

--その後、アパレル業界で成功を納めていたにも関わらず、不動産業界にジョブチェンジした理由をお聞かせください。

 

ちょうどその頃、年齢的にも腰を据えて長期的に働くことができる会社で働きたいと考えていたのですが個人で不動産投資をしていた経験から、不動産売買仲介会社に取締役として参画しました。


平行して10年前に最初の就職先である株式会社メンズスタイルのオフィス移転を担当し、以前より交流のあった株式会社IPPO代表の関口からも起業報告をしてもらっていたこともあり、不動産売買仲介会社の経営方針が変わったタイミングの2018年12月に株式会社IPPOにCOOとして参画しました。

 


スタートアップ企業に焦点を当てた居抜きオフィスを仲介


 

--現在、不動産事業を中心に展開されているかと思いますが、具体的な事業内容をお伺いできますか?

特にスタートアップ企業に焦点を当てた仲介業を行っています。

IPPOでは「ハイッテ」というWebサービスを介して居抜きオフィスを仲介しています。ハイッテで居抜きに焦点をあてているのは、入居時の内装工事費・設備費の削減、退去時の原状回復費用・廃棄費用の削減ができるからです。企業がスタートアップ時の大変な時期に少しでも経費の軽減が出来れば良いという思いから、この事業を行っております。

 

一方、物件オーナーにとっては入居時と退去時の利益が減りますが、それよりも空室期間が少なくなるなどのメリットがあります。

入居時・退去時で削減できた費用を企業のマーケティングなどに費やして頂くことで、オーナーと共にスタートアップ企業を盛り上げたいと考えております。


 

--ハイッテが提供しているサービスについて詳細にお伺いできますか?
 

ハイッテが目指しているサービスの完成形は、働く場に関する情報が全て格納されているとうサービスです。

例えば、オフィス、コワーキング、シェアオフィスなどの情報、地方であればオフィス誘致によって得られる助成金等の情報も入れたいと考えています。また、WiFi付きカフェの情報など、働く時間を快適に過ごす場所の情報が全て入っている状態にしたいと考えています。

 

そして、将来的には借りる人と貸す人、スタートアップ企業同士、スタートアップと物件オーナーが繋がるプラットフォームを完成させていきたいです。

 

例えば、既に登録しているオーナーとスタートアップ企業がWeb上で繋がり、自由にやり取りをしていく、そのようなサービスを目指しております。オーナーが所有しているビルをAI関連事業を展開している企業が入居している、という物件ブランディングを行いたいと思えば、オーナー側からAI関連の企業に「入居しませんか?」とアプローチが可能になるといった形です。

 

また、スタートアップ企業同士で不要になったオフィス用品などを欲しいと思っている企業とマッチングできるジモティのようなオプションサービス追加も想定しています。



--ありがとうございます。サービスの集客はどのように行っているかお伺いできますか?



スタートアップ企業については、通常のオフィス移転仲介の営業活動の中で繋がりを持っています。加えて、VC・エンジェルとパートナーシップを締結しています。これにより、VCが主催するイベントの運営を手伝う中で新しいスタートアップとの出会いがあったり、VCから別のVCを紹介して頂き、その紹介を受けたVCの出資先の紹介をもらうような流れができています。

 

一方オーナーについては、日頃のオフィス移転の営業活動の中で定例会議を実施していて元々繋がりはあったので、会議の場で、ハイッテを含む弊社がやりたいビジョンをしっかり説明させていただくようにしています。

物件を借りる側としては、居抜き移転ができる物件が増えてほしいと言うニーズが有るため、オーナーさんと信頼関係を構築し、定例会議でも積極的に居抜き承諾を得るようにしています。

 

 

不動産業界の慣習をアップデートし双方のメリットを最大化


 

--今後の事業展望を教えて頂けますか。

 

基本的にはスタートアップ企業に寄り添って事業展開をしていきたいと考えています。

今後は運営しているサービス「ハイッテ」により従来の仲介手数料の仕組みを変えて、入居希望企業とオーナーが直接繋がり、直接マッチングを進めていきたいです。不動産業界で直接マッチングを進めていくことは、今の自分たちの仕事を無くすように思われます。しかし、煙草を製造しているフィリップモリスがアイコスを作るのと同じく、今までの不動産業界の慣習に縛られない、新たな価値を提供していきたいと考えております。

さらに、お付き合いさせて頂いているスタートアップ企業やベンチャー企業の方々が大好きなメンバーばかりなので、その方々をオフィス領域から支援したいと考えています。レガシーを変える事は大変で一朝一夕ではありませんが、その分スタートアップ企業に喜んで頂けることなど、やりがいも多くあり10年、20年、30年腰を据えてメンバー皆で頑張っていきたいと思っています。



 --ありがとうございます。最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
 

今後弊社では「ハイッテ」を中心に様々なサービスを展開していく予定です。今現在、営業の方の採用を考えており、また、WEBディレクター、マーケター、UIUXデザイナーの採用も考えております。我々の取り組みに共感を持って頂ける方がいましたら、ご連絡頂けると幸いです。また、仲介業者の方でも共感を持って頂ける方がいましたら、是非お会いして情報交感をさせて頂きたいと思いますので、ご連絡頂ければ幸いです。


 

--本日はありがとうございました。



株式会社IPPO
https://ippooffice.co.jp/

 

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