ビジネスにエンターテイメントの要素を取り込み、尖った企画を提案する

ビジネスにエンターテイメントの要素を取り込み、尖った企画を提案する

株式会社Hamaru Strategy Chief OTAKU Officer(COO) 道場 月音

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2022.02.08

道場 月音(みちば・つきね)

株式会社Hamaru Strategy 取締役COO

京都大学卒業。ライブ配信アプリの企画業務を経て、エンタメ系ベンチャーに転職。半年で4件のオープンイノベーションに企画が採択される。25歳で株式会社Hamaru Strategyを独立起業。

 


高い熱量の消費で注目されるオタク文化。しかし、その熱量をビジネスに取り入れるのは簡単ではありません。今回は、現役のオタクとしての感性を武器に、エンタメ要素を取り入れた企画を提案する株式会社Hamaru Strategyの道場取締役COOにお話を伺いました。

 

 

想定になかった独立起業

 

 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、道場さんのご経歴や起業されたきっかけをお聞かせください。

 

2018年に京都大学の経済学部を卒業しまして、最初は事業系のベンチャーで、ライブ配信アプリの企画を一年ほど経験しました。その後、元から興味があったオタク系のエンタメのほうに行きたいと思い、マンガやゲームイラストなどを作っていた「フーモア」というベンチャーに転職しました。そこの企画室で出会ったのが、のちに一緒に株式会社Hamaru Strategyを起業することになる清水です。

 

私は文系で女性、清水は理系で男性といったようにまったく正反対なのですが、相性がよいというか、お互いに補える部分が多くて、当時関わっていたオープンイノベーションの企画では、半年で4件採択されるといったように、成果を出すことができました。

 

といっても、当時は一緒に働きたいとは思っても起業したいといった気持ちはあまりありませんでした。やりたいことはあっても、事業会社の中で部門を立ち上げればいいという形で考えていたのです。ところが、フーモアの状況が変わったこともあり、清水とともに株式会社Hamaru Strategyを設立することになりました。私にとって、起業したのはちょっとしたハプニングというか、想定していなかった結果でしたね。

 

 

--現在の事業展開について、改めてご説明をお願い致します。

 

主としているのは新規事業のコンサルティング業務です。ただし、弊社は企画に特化した会社で、新規事業を企画して、それをお渡しするだけということもあれば、伴走することもあります。また、コンサルティングや企画提案するだけでなく、そこにエンターテイメントの要素を加えて、尖った企画を出していることも特徴です。

 

私はCOOと名乗っていますが、これは「チーフ・オタク・オフィサー」の略で、一方の清水は「チーフ・エンタメ・オフィサー」です。私は現役のオタクとして、日々新しい流行や傾向をインプットしていますし、清水はおもちゃメーカーで10年以上仕事をして、直営店の立ち上げやイベントなどにも関わった経験があります。

 

その二人の経験を生かして、これまでビジネス向けにやってきたメーカーだけどユーザーに向けた企画をやってみたいとか、お堅いイメージの大企業だけど新規事業にはエンタメ要素を加えたいといったご相談にお応えしています。出すアイデアはエンタメの要素を含むだけで、カテゴリはエンタメに限りません。また、今はこういう切り口が受ける、貴社のこういうリソースと組み合わせることができるといったご提案も行っています。

 

 

強みは会社を動かす「進行力」

 

 

 

--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。

 

エンタメに強い、尖った企画を提案できるというところでしょうか。エンタメというのはビジネスにするのは難しいものですが、その部分に慣れているのが強みです。アニメを作るときの製作委員会方式を例に挙げてご説明します。

 

製作委員会というのは複数の企業からなる集合体ですが、その際、普段は競合であるはずの企業が、同じ委員会に入ることもあります。他の業界ならなかなか考えられないことですが、製作委員会では、この会社はアパレル、この会社はおもちゃといった形で上手にすみ分けて、お互いに利益になることをやろうという姿勢があります。そういった形のご提案がフラットに行えることも独自性といえますね。

 

あとは進行する力が強い点です。新規事業を行うときに大切にしているのが「Hamaru戦略」というものなんですが、これは声優やアニメにハマるような、熱量の高い消費をビジネスに実装するための戦略です。

 

「ハマる」というと、心を動かすだけだと考えがちですが、実際のビジネスでは頭を動かすということが必要になってきます。言い換えれば、「面白そうな新事業だ」というだけだと、現場はやりたいと思っても、会社はなかなか動きません。

 

そこで必要になるのが、役員を説得できるプレゼン力や交渉力です。どうするかと言うと、たとえば弊社では説得の材料として「女性オタクの系譜図」というものをお見せすることがあります。熱量の高い女性のオタクはどのように生まれ、どんな作品があってそれがどう影響して、今はこういう状況にある、ターゲットとして狙っていくのはここですよ、ということを、系譜図を使って説明します。

 

そもそも、50代から60代の男性経営者は、女性のオタクという存在をご存じないこともあるので、そういう方に「熱量の高い女性のオタクを狙って」といってもなかなか通じません。しかし系譜図を使って説明すると、「ああ、こういう人たちね」と、すぐに理解してくださいます。

 

あとは、MD表というものを使うこともあります。これはエンタメ業界で使われるもので、どの時期に・どういう目的で・どの部署が・何をする、というものを一覧にした表です。これを見れば各部署のスケジュールがすぐに分かるので、役員や中間管理職の方も納得して、稟議を通しやすくなります。

 

「こういう企画をやろう!」と投げるだけでは、会社は絶対に動いてくれません。そこで「できそう!」と感じさせて、会社を動かす構想力や仕掛け力といった点も弊社が強みとするところです。

 

 

エンタメの要素を取り入れ、地に足をつけた新規事業を提案

 

 

--現在の課題、また中長期的な事業展望についてお伺いできますか。

 

現在の課題としては、弊社の業務をわかっていただくのが難しいというのがあります。広告代理店とかクリエイティブ集団と誤解されることも多いです。

 

また、弊社の場合、新規事業のアイデアを一週間で5個、翌週までに10個といった形で提出するスピード感で仕事をしているのですが、どういうアイデアが出てくるのかわからないので、なかなかお金をかけていただくのが難しいという点も課題です。

 

その対策として、弊社では1つのアイデアで2万円というように、価格を明確化しています。コンサルティングの場合、「詳しくはお問い合わせください」という形が多いと思うのですが、価格を明瞭にすることで、分かりにくさをカバーしたいと思っています。

 

また、自分たちがどういう面白さを出せるのかに関しては、見ていただくのが早いと思っているので、これから新規事業作りにも挑戦しようと考えています。その新規事業に投資をして数年後に回収し、その実績を加えて、さらなるシナジーを生み出したいというのが中長期的な目標ですね。

 

 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?

 

弊社では新しい切り口で、エンタメの要素を取り入れ、かつ地に足をつけて進行できる新規事業をご提案しています。

新規事業を始めたいけれど何から始めていいのかわからないという企業様、担当者様とは、業種問わず相性がいいと思いますので、一度お話だけでもできればうれしいです。

 

 

--ありがとうございました。

 

 

株式会社Hamaru Strategy

https://www.hamaru.co.jp/

 

 

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