鳥海 敦士(とりうみ あつし)
株式会社ホンモク 代表取締役社長
1980年神奈川県生まれ。小学生から野球をはじめ中学3年時にはエースとして全国優勝を果たす。明治大学商学部卒業後は大手アパレルグループ会社、投資会社を経て、父が代表を務める株式会社ホンモクへ入社。2019年に継承する形で代表取締役に就任し、職場環境の改善と女性の戦力化を進め、地域密着型の建物管理サービスを提供する。
お客様第一主義を掲げて、地域に密着した建物管理サービスを提供している株式会社ホンモク。確かなサービス品質から高い信頼を得ることで、安定した案件を受注し、2021年8月には過去最高売り上げを更新するなど新型コロナウイルスの影響下においても業績好調なのは会社内の雰囲気を改善させた結果にありました。今回は、お客様満足度をさらにアップさせて業務拡大を進めていく株式会社ホンモク代表取締役鳥海様にお話を伺いました。
アパレル企業、投資ファンドを経て、父親が営む会社を事業継承
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、鳥海さんのプロフィールやホンモクへ入社したきっかけをお聞かせください。
1980年神奈川県生まれです。小学生から野球を始め、中学3年時にはエースとして全国優勝を果たすなど、大学まで野球漬けの日々を送っていました。
明治大学商学部を卒業した後、新卒で大手アパレルグループ会社へ入社し、ディズニーランドの営業に3年間携わりました。その後、部署内の環境の変遷とともに営業方針がかわり、新規開拓営業を行うことになりました。成果をあげることはできましたが、営業ノウハウをもっと身近に感じたいと思い退社を決意し、その後投資ファンド会社へ転職いたしました。
投資ファンド会社では今までの営業ノウハウを活かすことができず、スピード感を出さなければいけないのにイチから全てやり直す必要があり、成果を出せず程なく退職することとなりました。しかし、この時期に得たものもありました。それは一生の友人となる人々との新しい出会いと東京JCへの入会です。
その後父親が代表を務める株式会社ホンモクへ入社しました。
--事業を継承したときの思いについて教えていただけますでしょうか。
創業当時から頑張っている人が社内には多く在籍していることを以前より父から聞いていましたので、社員のみなさんと共に働くことをとても楽しみにしていました。また父の会社へ入社することで、間接的ですが良い親孝行にもなると思っていたのです。私は様々な会社で働いてきましたが、そのなかでも特に働きやすい会社だなと感じました。
--ご自身で新しく独立・起業したいという思いはありませんでしたか。
多少はありましたが、きっかけが無かったというところが本音です。ホンモクの跡を継ぐのが私の運命だったと感じています。
女性が戦力の建物管理事業を行う
--現在建物管理事業を中心に事業展開されていると思いますが、改めてご説明をお願い致します。
弊社の主な事業は下記の通りです。
・建物管理事業 (清掃管理・設備管理)
・設備工事事業 (設備工事)
・施設運営事業 (ホテルバックヤード管理)
・公共案件事業 (横浜市入札案件紹介)
現在は建物管理事業を中心に行っております。主にビルメンテナンス事業を行っていまして、清掃管理と設備管理とホテルの管理をしております。
清掃管理については、マンション・ビル・オフィス・ホテルが中心です。設備管理は消防点検や電気点検、貯水槽の水関係と空調関係の法定点検を取りまとめています。
ホテル管理は、客室清掃ベッドメイクの清掃管理の仕事から管理費見直しまで共に歩む企業パートナーとしてご相談に応じています。お取引先のホテルタイプも、シティホテルからデザイナーズホテル、ビジネスホテル、ホステルまで多彩な規模のホテル管理をしています。
--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
組織力が何よりの強みです。
大規模な建物も組織として幅広く対応できますので、管理開始からアフターサポートまで一通りの業務ができる仕組みと、個人事業主や大手企業とは違う地域密着のスピード感ある対応が自社の強みだと思います。さらに、営業エリアを絞ってビジネス展開をしているため、現場へ足を運んでお客様のお声を直にお聞き取りし対応することが可能であり、そういった点もお客様から満足を頂いているポイントです。
また、女性スタッフが多く在籍しているので対応がきめ細かく、丁寧な事務処理や現場管理の仕事をしてもらえるとお客様からお褒めの言葉をいただくケースが増えてきました。真面目に取り組む社員がとても多く、非常に恵まれているなと感じています。
--今後の課題として考えていることはありますか。
課題はリソース不足です。仕事はあるのですが、リソースがなかなか足りないのが現状です。その点は解決していかなければいけないと思っています。
--採用の面ではどのような施策を行っていますか?
まずは退職する人数を減らすところから取り組みを始めました。スタートとして、社内の雰囲気向上のために、私自ら社員への「使う言葉」を変えてみました。それだけでも社内の雰囲気は良くなっているなと感じていて、退職する人数は減っています。
もちろんこれだけで効果が出たとは思っていませんので、多くの取り組みをしながら、次は新規採用にもチャレンジしていきたいと考えています。
--会社運営に対する新型コロナウイルスの影響は何かありましたか。
変化はあったものの、大きな影響はありませんでした。
新型コロナウイルスの影響でサービス内容を新たに加えたものがございます。新型コロナウイルス消毒作業という新しいサービス内容を取り扱うようになったのです。時代に臨機応変に対応することで新たなサービス価値を生み出し、対応してきたこともあって、売上に大きな変動はなく、現状維持できたという感じです。
地域の皆様に還元できる地域特化型のサービスを提供し続ける
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
ビルメンテナンス業と清掃管理業を主軸としながら、家事代行などの新しいサービスを取り入れつつ、新規のお客様数を増やしていきたいです。
そのほかに不動産売買や不動産管理などの周辺事業を行い、事業展開を図ってグループ企業として強化をしていきたいと思っています。
また、地域に特化したサービスを今後も持続させていきたいと考えています。あくまでも地域密着でいかにお客様に喜んでもらえる仕事ができるか、が重要だと認識しているので、弊社の事業によって地域貢献に繋がる取り組みをしていくことが最優先事項だと思っています。
さらに、既存のお客様とのお付き合いは大切に継続しつつも、新規案件の獲得により一層力を注ぎたいと思っています。新規案件増加に伴い、協力会社さんも増やしていきながらより多くの受注へ繋いでいきたいと考えています。
家事代行や不動産などの事業を一年くらいかけて準備していき、自分たちでできる範囲でやってみてから、地域のかたへサービス提供していく予定です。売上一年、利益三年、人材十年と言うように、少しずつ地域へ根付いてゆくサービスにしていきたいです。
--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
私は2代目になりますが、同じ2代目、3代目と先代の事業を受け継いでいらっしゃる方と経営相談などのお話しをしたいと思っています。事業継承は特にカッコ悪いというわけではなく、地域貢献ができる良い事業だと思っているので、今後も地域密着型の事業を続けていきたいです。
地元の地主さんなど建物管理にお困りのかたから、不動産会社さん、大手管理会社さんともタッグを組みながら実績をより強化していきたいと考えています。また自分で起業したけれど存分に実力を発揮できていないと悩んでいる一人親方のかたや清掃会社さん、設備管理や工事会社さんがいらしたら、弊社コーポレートサイトで協力会社のパートナー募集を行っているので、是非ご連絡をいただきたいと思います。
--本日はありがとうございました。
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