EC事業で培ったノウハウを独自サービスで「リアル事業」へ還元

EC事業で培ったノウハウを独自サービスで「リアル事業」へ還元

株式会社Connecting the dots 代表取締役 阿部 泰孝

カテゴリ: 、従業員数: 10〜49

2021.12.02

阿部泰孝(あべ・やすたか)
株式会社Connecting the dots 代表取締役

宮城県仙台市出身。東海大学開発工学部情報通信工学科卒業後「アントレプレナー制度」に魅了されベンチャー企業に就職。その後EC店舗に特化した商社へ勤務し、ECの基礎、日本の流通について学ぶ。ノウハウを活かして「株式会社AGS」「株式会社ファイブセンス」「株式会社YYY」「株式会LBI」「株式会社 Connecting the dots」「RESALON」を設立。

現在の日本では、EC=電子商取引が当たり前となっています。その“最盛期”を間近で体験し、得た知識を元に次々と会社・事業の立ち上げに携わってきた株式会社Connecting the dots代表取締役の阿部様にお話を伺いました。

 


設立に携わった「6つの企業」、その特徴とは


 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、阿部様のこれまでのキャリアや起業のきっかけをお聞かせください。


大学で情報通信について学び、そこで知った「アントレプレナー制度」に魅力を感じて、新卒でベンチャー企業に就職しました。太陽光発電システムの訪問販売に従事していたのですが、“いかに断られず効率的に実施できるか”というノウハウを分析・追及し、3か月で営業のナンバー1になりました。退社後は、EC店舗に特化した商社に勤め、ECの基礎や日本の流通システムに関する知識を身につけました。


当時は“ECバブル”で個人商店でも年商何十億円と稼ぐ人がいる時代でした。この商社では楽天のLP制作やメールマガジンで卸を担い、月に12通のメルマガの枠を取りに行きます。私は主にバイヤー業務に従事し、ここでも入社後3か月で営業トップの座を勝ち取りました。

その後、コンサルティングを担当していた店舗の売り上げ増加に貢献したことで、総合商社の卸事業の新規立ち上げに参加することになります。1年間、ネット通販に対する卸業務の事業責任者を担ったのち、退職しました。


ここから、私が立ち上げたり設立に携わったりした企業についてご説明します。

1.  株式会社AGS

 友人とともに設立した、芸能事務所のデザイナー版、つまり、「巨匠」に特化したデザイナーマネジメント事業を手がける会社です。65歳超のカメラマンや、ロゴデザイナーなど、有名ゆえに単価が高く営業しづらいデザイナーをマネジメントすることで、相場より安くオーダーできるサービスを確立しました。


2. 株式会社ファイブセンス

 2008年、代表取締役に就任。近代の日本の流通業において、マーケットインの重要性を軸としてメーカーの流通コンサルティング業に特化し、商品企画流通に関わりました。


3. 株式会社YYY

 大手新聞社グループの新規事業立ち上げに参加し、初年度4億円の売り上げに貢献しました。


4. 株式会LBI

 2012年、取締役に就任。投資と、投資先への業務コンサルティングを組み合わせる事業を確立しました。これまで流通コンサルティングを行う中で感じていた、戦略だけでは成長の限界が来てしまうという課題を乗り越えるため、外部の会社から資金を集め、金と人に投資しました。結果として、3年で450人規模に成長させることができました。業務の中心がマネジメントになっていた中、現場でお客様の成長に寄与したいという想いから起業しました。


5. 株式会社 Connecting the dots

 2014年に設立し代表取締役に就任しました。

 

6. RESALON

    共同創設。ヘアトリートメントサロンを展開しており、価格は6回で26万円です。額面30万円程の給与をもら  うOLがお客様の9割を占めます。広告費をゼロに抑えましたが、開業1年で新規予約が5年半待ちという人気です。
その理由は、従来の美容院では撮影しない後ろ姿をあえて写真に収め、お客様にLINEでお渡ししたことにあります。「美容リテラシーが高い」をアピールすることで、お客様が気合の入ったSNS投稿をしてくださり、お客様が倍々で増えていきました。たとえタレントの方がお客様だとしても、安売りすることなく、一人のお客様として対等に接したこともポイントです。

 


培ったノウハウを活かした“独自サービス”


 

--ご経験を活かし、複数社を設立されてきたのですね。現在、株式会社 Connecting the dotsでは主にSNSマーケティングを軸とした事業を展開されていますが、具体的な事業内容を教えてください。

当社のサービスには大きく分けて以下の4つがあります。


1. 商品プロデュースサービス

2. 流通コンサルティング事業
数多くの商品を見てきた中で「良い物」と「売れる物」は異なると感じています。コンサルティングの際は「日本においてどう上手く展開させるか」を常に意識しました。たとえば、価格設定、パッケージ、原価設定、事業予算・立案、銀行との交渉、キャッシュフローなどについてのアドバイスに留まることなく、営業も支援。ほかにも、代理店に依存しない広告にまつわるナレッジの提供や実行支援をしました。


