坂本 光正(さかもと みつまさ)
ブルースター株式会社 代表取締役
1985年大学在学中に富士通のパソコン同好会を設立し、活動を通じて体験版ソフトウェアの重要性を知る。同好会での活動では草の根BBSを利用して体験版を無料で利用できる体験版の作成と配布許諾を求めて活動。1987年神田泰典氏の誘いにより富士通と日商岩井株式会社(現 双日)との合弁のニフティサーブ上にデータライブラリの体験版の配布を開始。2003年同社を退社。自ら設立した日本初のネットマーケティング会社であるブルースター株式会社の社長に就任。
ビジネスを行う上で必要不可欠になったネット環境ですが、その分、情報漏洩などへの対策がより一層厳しく求められるようになりました。安心して使いやすい物をというニーズも増えていますが、どこに相談すればいいか分からない方もいらっしゃると思います。今回はネットの創成期から現在まで見守り続けてきたブルースター株式会社、代表取締役社長の坂本様にお話を伺いました。
社内起業としてブルースター株式会社を設立
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、坂本さんが起業されたきっかけをお聞かせください。
大学時代に富士通のパソコンを使ったパソコン同好会を設立し、富士通公認となったことから社員の方々やソフトハウスなど業界の人とのつながりを作りました。
富士通と日商岩井株式会社(現 双日)がニフティーサーブという新しいコミュニティができたことで同好会を解散し、縁があって日商岩井株式会社(現 双日)することになり、会社員生活がスタートしたのです。
普段は会社で働きながら、社内ベンチャーという形で設立したブルースター株式会社でも仕事を行うという2重の仕事をする形をとりました。
パソコンベンダーから生まれたセキュリティソフト「PC Matic」
--現在セキュリティ事業を中心に事業展開されていると思いますが、改めてご説明をお願い致します。
日商岩井時代には社内ベンダーで米国Gateway社のパソコンを輸入するプロジェクトを立ち上げました。当時は国産のパソコンが100万円以上という価格であり、適正価格で販売したいという思いがあったためです。
Gateway社はパソコンを発売したあと、ハードウェアに問題がないのにもかかわらず、長年使っていると不具合を申し出る顧客が後を絶たず、なにか解決する方策はないだろうかと悩んでいました。
そこで当時普及し始めてきたインターネットを利用し、パソコンの現状診断を行い、顧客サポートに役立てる仕組みができないかと研究を開始しました。
この研究成果をもとに開発され、同社のCMOであった者を中心に独立して設立されたパソコンメンテナンス機能をもったセキュリティソフト「PC Matic」の日本での販売を2010年から担っています。30年以上の付き合いになります。
PC Maticの法人版は全世界で5000社が導入しており、政府機関や病院、大学といった個人情報を取り扱う業界にも多く対応可能です。
その他にも弊社では
●ICT分野事業の事業計画立案・設計・監査・運用支援および顧問サービス
●情報通信関連商品の輸入販売事業
●広告代理店業務(WEB/TV)
●海外ICTソリューション企業の日本進出支援
●子会社・関連会社等の出資会社への統括管理
●M&Aアドバイザリー(中小企業庁 M&A支援機関登録済み)
などのサービスを長年行っております。
-この製品の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
PC Maticは、未調査のすべての実行可能ファイルをマルウェア分析官の手で、新種や亜種のマルウェアが存在していないか科学捜査(デジタルフォレンジック)を行い、善良と判断されたもののみを実行可能とすることで、すべての新種マルウェアを阻止します。パソコン内で監査しないため、パソコン操作が重くなってしまうようなこともありません。
この考えは、昨今では「プロアクティブ・セキュリティ」という呼称で、対処療法的なセキュリティではなく、「そもそも感染しない仕組み」にするという方式です。OSがその汎用的な機能をプログラムに提供しなければ、マルウェアですらOS上で活動することができないからです。
そしてこの方式は、米国政府と取引のある企業に対して米国国防総省がNIST(日本のJIS)で、CMMC(サイバーセキュリティ成熟度モデル認証)の最高レベルとして規定されました。それほどセキュリティ面がしっかりしているソフトになります。
PC Matic社の上場を目指し事業を展開
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
この米国の会社を上場スキームに乗せてより公益的な企業へ発展させて行ければと考えています。そこに向けて既にCFOを雇用し、資金調達準備に入っています。感染しないことがセールスポイントであるプロアクティブ・セキュリティ製品は、まだ市場に少ないため、おそらくですが時価総額が跳ね上がるのでは、と思います。
反対に課題については、日本法人をどう作るかというスキームを考えることですね。
-最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
昨今、さまざまな物がデジタル化され始めているなかで、企業の情報保護について今一度真剣に考えていただく必要があります。情報保護のためにもウイルスに感染しないセキュリティソフトの導入を検討していただけたらと思います。
--本日はありがとうございました。
ブルースター株式会社
https://https://www.blue.co.jp/
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坂本 光正
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