ミュージシャンやユーチューバーが訪れるお店。洋服を介した出会いの場を大切にしたい

ミュージシャンやユーチューバーが訪れるお店。洋服を介した出会いの場を大切にしたい

株式会社colorless 代表取締役 浜中 健太郎

カテゴリ: 、従業員数:

2022.03.08

浜中 健太郎(はまなか・けんたろう)

株式会社カラーレス(英名:colorless.inc)代表取締役

1982年、函館生まれ。文化服装学院のテキスタイルデザイン科を卒業後、アッシュペーフランス、(株)スミスを経て2010年に原宿とんちゃん通りに仲間とセレクトショップutilityを立ち上げる。

現在は株式会社カラーレス代表取締役兼EFFECTENディレクターとして活躍する一方、飲食店やドッグウェアブランドのディレクションなども行う。誰が来てもまったりできる空間を提供するというのが、お店の特徴でありモットー。

世界が認めたファッションデザイナー高田賢三氏を排出したことで知られる文化服装学院を卒業。現在では、株式会社カラーレス代表取締役を務めると同時に仲間と立ち上げたストリートブランドEFFECTENのディレクターやデザイナーとしても活躍されています。またインスタグラムには、「洋服とお酒・音楽をこよなく愛する集団」といったキャッチコピーで写真の投稿もされています。今回は、さまざまな活動を精力的にこなされている浜中さんにお話を伺いました。



世界が認めたファッションデザイナー高田賢三氏を排出した文化服装学院出身

 


--本日はよろしくお願いします。早速ですが、経歴のご紹介からお願いします。


文化服装学院という洋服の学校を卒業して、アッシュペーフランスという会社に就職しました。海外系や国内系の変わった紳士系のブランドを扱う会社でした。その後、バイヤーというポジションで、スミスという会社に転職しました。


スミスはストリート系の洋服やレディースを扱う会社で、50店舗ある中規模の洋服店でしたが、社長が突然いなくなってしまうという出来事も体験しました。倒産とか自己破産ではなく社長が行方をくらました、という状況でしたね。


当時私はナンバー3の立場でしたので、とりあえず通常業務をやるしかない!ということで業務を続行していたことを覚えています。しかし、さまざまな支払いが滞るようになってしまい、1店舗ずつ閉鎖に追い込まれるという状況に陥ってしまいました。


様々な出来事を経て、昔から漠然と考えていた起業を、馴染みのある原宿に店舗を借りてスタートしました。狭い業界ですので、会社の幹部として真摯に対応し、立ち振る舞っていなかったら今はなかったと思います。

 

--起業に踏み切ったきっかけは何でしょうか。


文化服装学院時代の同級生が、「そろそろ起業しようか」という話をしていたのです。それで私とその同級生、スミス時代の部下の3人で勢いで起業したというのがきっかけです。

 

世の流れをいち早くつかみ、事業に取り入れていく


 

--現在取り組まれている事業について、改めてご紹介をお願いします。

事業内容は、アパレルの小売事業と卸売り事業、通販業務、OEM事業、ドッグウェア事業などです。メインとなるのは店舗やオンラインによるオリジナルブランドの卸し売り販売です。


弊社のセレクトショップ売上の7〜8割はオリジナルブランドです。最近よくお声がけいただくお仕事は、youtuber関連です。ブランドを起こしたい・展開していきたいyoutuberと、商品生産やディレクションなどをおこなう仕事です。


そのほかにもミュージシャンの衣装も作成しております。様々なミュージシャンとコラボしまして、衣装やグッズを作成するなどの経験もございます。

 

--さまざまなお仕事に携わっていらっしゃるようですが、スタッフの人数は多いのでしょうか。


そこまで多くはありません。弊社ショップは2店舗ありますが、店舗以外にもオンライン販売もおこなっておりまして、そこでは衣装デザイン、生産、アーティストとのコラボ商品企画、ユーチューバーのブランドのお手伝いなどを5人で担当しております。


経緯としては、創業当初は3人でスタートしました。その2年後に2店舗目を原宿に立ち上げ、そのタイミングで4人目の仲間を迎え入れました。さらに2016年頃に、会社の勢いと共にもう1人を迎え入れ、現在の体制となっています。

