山田実希憲(やまだ・みきのり)
Gemini Career株式会社 代表取締役CEO
法政大学を卒業し、新卒で入社したリノベーション会社で営業から施工管理までを一貫して担当し、新規事業にも関わる。その後、株式会社JAC Recruitmentに転職し、人材紹介の業務を経験。ベンチャー不動産会社での新規事業開発を経て、Gemini Career株式会社にCOOとして参画。現在はCEOを務める。
企業にとって人材確保は大きな課題。とくに、経営層の人材不足は深刻な問題となっています。そこで、企業の課題解決を目的に経営層の人材紹介を事業として行っているGemini Career株式会社代表取締役の山田様にお話を伺いました。
転機は30代未経験で人材紹介業界への転職
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、山田さまのこれまでのキャリアやCEO就任の経緯をお聞かせください。
新卒で入社したリノベーション会社では、営業から施工管理までを一貫して行っていました。入社から10年が経過した頃に不動産事業の新規立ち上げを任せられ、ビジネスモデルを組み立てる面白さを知ります。この経験によってビジネスモデルそのものへ興味関心が高まったこともあって、自分が何を仕事として生きていくのか、転職を意識するようになりました。
また、子どもとの休みが合わなかったことも転職理由の1つです。仕事自体は好きだったのですが、働き方が自分の生き方に合っていないと感じたことから、働き方を選びなおすことにしました。
そこで出会ったのがJAC Recruitmentという人材紹介を行う企業です。転職活動を始めた当初は人材紹介業は転職先の候補ではありませんでした。しかし、転職サイトを通じてJAC Recruitmentからスカウトメールをいただき、話を聞いたことで興味を持ったのです。
私自身も30代になって初めて転職を経験し、どのように転職活動をすればよいのか戸惑いがありました。そのため、同じような悩みを抱える人は多くいるはずだと思いましたし、その人たちに求められている仕事であるとの確信もありました。また、人材紹介を通してさまざまな企業と関わりが持てるという点も、人と企業の双方に関わっていける自分の志向性と合っていましたね。
--JAC Recruitmentを退職された理由と、その後Gemini CareerでCEOに就任されるまでの経緯を教えてください。
JAC Recruitmentを退職したのは2つ理由がありました。1つは採用背景である経営課題に対して、紹介する人材がいなければ、そこで話が終わってしまうのがもどかしかったことです。解決方法は人材紹介以外にもあると捉えれば、やれることがあります。そしてもう1つが、同業・同職種だけでなく、仕事選びの可能性を広げるキャリア支援を行いたいと思うようになったことです。
その後、ベンチャー不動産会社での人材紹介事業の立ち上げを経て、Gemini Careerと出会いました。弊社の親会社であるGemini Strategy Groupは企業の経営課題を解決することをミッションとしていて、Gemini Careerは課題解決の手法として人材紹介事業を取り入れるために設立された会社です。
Geminiグループとして課題解決に取り組む姿勢や具体性に共感しましたし、私の今までの人材紹介の経験が役に立つと考え、Gemini CareerにCOOとして参画しました。その後、CXOポジションの紹介実績を積み上げていき、代表取締役に就任しました。
人材紹介は企業が抱える課題を解決する手段の1つ
--貴社の事業内容をあらためてご説明していただけますか。
弊社では企業の課題解決方法の1つとして人材紹介を位置づけて、特に経営層の人材紹介を中心としています。クライアントの業界は多岐にわたります。ファンドや VC から投資先や、事業フェーズが変わるタイミングで声をかけていただくことが多く、売上数十億から数百億円の事業規模のクライアントが中心です。
人材獲得については一般的なスカウトサイトを使うことはごくまれで、ほとんどがリファラル(紹介)とSNSなどネットワークによるものです。オンオフ限らずイベントを主催して、知り合うケースもあります。また、弊社が紹介した人材から「自分を支えてくれる右腕が欲しい」「新しい部署を立ち上げるから適切な人材が欲しい」といったご依頼をいただくことも増えてきました。
--貴社の強みを聞かせていただけますか。
ミスマッチを防ぐために特にこだわっているのが、企業の課題整理と解決方法を言語化することです。課題を解決するにはどのようなスキルをもった人材が必要なのか、ミッション、期待値とともに採用要件を固めています。スキルセットを担保した上で企業理念に共感できる経営人材をご紹介しているため、少数のご紹介者の中から採用が決まり、入社後の活躍につながっています。
また、人材紹介がメイン事業ではありますが、あくまで課題解決の手段の一つでしかないと捉えている点が他社との違いです。クライアントから求人のご相談があった際には、本当に採用が必要なのかという部分からヒアリングを行っています。
課題内容によっては人ではなく仕組みが解決する場合もあります。例えば、経理人材の求人相談で、タイミングによって人材を確保するより経理システム導入をした方がコスト面や組織マネジメントにおいてもメリットが大きくなるケースです。本当に必要な機能を考えた上で、最適解でなければ別の方法を提案します。
さらに「事業でこれからどのような人材が必要になるのか」という部分を提案することも、弊社の大事な役割だと認識しています。
--貴社が選ばれる理由は何だとお考えでしょうか。
実際に課題を解決する経営人材をご紹介できていることです。弊社が選ばれてるというよりは「弊社が企業に紹介した人」が選ばれているので、弊社がどのようなフィルターをかけて人を選んでいるかが評価されていると考えています。
クライアントには弊社が紹介したい人を紹介するのはなく、本当に企業の課題を解決する人をおつなぎしています。人材を課題解決のためのソリューションだと捉えている点は、一見ドライに感じられるかもしれません。しかし、紹介した人材が成果を出すことはその人のキャリアにとってプラスになります。だからこそ、企業課題の明確化は弊社が紹介する人のためにも大切だと考えています。
経営人材の育成とシニアマネジメント層の活用を強化したい
--今後の展望についてお聞かせください。
現在、経営層の人材不足が問題になっています。 M&A買収後やファンドの投資先などでは経営層が変わることが多いのですが、適任者がなかなか見つからないという状況が起きています。そのため、これからは経営人材の育成とシニアマネジメント層の活用を強化していきたいです。
経営人材の育成は、適時・適所・適材で人材に機会提供をしていくことが大切だと捉えています。今いる経営人材だけでなく、これから経営者を目指そうとしている人に対しても、成長の機会を提供していくための事業を展開していきたいです。
弊社は課題を集めるプラットフォームであり、ソリューションを集めるプラットフォームをつくっていきます。人材紹介を通して企業課題を集め、課題を解決した経験によって経営人材が増えていく、といった循環ができればと考えています。
シニアマネジメント層の活用に関しては、経営スキルを持ったシニアの方々の活用機会を増やしていきたいですね。非常に優秀な方々が現場から離れている状況はもったいないと考えているので、働きたいという意欲とスキル、適応しようとするマインドを持っていれば、年齢関係なく企業に紹介しています。実際、60歳以上の方でも経営ポジションに決まっているケースがあります。
--ありがとうございます。最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
弊社は人材採用に悩みを抱える経営者をご支援しています。社長のEQ診断によって性格特性や行動の癖を可視化して、「採用のクセ診断」を行うサービスも始めました。採用の難易度はこれから高くなっていきますが、目的に沿った要件定義を行い、採用手法を間違えなければ、課題解決を担う経営人材の採用は可能です。CXO、経営人材、社外取締役、事業部長クラスの採用をお考えの方はぜひご相談ください。
--本日はどうもありがとうございました。
Gemini Career株式会社
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