ITナレッジを駆使して事業を開拓・推進できる次世代のエンジニアを育て、世界における日本企業のプレゼンスを高めたい。

ITナレッジを駆使して事業を開拓・推進できる次世代のエンジニアを育て、世界における日本企業のプレゼンスを高めたい。

株式会社ヘッドウォータース 代表取締役 篠田庸介

カテゴリ: IT・情報通信、従業員数: 51人〜100人

2021.07.21

篠田 庸介(しのだ・ようすけ)

株式会社ヘッドウォータース 代表取締役

 

1989年にベンチャー企業の立上げに参画。以降、一貫して起業家としての道を進む中、インターネットが世界を大きく変えていくことを見据え1999年にE-Learning事業を柱とするIT企業を設立。

シリコンバレーのようにエンジニアが活躍し新しいビジネスを生み出す環境をつくるべく、2005年に株式会社ヘッドウォータースを設立し、代表取締役社長に就任。エンジニアを中心に据えたユニークな組織運営や、草創期のAI・ロボティクス領域への進出などで注目を浴びる。

 

 

AI産業が大きな盛り上がりを見せる中、老舗として長年業界を牽引してきた企業が株式会社ヘッドウォータースです。「エンジニアという職種を再定義したい」という思いのもと様々なチャレンジを重ねてきた篠田庸介代表取締役に、今後のAI産業の展望についてお伺いしました。

 

 

 

企業に寄り添いながらAI導入を徹底支援

ー 本日はよろしくお願いいたします。まずはヘッドウォータース社の設立に至った背景をお伺いできますでしょうか。

 

はい。もともと大学は理系の学部だったのですが、大学を中退しベンチャー企業に営業として参加しました。その時はちょうど次はインターネットの時代が来ると言われている頃でしたので、自分でPCを購入して顧客データベースの作成方法やネットワークなど勉強しながら自分の業務に取り入れていきました。

 

その後、このスキルを本業にしていこうと考えてEラーニングの企業を立ち上げ経営していました。順調に成長はしたのですが、CD-ROMなどにソフトウェアを焼いて提供していたものでしたから、世の中でネット配信やストリーミングが増えていくにつれて成長が鈍化していきました。その時に、内部の人間と方向性にズレが生じたため社長を退任しました。

 

その後、「経営はもういいかな」と感じ、事業に注力する形で仕事をしていきたいという思いで、以前自分で立ち上げたものの後進に譲っていた企業へ再びジョインし、IT事業部を立ち上げ子会社化したのが始まりです。

 

「ITナレッジを駆使して事業を開拓・推進できる」新たなエンジニアの定義

ー ありがとうございます。ヘッドウォータース社では、AIインテグレーションサービスとDXサービスが収益の柱になっているかと思います。これらの事業について改めてご説明いただけますでしょうか。

 

はい。当社は、AIの活用を柱とし企業様のDXを支援、促進する事業を行っています。その一本道の上にAIインテグレーションサービスとDXサービスがあるという形です。

 

「DX」という言葉は様々な定義があると思いますが、その本質はデジタルを使って業態を変えていくことではないかと考えています。

 

この本質的なDXを実現していくことで、米国の巨大IT企業のように企業価値を急激に高めたり社会的なインパクトを創出したりしていくことができるのだろうと思っています。

 

ただ、いきなりこの状態まで持っていくにはかなり道のりが遠いので、まずは紙をデジタル化したり、企業内のデータを整理したり、データを使った業務効率化やサービスの品質向上をしていく必要があります。この一つ一つをDXと呼ぶことは間違いではないのですが、あくまで最終的なゴールに向けた取り組みの一つであり、こういった取り組みを通してビジネスのやり方を変えていくことが本質的なDXだと考えています。

 

そのため、「AIを導入したい」「DXしたい」という企業様に対して、企業様の業務を可視化し経営課題を抽出します。そこから「AIを導入すればこのような改善が実施できます。」という提案をしながら、どのような姿を目指していくか、という点をすり合わせた上でご支援させていただきます。

 

 

ー あくまでデジタルを使って企業の経営課題を解決していく中で、必要に応じてAIを活用していかれているということですね。

 

そうですね。当社には経営課題をヒアリングできるコンサルティングチームと経験豊富なエンジニアが揃っていますので、課題解決に向けて適切な体制を組むことが可能です。他の大企業でもこのようなサービスを提供している企業はあるのですが、当社の場合は全て当社内のメンバーがご支援させていただきますので、コストが抑えられるほか、経営課題の解決までシステムを改善し続け寄り添いながらご支援させていただく点が特徴です。

 

このような形でサービスを提供する企業の中で、当社と同じくらいの規模感やAI導入支援実績を持っている企業は他にはあまりいらっしゃらないのではないかと思っています。

 

 

ー 技術に詳しく経営課題のヒアリングもできる貴社のコンサルティングチームのような人材は全てのIT企業が欲しがる人材だと思います。どのように育成されてきたのでしょうか?

 

はい。このような人材が育ってきたのは、当社が様々なチャレンジを繰り返し、エンジニアの経験値を高めてきたからだと思います。創業から15年間の歴史の中では、まだ誰もスマホのゲームを作っていない頃にゲーム制作にチャレンジしたり、誰も海外へ行っていない頃にベトナムやカンボジアへ進出してオフショア開発を行ったりしました。その他にも、AIロボットが出始めた頃、世界中がまだ手をつけられていなかったAIロボットのソリューション開発に取り組んできました。

 

このようなチャレンジ精神のあるエンジニアの集団であることと、このチャレンジの間に蓄積した様々なIT技術を組み合わせることで、経営課題の解決に向けてAIシステム開発から運用までしっかりとご支援させていただくという当社サービスの仕組みができ、他社が真似しようとしてもなかなかできないレベルまで上がってきたのではないかと考えています。

 

 

ー ありがとうございます。「高度なITナレッジを駆使して事業を開拓・推進する、新しいタイプのエンジニアを現代日本に輩出する」という基本理念もここから来ているのでしょうか?

