鈴木 健太(すずき・けんた)
株式会社Dr.健康経営 代表取締役
東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。在学中にKinesiology、 Arizona State Universityへ留学。医学・経済学・人文学等を学ぶ。卒業後は、国立国際医療研究センターで勤務医として働く。2019年2月株式会社Dr.健康経営を創業。働く人や企業の健康経営をサポートし、全国の企業に産業医サービス、ストレスチェックなどを提供する。
在宅ワークの普及によって、企業の健康管理やメンタルヘルスケアなどがますます重要視されています。中小企業運営においては、産業医派遣サービスが必要不可欠だといえるでしょう。今回は「誰しもが健康的に安心して働ける環境を作りたい」と考え、産業医派遣サービスを提供している株式会社Dr.健康経営代表取締役の鈴木様にお話をお伺いしました。
予防医療の将来性を感じ、起業へ踏み切る
-本日はよろしくお願いします。早速ですが、鈴木さんが起業されたきっかけをお聞かせください。
興味の方向が生物系の学問であることなどから、高校3年生の頃に医学部を目指して受験勉強に励み、筑波大学医学部に進学しました。
大学卒業後は国立国際医療研究センターで勤務医として勤め、その後は帝京大学公衆衛生大学院に所属し、健康経営の研究や産業医として多くの企業を担当しました。
また、将来的には予防医療が重要になると感じていたこともあり、2019年にDr.健康経営を立ち上げました。
誰しもが健康的に働ける環境を作りたい
-現在、医療系事業を中心に事業展開されていると思いますが、改めてご説明をお願い致します。
大きく二つの事業を展開しています。
第1に企業向けの産業医派遣サービスを行っています。当社では産業医の教育に力を入れていまして、そこで育てた優秀な産業医を排出する、といった内容になっています。現在、弊社に所属している産業医は300名ほどですが、北海道から沖縄まで全国に産業医のメンバーがいるため、幅広く対応することができています。
2つ目はストレスチェックサービスです。具体的には、従業員に対してストレスチェックの実施、集団分析、職場改善などを行っています。こちらのサービスは厚生労働省の労働安全衛生法に準拠した内容になっております。当社の中ではサブ事業の位置付けですが、産業医のお客様企業をはじめとして多くの企業様にご利用いただいています。ストレスチェックで高ストレス判定になった従業員へは、産業医による医師面談や必要に応じて病院紹介をしてお役立てるように務めています。
-どのような企業様がサービスを利用しているのでしょうか?
弊社のサービスをご利用いただいている割合で多いのは中小企業様で、50〜300人規模の企業様にご依頼いただくことが多いです。お客様の業種は様々で、IT系、人材派遣、介護福祉、製造業など幅広い業種の企業様の健康管理をご支援しております。
50人を超える企業の場合、法律によって、産業医やストレスチェックをはじめとした健康管理に取り組む必要が出てきます。とはいえ専門的な内容でもあるため、特に中小企業様においては、「何からどのように取り組めばよいかわからない」「どのようにすればコンプライアンスを満たせるかわからない」といった悩みを抱える企業様も多いのです。このような企業様に対して「健康管理のコンサルティング」のように1からサポートをしております。
-働き方改革によって仕事内容が変わったことはありますか?
他の業界と同じように、対面からオンラインにシフトしていったことが大きな変化の1つです。加えて、在宅ワークが増加したことによってメンタルに関する悩みが増えたように感じます。
そのため、従業員のメンタルや復職対応に関する相談をいただく機会が増えており、私たちもそれに対応できるようなサービスを強化しています。
産業医マッチングサービスのあり方に疑問、教育からバックアップまで行う仕組みづくり
-貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
当社の産業医サービスは、産業医の人材の質・サポート体制が充実していることが大きな強みです。
産業医側の業界課題でもあるのですが、産業医としての実務経験がある医師は全体の10%程度しかいないのが現状です。医師であれば産業医の資格は簡単に取れてしまうこともあり、産業医資格を持っているだけで実際に現場に立ったことがないという医師が非常に多いのです。
産業医サービスは、いわゆる産業医と企業様のマッチングサービスです。そのようなマッチング事業を行っている会社は他にもありますが、ただ産業医資格を持っている医師をマッチングするだけだと、経験のない医師がアサインされてしまうこともしばしばあります。結果として、毎月お金を払っているものの、「メンタル対応できない」「相談できない」など企業様が損をしてしまうことになりかねません。
そこで弊社は、産業医の登録時に採用面接を行うことで経験や適性を見極めたり、産業医への教育研修を行うことでスキルを高める取り組みをするなど、質の高い産業医を排出する仕組みを作っています。
さらには、健康管理のマニュアルやフォーマットを提供したり、相談窓口を設置したりすることによって、慣れていない企業様でも安心して取り組めるようなサポート体制も整えております。
このようにマッチングサービス・人材・サポート体制の3つが高品質になるように仕組みづくりをしている点が強みだと感じます。結果として、長くお付き合いいただけるサービスを提供できているのだと感じています。
産業医とその他テクノロジーを組み合わせ生産性の向上を図る
-今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
まずは、現在の産業医・ストレスチェック事業を拡大することで、多くの中小企業様の支援、産業医のキャリア支援をしたいと考えています。
また、働く人のメンタルヘルスを応援できる仕組みを作れればと思っております。システムを導入して働き方改革を行っている企業様が多いですが、メンタルヘルスの問題はテクノロジーだけでは解決できないことも多いです。
従業員が自分のストレスケアに取り組める仕組み、従業員のメンタル不調を察知する仕組み、専門家に相談できる仕組みなど、テクノロジーと人的なサポートを組み合わせた総合サービスを提供していきたいと思っております。
-ありがとうございます。最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
社員のメンタルケア、産業医や健康管理の取組みにお困りの企業様は、ぜひ当社にお任せいただければと感じます。特に50〜300人規模の会社様では、「何から取り組めばいいかわからない」こともあるかと思いますので、当社が1からサポートさせて頂いております。
産業医のプロ集団が所属しているDr.健康経営では、健康に関する無料相談から受け付けております。企業様のお困りごとに対して回答できなかったことはほとんどありませんので、会社運営に大きく役立てるはずです。
-本日はどうもありがとうございました。
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