日向野 卓也(ひがの たくや)
株式会社GeNEE(ジーン) 代表取締役社長
東京工業大学 環境社会理工学院、慶應義塾大学大学院・慶應義塾大学ビジネススクールMBA(経営学修士)修了。株式会社NTTデータにて、大手法人企業(流通企業・小売企業)等の事業開発・事業企画・コーポレートファイナンス業務等に携わる。国立台湾大学、米国スタンフォード大学への海外研修等を経て、2017年に株式会社GeNEEを創業し、代表取締役に就任。
DXやIT化の流れが進み、今や会社を運営するうえでもIT技術の導入は欠かせなくなっています。このような時代の流れの中でシステム・モバイルアプリ・ITサービスの受託開発を行い、企業のDX支援、業務IT化を進めている株式会社GeNEE代表取締役の日向野様にお話を伺いました。
日系最大手SIerであるNTTデータで実務経験を積み、独立
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、日向野さんの経歴をお聞かせください。
大学卒業後に、株式会社NTTデータに入社しました。そこでエンタープライズ領域の事業企画・コーポレートファイナンスといった業務の経験を積みました。
具体的には、大手小売企業、大手流通企業、大手石油企業などのエンタープライズ領域の事業企画・事業開発・財務企画業務などを経験しました。その後、大学院の友人らと2017年に株式会社GeNEEを創業し、企業のお客様向けにシステム開発支援、アプリ開発支援、現在では組織全体を大きく変革するDXコンサルティングサービスなどを提供しています。
伴走型開発体制で、お客様に寄り添い、ニーズを的確に汲み取る
--貴社の事業概要をご説明いただけますでしょうか。
弊社は下記4つの事業を主軸にしております。
1.システム開発
2.モバイルアプリ開発
3.ITに関する新事業創造支援/MVP開発
4・DX支援サービス
新規案件を獲得するために、受発注系プラットフォームなどにもいくつか登録しているのですが、案件の大半は既存のお客様からの紹介がほとんどです。案件をいただいた後、きっちりと成果や効果を出すことで、次の新しい案件に繋がっていると感じています。
--システムの開発は幅広いジャンルがありますが、その中で得意な分野はありますか。
顧客管理系のCRMシステムやSFAシステムの他、会計管理や労務管理などを一部パッケージソフトとして組み込むERPであったり、予約管理システムに関しては、開発経験が豊富にあるので得意と言えます。
全国に店舗を持つ業務系管理システムも多数開発経験があり、継続的に保守維持・運用サポートを行っています。企業規模が拡大してくると、市販パッケージソフトやSaaS型サービスではどうしても対応できなくなる部分があり、カスタマイズ性に大きな問題を抱えたお客様から「自社独自の融通の効く業務システムを開発したい」とご依頼いただくことが多いです。
弊社では柔軟な軌道修正が可能なアジャイルと呼ばれる開発手法を採用し、システムやアプリを開発しています。開発体制は、ビジネス全般を牽引するディレクター、UI/UXを描写し、画面遷移やビジュアル面を調整するデザイナー、システムの設計や機能を開発する開発者の三位一体形式でプロジェクトチームを組成し、お客様と密に連携し合いながら開発を進めています。
お客様の理想とするシステム像は日々変化するものです。市場動向や競合の動きを見ながら事業を軌道修正しているので、当然のことですが、その流れについていけなければ良いシステム、アプリは作れません。
そのため、弊社ではお客様とチャットベースでやり取りし、週次ミーティングなどを開催し、最新の情報を収集し、プロジェクトチームと共有し合うことを各開発工程に織り込んでいます。
--As-is/To-beモデルというのがあるそうですが、こちらは具体的にどのようなものになるのですか。
はい。こちらは、お客様が今悩んでいること(As-is)、そしてそれに対する解決策(To-be)を明らかにする手法の一つになります。
弊社では、2つの手法を用いることで抜け漏れなく、それぞれの実態を描くようにしています。2つの手法の一つは、担当者に対するヒアリング調査で、もう一つは弊社が独自に作成・運用している質問紙調査です。2つの手法を使用した後、矛盾点や調査が足りない箇所がある場合は、必要に応じてワークショップや実ユーザ調査、UI/UX調査などを行うことで、現状のAs-isと将来的にあるべき姿のTo-beを精緻に描いています。これらは開発の上流工程である、企画・構想の提案段階で行うようにしています。
その理由としましては、システムやアプリの要件定義や設計、製造が始動しますと、後戻りができない箇所が必ずでてくるからです。入口の段階から徹底して調査し、仮説検証のサイクルを繰り返すことで、使えるシステム、伸びるモバイルアプリサービスが開発できるのです。
実際に、どのようなシステム、モバイルアプリであれば使いやすいかを入口段階からしっかりと調査・仮説検証することで、最終的な完成度がぐっと上がります。弊社のお客様には、過去にシステム開発に失敗し、「最初からGeNEEさんにお願いすればよかった。」と嘆く担当者の方が多数いらっしゃいます。入口からどのようなシステム、アプリができるか、精緻にイメージできたらそのようなトラブルは未然に防げると考えています。
--コンサルティングのような形でお客様のところに入るイメージですか。
そうですね。企画段階からお客様のプロジェクトに入らせていただき、システムであればセキュリティ面で気を付けるべきこと、モバイルアプリサービスであればスケールのために必要な要素などをお客様にしっかりとお伝えし、双方が納得した段階で要件定義工程に入ります。ここの企画力、提案力に魅力を感じ、追加発注であったり、他のグループ会社様にご紹介いただけるケースが非常に多いです。
--ありがとうございます。次に貴社の強みや独自性をお伺いできますか。
開発実績、成功体験、そしてノウハウが、1番の強みだと思っています。
弊社には、登録者数200万人弱のメガヒットアプリを開発した人間、全国に店舗網を持つ金融機関様の債権管理システムの開発を経験した人間、新規事業をゼロイチで立ち上げ、サービスのスケールを成功させた人間がいます。プロジェクトの規模が変わりますと、そちらに合わせて開発手法や開発体制、開発方針、集客方法なども全くの別物になりますが、弊社はどちらにも柔軟に対応できる人間が所属し、連携し合っているため、お客様の様々なご要望に対して適切な提案・サポートができます。
--会社運営する中で一番力を入れている部分をお伺いできますか?
