山本　篤(やまもと　あつし)

efoo株式会社(イフー)　代表取締役社長

高校卒業後、調理学校に進み、卒業後は大阪でフランス料理店に就職。約4年間の修業ののち、オーストラリアで和食レストランのマネージャーを1年間経験。帰国後、兵庫県・淡路島で料理長として店舗の運営などに携わる。2019年に退職し、プログラミングスクールへ通い、エンジニアとして働きながら起業準備を進め、2020年5月にefoo株式会社を創業。

 

 

日常の家事のひとつとして、料理は簡単・時短を求められるのが近年の傾向ですが、一方で趣味として、あえて手が凝った料理づくりを楽しむ人もいます。レストランで働くシェフのノウハウが動画で学べるミールキット「シェフレピ」を提供するefoo株式会社代表取締役の山本様にお話を伺いました。

 

 

調理学校・プログラミングスクールを経て起業

 

 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、山本さんが起業されたきっかけをお聞かせください。
 

高校卒業後、調理学校に進み、卒業後は大阪でフランス料理店に就職しました。約4年間修業を積んだあと、オーストラリアへ渡航し、和食レストランのマネージャーに就任。約1年後に帰国し、兵庫県・淡路島で料理長として店舗の運営などに携わりました。
 

2019年に退職し、約半年間、プログラミングスクールへ通学。卒業後はパートタイムでエンジニアを勤めながら起業準備を進め、2020年5月にefoo株式会社を創業しました。
 

立ち上げ当初は飲食店向けの原価管理SaaSを開発・販売することを目指していましたが、行き詰まりを感じて撤退し、現在は2021年4月にリリースした「シェフレピ」事業を主に展開しています。

 

 

元料理人の経歴を活かし、料理の楽しみを提供する「シェフレピ」

 

 

 

--シェフレピ事業について、改めてご説明をお願いいたします。

 

「シェフレピ」は、シェフの料理が動画で学べる料理教室の定期宅配サービスです。レシピに合わせて、計量済みの食材がパッケージになったミールキットを宅配するサービスは他にもあります。しかし、「シェフレピ」はレストランで働くシェフのテクニックや食材に関する知識が学べるレシピ動画が教材として用意されているのが特徴です。

 

自宅でできる料理教室というコンセプトで、料理の勉強をしたい個人に向けて販売しています。2021年10月から始めた定期便のプランは毎月6,200円（2人分）です。定期便では5回分を1セットとして、月1回1種類ずつ、同じシェフから5種類のレシピを学ぶ内容にしています。

 

メニューはフランス家庭料理、南イタリアのパスタ料理、ラム肉料理から選べます。今後、料理のジャンルを追加していく予定です。

 

ターゲットは主に女性で、ハンドメイドなどのものづくりを趣味にしている人や、食に興味があり、食べに行くのも好きという人です。じっくりと時間をかけて料理を楽しむためにサービスをご利用いただけています。

 

サービス開始から日が浅く、まだ広告などのマーケティングには手を付けられていません。しかし、Twitterを通じた認知拡大には積極的に取り組んでおり、弊社アカウントがリツイートしたユーザー様の投稿を見て、お問い合わせをいただくことが多いです。

 

また、新規ユーザーを紹介すると紹介した人・された人ともに割引が受けられる招待コードを配布しているのですが、Twitter上でそのコードのやり取りをする方もいらっしゃいます。

 

--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。

私自身が元料理人ですが、その他にも弊社には某料理雑誌の元副編集長など、食に精通したメンバーが多いのが強みですね。人脈を活かして、レシピや動画は信頼できるシェフに依頼しています。

 

また、弊社のレシピ動画は再生時間が1〜2時間と長いものが多く、レシピとして選んでいる料理も本格的なものであることが特徴です。近年、レシピ動画を提供しているサービスは多いですが、そのほとんどが簡単・時短を売りにしています。あえて、手間がかかるけれど、作って楽しい、学びのある料理を取り扱っていることが弊社の独自性ですね。

 

本格的で手が凝った料理を、シェフが作るのと同じようなクオリティでユーザーが再現できるよう、簡単ではありませんが、私自身を含めたメンバーのノウハウを活かしながらレシピや動画を作成しています。

 

 

--課題として感じていらっしゃることがあれば教えてください。

 

現在は、人材を含めたリソース不足が最大の課題です。特にエンジニアと動画編集者が足りていません。動画編集は外注していますが、できれば内製化したいと考えています。今後、採用を強化する予定です。

 

 

事業を通じて「食の楽しみ方」を増やしたい

 

 

--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。

 

まずは、注文数をさらに増やすことを目指しています。そもそも「シェフレピ」の開発に至ったきっかけは、シェフが稼げる方法を増やすためでした。ミールキットが売れるほど、シェフのストック型収益につながるしくみを確立したいと考えています。
 

そのために、現在Twitterがメインの集客方法を、これからはInstagramなど他のSNSへも展開するのに加えて、SNS上への広告出稿などにも取り組んでいく予定です。

 

また、今後提供したいものとして、月額課金でレシピが見放題になり、さらにそこからミールキットも頼めるといった、いわば料理教室のDXと言えるようなサービスを考えています。サブスクリプションとの相性も良いと感じていますので、スタンプラリーのように、いろいろな料理を攻略していく楽しみをユーザーに提供したいですね。

 

現在は個人のユーザー向けにサービス提供していますが、ゆくゆくは法人向けの事業も検討しています。レシピ開発企業の社員教育や専門学校などに、動画を通してレストランのシェフの技術を学んでいただくサービスを考えており、2022年中にスタートできるようレシピ動画のストックを進めています。

 

また、2021年から鹿児島大崎町と提携し、ふるさと納税とのコラボレーションを始めました。地域の特産品で、ふるさと納税の返礼品でもある「大崎牛」の使い方や、より美味しく食べる方法などを動画で発信しています。

 

 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか？
 

弊社は事業を通じて「食の楽しみ方」を増やしていきたいと考えています。ご一緒できそうな企業様がいらっしゃいましたら、お声を掛けていただけますと幸いです。また、食の世界がより楽しくなるような取り組みをされている企業様ともつながりたいと思っていますので、ぜひご連絡ください。

 

--本日は興味深いお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。

 

 

efoo株式会社

https://chefrepi.com/

 

 

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