高度外国人材の紹介を通じて、日本に活力を生むダイバーシティを推進したい

高度外国人材の紹介を通じて、日本に活力を生むダイバーシティを推進したい

株式会社グローバルパワー 代表取締役 竹内 幸一

カテゴリ: 人材、従業員数: 50〜99

2021.11.23

竹内幸一(たけうち・こういち)

株式会社グローバルパワー 代表取締役

1974年生まれ、東京生まれ群馬県育ち。群馬県立富岡高校卒業後、アメリカのカリフォルニア州立大学サクラメント校へ留学・中退。1998年、外資系ワイン商社へ就職。2003年、大手人材会社株式会社フルキャストに転職し、2005年に社内ベンチャーとして外国人の留学生採用支援事業部の設立に参画。2009年、事業部のMBOを経て株式会社グローバルパワー設立に参画。2010年12月代表取締役に就任。


7兆円を超える大きな市場規模を持ち成長を続ける人材ビジネス業界の中でも、特に伸びているのがグローバル人材の分野。高度外国人材を専門とし、7割が外国籍社員という株式会社グローバルパワーにおいて、代表取締役を務める竹内様にお話を伺いました。

 


アメリカで経験した多様性のある社会を日本で実現したい

 


--本日はよろしくお願いします。早速ですが、竹内さんのこれまでのキャリアや代表のご就任されるきっかけをお聞かせください。


群馬県の公立高校を卒業後、アメリカのカリフォルニア州立大学へ留学しました。家庭の事情で帰国することになり卒業はかないませんでしたが、そこで経験したり感じたりしたことは今の事業を進めるうえで大いに役立っています。

日本に戻ってから外資系のワイン商社に就職し、5年ほど勤めた後、現在につながる人材会社に転職しました。そこで、社内ベンチャーとして立ち上がった外国人の留学生採用支援事業部に設立から参画します。その後、2009年に事業部のMBOを経てグローバルパワー設立に参画し、翌年に代表取締役に就任しました。

 

高度外国人材に特化したサービスで企業と社会に活力を



--貴社が主軸とされている事業についてあらためて詳細をお伺いできますか?


弊社では、高度外国人材の人材紹介および人材派遣を主な事業としており、その二つが売上全体の95%を占めます。その他に、企業と外国人求職者それぞれに向けた外国人材に関する研修や、インフォメーションカウンターおよび免税手続きカウンターの請負業務なども行っております。


メインターゲットの一つがインバウンド業界で、それ以外では、業界というより職種でのニーズがあります。例えば、海外営業やブリッジ人材、ローカライズ人材、カスタマーサポートなど、ある程度以上の企業規模であれば、あらゆる業界で外国人材の採用ニーズがあると考えております。

採用ニーズは大きく二つあり、一つ目は外国語を使える人材が欲しいという言語面からくるニーズです。もう一つは、ダイバーシティ&インクルージョンと最近よく言われるもので、性別も年代も国籍も、様々な従業員構成にすることで多様性を推進しようというニーズがあります。

 


-- 採用要件を外国人可としている企業はまだまだ少ないという感覚ですが、企業の開拓はどのようにされているのでしょうか。

最初のアポイント獲得までは、営業代行会社3-4社にご協力いただいております。ただ、そこから先は専門的な知識が必要なためすべて自社で対応しています。日本に住む外国人は300万人ほどで、大きなカテゴリでは、在留資格は29種類、厳密に分けると100種類ほどもある在留資格の中から適したものを選択する必要があります。

 

弊社は、それぞれの外国人求職者の経歴や企業の採用ニーズに応じて、採用可否や在留資格が出せるのか、想定される仕事にはどの在留資格でどういった雇用形態であればいいのかといったコンサルテーションを提供しております。

在留資格や入管法について詳しくなければ、正しい外国人材サービスを提供できませんので、弊社では1年ほどしっかりトレーニングを受けた自社社員が対応します。採用ニーズの把握から、実際の人材派遣に至るまでワンストップで提供できることが強みです。
 


-- 日本人採用では発生しない部分だけに、外国人採用に不慣れな企業にとっては大変心強いですね。一方で、求職者側はどのように集客されているのでしょうか。


集客の中心は、「NINJA(ニンジャ)」という自社で運営する日本最大級の外国人転職情報サイトからの登録です。https://nextinjapan.com/
「外国人 就職」のような、日本語が上手な外国人が仕事探しのために検索するキーワードの多くで最上位表示されています。このウェブサイトを通じて、毎月300~400人の外国人にご登録いただいております。


他にも、JLPT(日本語能力試験)の中で最も難易度が高いN1の試験会場付近で広告つきのティッシュを配ったり、外国人に向けた転職関連のウェビナーなどを行い登録数を増やしています。 


 

--今後、外国人の雇用は必須になっていくとお考えですか?