3. SNSマーケティング(インスタバンク)

主にInstagramとLINEを使った企業の事業・商品・店舗の認知拡散に加え、新規事業、商品のプロデュース、流通戦略まで一貫したサポートを提供します。

当社では「B2C2Cをいかに加速させるか」をモットーとし、CPAやLTVを見ています。インフルエンサーを活用するよりも、「CtoC」に焦点を置き、消費者が距離感の近いフォロワーに拡散する方が影響力・伝達力があると考えているためです。商品を理解した上で、リピーターの属性や導線を徹底的にヒアリングし、戦略の立案と運用をしています。


4. LINE公式アカウントの運用代行サービス

LINEアカウントを拡張するASPを自社で開発しました。メルマガとLINEは共通点があります。売れる営業マンは個人情報を把握し、ペイン・課題を整理しますが、これをLINE ASPに応用し、登録導線や趣味嗜好・行動パターンを把握します。ソフトウェアの開発は外部委託です。

 

 

--貴社の独自の取り組みや強みはどのような点でしょうか。

当社では、新しいマーケティング理論をまず自社で検証・運用し、成功に至る方程式を完成させます。その上で、クライアントに提供します。私自身が有する豊富な経験を活かし、マーケティング会社でありながら実事業も展開しています。


また昨年には、偏差値40から医学部への合格を目指す「京都医塾」を買収しました。5月に事業を継続して、民事再生させました。こうしたオンライン上だけではない、‟リアル世界”の事業も手掛けています。


 

規模を追うよりも“社員・リアル世界への還元”を目指す


 

--ありがとうございます。今後の事業展望についてお伺いできますか。

Connecting the dots としては、私が培ったマーケティングの知見を社員に経験してもらいたいと考えています。規模を拡大していくよりも、社員に私がこれまで得た経験と知見を還元していきたいですね。


また、リアル世界の実業を理解したマーケティング会社は少ないので、その点は今後も当社の提供価値としていきたいと思っています。


個人としては、7年が最短記録とされている民事再生からの最短IPO・最速記録を作ることが目標です。京都地裁の民事再生の最速記録が40日間なので、それを上回りたいですね。借り入れなしで、かつ優秀な人材を残した状態で1期目で年商8億円を目指します。


 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?

経営者・決裁者の皆様には、皆様のサービスの集客・認知コストは必ず削減できるということをお伝えしたいです。私自身が事業を立ち上げ、失敗し、その経験から生み出したマーケティング方法でお手伝いできればと考えています。


 

--本日はどうもありがとうございました。


 

株式会社Connecting the dots
https://cdots.co.jp/

 


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プロフィール

株式会社Connecting the dots代表取締役

阿部 泰孝

【経歴】 大学卒業後、アントレプレナー制度に魅力を感じて営業系のベンチャー企業に就職。 その後、EC店舗に特化した商社に勤務し、ECの基礎や日本の流通について学ぶ。 入社後3か月で営業トップとなり、コンサルを担当していた店舗の売り上げ向上(平均500%UP)に貢献。 1年勤務後ヘッドハントを受け、総合商社の卸事業部の新規立ち上げに参加。 1年間で10億円を売り上げる部署に成長させ、友人と株式会社AGSを設立。 2008年には株式会社ファイブセンスの代表取締役に就任し、近代の日本の流通業においてマーケットインの重要性を重視し、メーカーの流通コンサル業に特化して商品企画流通に携わりました。 株式会社ファイブセンス売却後、株式会社YYYを設立し、大手新聞グループの新規事業立ち上げに参加、初年度で4億円の売り上げを達成しました。2012年には株式会社LBI(金融取引2種業)の取締役に就任し、投資だけでなく投資先への業務コンサルティングを組み合わせた事業を確立し、グループ年商78億円を達成しました。 2014年、株式会社Connecting the dotsを設立し、BtoCの戦略マーケティングに特化した事業を展開しました。 2021年、これからの世の中を見据えて医学部専門予備校に興味を持ち、株式会社TOPS京都(創業34年)を買収しました。 しかし、買収後に創業者による使途不明金、株式複数譲渡などが発覚し、18億円の資金流失が明らかになり、民事再生を余儀なくされました。 プレパッケージの手法を用いて、京都医塾株式会社として再建に成功。 現在は東京と京都を行き来しながらビジネスに取り組んでいます。 今までの豊富な事業経験と知見をベースに、生成AI技術を組み合わせた新しいマッチングサービスを立ち上げます。 【新サービスの特徴】 生成AI技術:企業の採用ニーズと学生の就活傾向をリンクさせるための自動改変システムを提供し、最適なマッチングを提供します。 大学生インターンの活用:生成AIに最も触れ慣れている大学生のインターンを集め、サービスの運営からイグジットまで実践的な経験を積んでもらいます。 豊富な事業経験:これまで私たちが行ってきた事業の立て直しやプロデュースの経験・知見を活かし、サービスの質を高めます。 このサービスは、僕自身のキャリアの第三章として、これまでの経験と時代のニーズを融合させたものです。学生がこのサービスを通じて自分のキャリアを築き上げ、最終的には成功へと導かれることを目指しています。

会社情報

株式会社Connecting the dots