坂牧 毅(さかまき・つよし)
株式会社CFPコンサルティング 代表取締役社長
早稲田大学卒業後、外資系アパレルブランドのフェラガモジャパンへ入社。その後、韓国最大のデジタルマーケティング会社へ転職し、広告営業および広告運用の責任者として営業組織と運用体制の構築を担当。売上を入社当初から数倍に伸長させ、爆速成長に貢献する。2010年5月に株式会社CFPコンサルティングを立ち上げた。
広告運用と聞くと専門職のような難しいイメージを持つ方が多いですが、オンラインで売る方法はいたってシンプルです。今回は「誰に」「何を」「どうやって」売るのか、カスタマージャーニーを徹底的に把握して効果の最大化を図る株式会社CFPコンサルティングの坂牧様にお話をお伺いしました。
「自分ならもっとよくできる」クライアントファーストの経営戦略で起業へ
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、坂牧さんの起業されたまでの経緯をお聞かせください。
早稲田大学商学部卒業後、イタリアのラグジュアリーブランドのフェラガモジャパンへ入社し、販売・営業活動に従事しました。しかし、商品のラインナップや顧客ターゲットに対してどのような物を作るかなど、社の方向性の意思決定をするのがイタリアの本社であることに徐々に歯がゆい気持ちを感じるようになったのです。外資系なので仕方がなかったのですが、より良くしたいという気持ちがあるがゆえに非常に悔しい思いをしましたね。
そこでこれから伸びそうな業界にいきたいと考え、当時、韓国最大のwebマーケティング会社であるEMネットに転職しました。広告営業および広告運用の責任者として営業組織と運用体制の構築を担当し、売上を入社当初から数倍に伸長させ、爆速成長と表現されるほどでした。入社から3年弱で日本のナンバー3くらいのポジションとなり、事業を統括できる立場だったのですが、ある出来事をきっかけに退職することになったのです。
退職のための引継ぎ作業と並行して知人と会社を作ることになり、その準備を行っていたのですが、結局方向性の違いから改めて自分で会社を立ち上げることにしました。それが株式会社CFPコンサルティングです。
会社名の由来はクライアントファースト主義(顧客第一主義)からきております。今の若い経営者と話していて本当にすごいと思うのは、みなさんしっかりと起業の本質やファイナンスを知った上で会社を立ち上げていることです。弊社を立ち上げた当時の私は正直、事業しか知らず、管理部門の作り方、ファイナンスの使い方もわかりませんでした。そこで当時の自分に何ができるかを考えた結果、導き出したのがクライアントファースト主義だったのです。
また、前職とコンフリクトを起こさない分野で事業をしたかったので、設立当初は運用チームの立ち上げやオペレーションなどのコンサルティング事業からスタートしたことから株式会社CFPコンサルティングと名付けました。
他にはないオリジナリティ溢れる運用で満足のいく成果を
--貴社の事業に関しまして、改めてご説明をお願いいたします。
弊社はGoogleやFacebookなどのオンライン媒体で広告運用を行っています。双方の認定代理店でもあり、大きく3つの事業を展開しております。
・オンライン広告代理店事業
データ分析を行ったうえでリスティングでの広告運用を行い、デジタルマーケティングのコンサルティングを行っています。
・web制作事業
オンライン広告を行うにあたり、効果が期待できるバナー、webページのデザインから構築までを行っています。
・ソリューション開発事業
オンライン広告で最も大切なカスタマージャーニーを把握するため、使用するべきソリューションツールの開発を行っています。
なかでもソリューション開発事業には注力しており、他の代理店が行っていない領域で展開しています。オンライン広告の会社にもいくつか種類がありますが、弊社はデジタルの総合代理店のようなイメージです。
広告運用には元々自信があり、GoogleやFacebookから高い評価を得ているのですが、時代が変わっていくなかで運用方法も変わってきました。現在ではオペレーションの部分はほとんど自動化しており、作り込む設計の部分「コンサルケーションの領域」に注力しています。今となっては広告代理店にデザイナーがいることは当たり前ですが、10年前はそうではありませんでした。
そのため弊社は差別化を図ろうと代理店が持っていない人材(デザイナー)を採用し、クリエイティブに特化することで新たなマーケティング方法を開拓してきました。
媒体各社から運用技術の高さ、細やかさをご評価いただくことが多い弊社ですが、実際に多くの時間と労力が注がれているのはマーケティングリサーチに基づいた設計、つまり「誰に」「何を」「どのように」伝えれば「選ばれる理由」に足り得るのか捻り出すところです。どんなに捻り出そうとしても「選ばれる理由」が出てこない時にはその事実を率直にクライアントに伝えて一緒に創り出してしまうちょっとお節介な会社でもあります。
弊社は「売る技術」ではなく「売れる理由を創り出す技術」を提供する会社なのです。
--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
クリエイティブでの強みはユーザーの課題感を見定め、どのような絞り込みプロセスを抱いてるかを算出することを非常に重要視していることです。ユーザーアンケートや有料ツールを使って、行動履歴を線状で把握するよう徹底し、明確に言語化して社内共有しています。その後、クリエイティブに落とし込み、効果の最大化を図っています。
弊社の広告運用の独自性は顧客が満足していただけるような成果を出すために社員が提供すべきサービスレベルを定め、ルールとして明確化していることです。お客さまごとに社員が最低限のサービスを提供しているかどうかを完遂率という形で計算しており、人事評価にも組み入れているため、常に90%以上で運用ができています。有料ツールによる可視化に加え、社員が責任を持った運用を行うことで精度の高い広告運用が実現できており、1顧客あたりの運用工数は業界のなかでもトップクラスです。
他社優位性のあるフィールドの確立でより選ばれる代理店へ
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
弊社はネット広告、デジタルマーケティングのなかでも、デジタル総合代理店ではあるものの、大手企業も多くいるなかで、同じフィールドで戦うのが難しいのは確かです。そこで弊社は、局地戦で圧倒的な存在になりたいと考えています。
弊社が大手企業に打ち勝つ打開策として考えているのは薬機法などが必要になる分野のように審査が難しいマーケットに完全特化して、そこのフィールドにおける圧倒的覇者になることです。また、これまで総合代理店として事業を推進してきましたので、提供できるアセットは多くあります。そのため、マーケットを細かく切って、広告運用はもちろんクリエイティブの提供、データの可視化(BIツール)の提供など、戦っていくフィールドを増やすことも検討しています。
昨年の資生堂の発表に象徴されるように、これまでテレビを中心としていた広告をデジタルにシフトしていく動きが加速しています。弊社のようなデジタルサイドの会社にとってはチャンスだと感じますね。
また、優秀な人を採用して育成し、彼らが活躍し、辞めないような仕組み、バリューを会社として実現することにも取り組んでいます。
--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
弊社はクライアントの事業計画に対して、ユーザーに対しどこまでのアプローチが必要かを定量化すること、そして必要なコミュニケーション施策の考案、オペレーションなど、事業を成功させるまでのプロセスの確立はどこにも負けません。特に広告出稿の媒体が少ない、または審査の問題でなかなか広告が出せずに悩んでいる企業様はぜひともご相談ください。
--本日はどうもありがとうございました。
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坂牧 毅
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