そう思います。現在の外国人労働者のカテゴリは大きく分けて3つあります。ホワイトカラー、ブルーカラー、そして留学生などのアルバイト人材です。不人気職種や単純作業が中心のブルーカラー職種や、コンビニなどのアルバイト人材は既に人手不足が顕著で、外国人労働力に頼らなければ成り立たない状況です。

弊社は、外国人労働者の中でもいわゆるホワイトカラー層、高度外国人材に絞って事業を展開しております。採用企業には、単純な労働力や言語力を目的とするのではなく、多様性を受け入れ、自社や社会の活力につなげることを目的に彼らを雇っていただきたいですし、そうしなければ企業は近い将来立ち行かなくなると考えています。

昔のように、社員全員が残業などの長時間労働に対応できる、という人しか活用できない企業だと、1億2,000万人の日本の全人口のうちごく一部しか採用できません。しかし、年齢も性別も国籍も関係なく活用できる企業であれば、全世界の78億人から採用ができます。

この人口減の日本において、ありとあらゆる人に協力してもらえる企業になれるかどうかが、これから10年・30年・50年先の活力を示す指標になると思います。そしてそれは社会も同じです。だからこそ、弊社のサービスは今後より必要とされていくと考えております。

 

 

異分子だからこそ、ボーダレス企業の推進力になれる


 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか?

 

「日本をぐちゃぐちゃにしたい」と私はいつも言うのですが、直近の10年、20年という期間では、ダイバーシティ&インクルージョンを推進することが企業としてまず実現したいことです。国籍、性別、年齢を問わず、多様性が受け入れられる社会を作りたいと思っています。


そのために、まずは日本における外国人のヒーローを作っていきたいと思います。例えば、大リーグにおけるイチローや野茂がいい例です。彼らのような外国人のヒーローが生まれる前は、日本野球界は大リーグから注目される存在ではありませんでしたが、今やアメリカからスカウトがやってきて日本人大リーガーが大勢生まれていますよね。

日本で活躍する外国籍の人が増えることによって、日本に行きたいと思う外国人がさらに増えるでしょう。また、受け入れ側の企業も、国籍や年齢、性別関係なく、彼らを戦力だと考えて積極的に採用し、活力ある社会や企業にしていただきたいです。


これらを実現するために、現在はいろいろな所に点在する日本国内の高度外国人材の求人情報が、すべてNINJAに集まっているという状況を5年以内に達成したいですね。弊社は従業員90人のうち7割が外国人ですが、国籍だけでなく多様な背景を持つメンバーが集まることで、お互いの強みや弱みを補完し合える強い組織だと自負しています。多くの企業がそうなるためのお手伝いをしていきたいです。


 

--7割はかなり高い割合ですね。では、外国人採用を積極的にされている先輩企業として、外国人を採用してよかった点や苦労した点などをお伺いできますか?


個人によるという大前提はありますが、国籍が異なる人材を採用した場合の大きなメリットは、目標達成意欲が高く、優秀な方が多いということです。

アジア圏において、日本よりも経済成長が著しい国は数多くあります。それでも日本に来るという外国人は、そもそも日本が好きな人ばかりです。また、日本語は外国語としての学習難易度が高いにもかかわらず、日本企業で働くために必要な高い日本語能力を身につけている。それはつまり、日本という外国でも積極的に努力できる人であり、目標達成意欲や達成能力が高いということの証明でもあります。
 

逆に外国人を採用して苦労した点というか、従来の同質的な組織では戸惑われるかもしれないと思う点は、彼らは「和」を重んじない、ということです。しかし、弊社ではそれを外国人採用の良い点として捉えています。

外国人は、日本人のように画一的な教育を受けて育ってはおらず、当然、和を良しとする考えもありません。だからこそ、世界水準での勝負をしなければいけない企業で活躍できると考えています。スピード感やグローバルな考え方が必要とされる場面で、和を乱して新たな視点を提供できる彼らの存在が大きな価値となるのです。

 

結局のところ、外国人を雇用することによるメリットは、多様性を持った人を雇用をするメリットと同じだと思います。



--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?


弊社では、外国人の優秀層を採用したい企業様からのご相談を積極的にお受けしていますので、ご連絡いただければ幸いです。



--本日はどうもありがとうございました。



株式会社グローバルパワー

https://globalpower.co.jp/

 

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