 

--事業のターゲット層についてお伺いできますか。


主に20代前半〜後半に向けたモノづくりや魅せ方に注力しております。実際に購入されるお客様はターゲット層よりも幅が広く、10代から40代まで幅広い年齢層となっております。SNSの登場やファストファッションの流行などで、オシャレに対する感度が底上げされたように思います。


この業界は情報を常に追っていないと戦っていけない業界であると感じています。私どものブランドの価格帯は決して安くありません。とりわけファストファッションといった比較的安価なブランドが多い中、いかに私どものブランドをお使いいただくか、ということを強く意識してブランディングに取り組んでおります。

 

--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。

創業してから退職者がいない!というのが強みだと感じています。

実は新型コロナウイルスが流行する前は「もう1人雇用する」という話が出ていましたが、慎重に判断して進めていく方針をとったため、現状雇用者は増やしておりません。


他の強みとしましては、会社や仕事自体にルールがないことも強みだと考えています。


販売が得意であるとか、裏方に回ってマーケティングをするのが得意であるなど、各々の得意分野を活かした役割分担が弊社には存在しません。

全員が独自の発想に基づいて、新しい動きや異なった動きをしています。現状ではそれが功を奏しているという感じです。各々が自分で考えて動いていくこのスタイルがプラスに働き、コロナ禍でも売上を落とさずに進んでくることができております。


さらに、弊社では若いスタッフも意見をどんどん出してくれています。少年漫画のキャラクターのように、新鮮で影響力の強い意見を出してくれるスタッフたちの存在自体が、私どもの強みです。

今の20代は将来へのビジョンが明確だったり、考え方や発想力が豊かだなと感じます。アナログ世代ではなくスマホ世代の強みといえるかもしれません。特に情報を得るスピードが速く、彼らからも刺激をもらいながら働く環境ができています。



お店はお客様との良きコミュニケーション空間
 


--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。


弊社では実店舗が2店舗とオンライン販売が中心ですが、現在のメンバーで続けるには人手が足りずそろそろ限界かなと思っています。優秀で発想力が豊かなメンバーがあと2〜3人集まったタイミングで店舗増設も検討しているところです。

発想力が豊かな面白い人材というのは、キャラクターが強くて、事業の戦略も考えられる人のことを指しています。情報感度や感情感度が高くて、周りのメンバーの性格を理解できる人が理想です。


これからはSNSで宣伝して商品を売るより、個性的な人材を雇うことで、お客様が「その店舗に行ってみたい!」と思える仕組みを作っていきたいと考えています。
 

現在は新型コロナウイルスの影響で閉店しているところが増えています。この状況を逆手に取ると、店舗が減少した分、需要が生まれる可能性があるとも考えられます。新しいお店のあり方を目指して、今までとは全く違うショップメインのお店を今後4〜5店舗作っていきたいですね。


弊社の店舗は、スタッフのキャラクター性で商品を販売しているのが強みです。弊社の店舗には、ミュージシャンやyotuberなど、さまざまな方が来店しております。お客様とお話する中で、洋服を介して新しい出会いが生まれる「出会いの場」になっているところも魅力です。店に訪れる仲間の1人になりたいというお客様も多くいらっしゃいます。


今はコロナ禍ですので直接会う機会は減っていますが、今後も洋服を介して新たな出会いの場を作っていきたい、強みを出していきたいと思っています。


 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?


youtuberの会社や会社経営をされている方と私共のユーティリティとで、「こうやったら面白いことができる」といった何かしらのご提案をいただければと思います。また、アパレル業界とは違う業種の方ともお話してみたいですね。

というのも、同じアパレル業界の人と話しても、今までの価値観を超えるのは難しいと思っているからです。

色々な業界の方が弊社に興味を持っていただけると幸いです。


 

--本日はどうもありがとうございました。

 


株式会社カラーレス(英名:colorless.inc)

https://www.utility-harajuku.jp/
 


Professional Onlineでは無料で経営者インタビューに掲載いただける方を募集しています。

お問い合わせフォームよりご連絡ください。

詳細の説明はこちら
SHARE
COPYLINK

プロフィール

株式会社colorless代表取締役

浜中 健太郎

会社情報