 

はい。私はこの会社を作った頃から、デジタルによって世界が変わるのは避けられないと考えていました。その中心にいるのはエンジニアなので、彼らは本来もっと価値があり、今後日本がデジタル化し世界の中でプレゼンスを発揮するためには彼らが中心になっていくだろうと考えていました。

 

しかし、ただ作業して開発するだけのエンジニアというのは、時間の経過にともなって世界中で育ってきます。日本人エンジニアが価値を上げるには、先端技術の習得は勿論、先端の技術を活用するためのビジネススキルやクリエイティビティを持つ必要があると思います。シリコンバレーなどを見ると、エンジニア出身の人間が先端技術を使って新しいコンセプトのビジネスを作っています。固定概念を払拭すれば、エンジニアの可能性は無限に広がると思います。

 

日本でもこのような人材を育成していくために「ITナレッジが豊富で、かつビジネスにも強い意欲を持っている人材を育てていって、これをエンジニアとして再定義していきたい」という思いでスタートしたのがヘッドウォータースです。そのため、様々な事業にエンジニア自らチャレンジしていくような環境を作ってきました。

 

 

顔認証技術を活用して「手ぶらで買い物ができる海水浴場」を実現

ー 直近では飲食店や商業施設との連携を進められていますが、どのような背景があるのでしょうか。

 

はい。AIを活用した事業は今後二つのモデルに集約されていくと思っています。現在のAI企業は基本的に他社からの依頼を受けて研究や開発を請け負う形で収益を上げています。しかし、現在AIのコモディティ化は進んでおり、安価で実用的な精度のAIエンジンが各所からリリースされています。個人でも活用可能な機械学習用のライブラリーやプラットフォームも豊富に存在します。その中でAIの精度だけを競ってもビジネスとしてはスケールしないと考えます。

 

一つは独自のビックデータを収集し活用するモデルです。AIのコモディティ化が更に進めば、AI自体の能力よりも学習させるデータの質と量の方が区別化要因として重要になります。他社が持ち得ないデータを獲得し、有効に活用することで新しい事業領域を切り開くことができると思います。

 

そこでどのようなデータを集めていくべきかと考えたのですが、web上のデータに関しては、すでに大手ECサイトなどのIT企業が膨大なデータを収集しています。しかし、店舗などで収集できる人々のリアルな行動のデータを収集できている企業はほとんどありません。

 

例えば、飲食店や商業施設では、売れた商品のデータはPOSデータで確認できますが、売れなかった商品のデータを取得できる仕組みはまだ整っていません。具体的には、この商品は1日に何回、何秒触られたのか、というような情報や、どの棚の商品が多く見られて触られているのか、といったデータです。

 

これらのデータ収集については、当社が日本で最も先行できる分野であり、積極的に飲食店や商業施設との連携を進めています。

 

もう一つはクライアントの経営戦略の中でAIを活用するという方向です。顧客の本質的なDXを進める過程で、有効かつ適切にAIを活用するには、経営に寄り添った経営コンサルチームが必要です。また、顧客の理想をハンズオンで実現するAIソリューションの実装チームも必要になります。

 

独自データを持ち、AIを理解した経営コンサルチームと実装チームが現場で顧客と一緒になってソリューションを作り上げることで、業界別や課題別のAI学習モデルがノウハウとして溜まっていきます。そのAI学習モデルをSyncLectという自社サービスにストックしていくことで、業界に対して、また同じような悩みを持った企業に横展開することが可能となります。

 

各企業が持っているデータも抱えている課題も百社百様ですが、ソリューションのベースとなるAI学習モデルをノウハウとして多数作り揃えることと、各企業のデータや課題に合わせた形でカスタマイズできる強みを一層強化していく所存です。

 

 

ー ありがとうございます。今後の目標についてもお伺いできますでしょうか。

 

はい。一つは現在のコンサル領域を徹底して強くしていくことです。もう一つは、先進技術を活用してビッグデータを作り上げ、それを活用して世の中が良くなる仕組みを作っていきたいです。

 

また、当社の得意分野はAIの活用はもちろん様々なIoTのデバイスを組み合わせたサービスやソリューション提供することです。この技術や知見は将来的にスマートシティへの取り組みに繋がると考えています。

例えば、以前ある観光地の島に対して、島全体に顔認証機能の仕組みを導入してみませんか、という提案をしたことがあります。カードもスマホも必要なく、顔だけで買い物もできるし、ホテルや自宅の部屋に入るにも鍵を使わず顔認証で解錠できます。これが実現すると、海に遊びに行った時手ぶらで貴重品を持たずに海の家で顔を見せるだけで決済が行われ買い物ができる、というような新しい体験を提供することができるようになります。

 

顔認証・顔決済の実現によって貴重品を持ち歩く必要もなくなりますし、顔が登録されるので治安も向上していくと思います。このようにして世の中が少しずつ良くなるような仕組みをAIやIoTを活用して実現したいと思います。

 

 

ー 本日はどうもありがとうございました。

 

 

 

株式会社ヘッドウォータース
https://www.headwaters.co.jp/

 

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プロフィール

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篠田庸介

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