当たり前のことですが、お客様第一の精神を常に意識しています。システムやアプリ開発投資の場合、多くが数千万円規模、大きいものですと1案件で数億円規模になります。お客様は開発会社である弊社を信用してその多額の資金を投資してくれています。
お客様の気持ちに最大限応えるために、弊社側も「お客様が何を考えているか」、「今何を求めているか」を常に意識して考え、最適な行動を取るように心掛けています。
--御社のクライアントとなる企業に傾向などはございますか
大手企業や中堅企業、スタートアップ企業がメインですね。業界にはあまり縛りはありませんが、システム規模の大きさで言いますと、製造業、建設業、不動産業、医療介護業あたりの開発依頼が多いです。
--どういう課題をお持ちの企業様が貴社には1番マッチングしやすいと思いますか。
「DXを進めたいけど、何から手を付けたら良いか分からない」といったIT面全般にお悩みを持つ企業様の場合ですと、様々な事例を紹介し、DX化、IT化の具体的なメリットをご提示できますので、相性が良いのかもしれません。
その他ですと、過去に開発で失敗した経験、トラウマを持つお客様でしょうか。「過去に開発会社に依頼をしたけど開発途中で頓挫してしまい、結局作れなかった。」、「作りたいものと全く違うものができあがった。」などのお話をお客様からよく耳にするんですよね。弊社は「失敗しない開発会社」として入口から最後まで一気通貫して開発支援しますので、そのような過去にトラウマを持つお客様とも相性が良いかもしれません。
--会社運営をしている中で課題と感じていることはありますか。
優秀な開発者をいかに採用するかが重要だと考えています。人材会社や学校・学校法人のラボなど最初から研究をしている大学院・シンクタンク、そういったところとのつながりから人材をもっとよくしていきたいという考えはあります。
--現状優秀な方がすでに貴社にはいらっしゃると思うのですが、その方にはどうご参画いただいたのですか。
ほとんどがリファラルですね。友人であったり、前職の同期だったりです。
--若く優秀な開発者の方などは逆にチャンスになりそうですね。
そうですね。インターンサイトにも登録していて、そこで集めたりもしています。
20〜24歳ぐらいで今実務で開発経験を積みたい人がいたら、すぐに会ってお話してインターンという形式で入ってもらっています。
開発体制をさらに強化し、競合他社との差別化を図る
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
昨今、高度な情報技術であったり、デジタルトランスフォーメーションと呼ばれるDXの必要性が世間で叫ばれていますが、過去のインターネット技術の普及、WEBサービスやアプリサービスの変遷を調べると、この流れは5~6年以上しばらくは続くと思います。
現在取り組んでいる内容とそこまで大きく異なりませんが、お客様に対するDX支援であったり、システムやモバイルアプリを開発する中で、日本社会がより快適なものに変わっていくように、弊社もIT企業という立場から最大限力を注いでいきたいと思っています。
短期的な展望という意味ですと、現在東京と福岡の他、ベトナムのハノイ、ダナン、ホーチミン、バングラデシュのダッカ、中国深圳の開発拠点と連携を取り合っているのですが、この開発ネットワークをさらに拡大させることで、24時間開発体制を敷きたいと考えています。この体制が構築できると、今以上に速度感のある開発が実現できると思います。
ただ、それを実現するためには、技術選定や業務標準化、人材配置などの様々な壁がありますので、なるべく早く最適解を見つけて、自社の優位性を確立していきたいです。
--ありがとうございます。最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
弊社の場合はシステム開発やアプリ開発、最近ですとDXなどで企業様に入らせていただき、IT化を進めることに力を入れています。
こういった観点でお力添えできることがありましたら、ぜひお気軽にご連絡頂ければと思っています。
また、法人化してまだ4年の若い会社で人材面においては苦労している部分があるので、開発やマーケティングの部分等で事業連携できる会社様がいらっしゃいましたら、一緒に動いていけたらなと思っています。
--本日はどうもありがとうございました。
株式会社GeNEE
Professional Onlineでは無料で経営者インタビューに掲載いただける方を募集しています。
お問い合わせフォームよりご連絡ください。
プロフィール
日向野 卓也