森田 憲久 (もりた・のりひさ)
株式会社Beer and Tech 代表取締役
1981年埼玉県の胡蝶蘭の生産者のもとに生まれ、明治大学商学部卒業後2005年に社員が10名ほどのインターネット広告代理店に入社し、約10年間勤務。途中、グロービス経営大学院に入学し、会社では営業統括として会社の成長を牽引。大学院を卒業後MBA取得を機に退職し株式会社Beer and Techを創業。
飲食店予約サービス「スマート予約」をリリースし、Beer and Tech創業時の事業内容として打ち立つも1~2年で事業撤退して15年12月末に植物ECサイト「HitoHana(ひとはな)」をリリースするという、非常に展開が早い企業。今回は、鮮度の良さとバリエーション豊富なデザインが人気となり、どのようなお花になるのかわかりやすいことからも注目度がアップしている、株式会社Beer and Tech代表取締役の森田様にお話を伺いました。
飲食店予約サービスから植物ECサイトへ
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、森田さんが起業されたきっかけをお聞かせください。
明治大学商学部卒業後、2005年に社員が10名いないくらいのインターネット広告代理店に入社し、約10年間勤務しました。途中、グロービス経営大学院に入学して、営業統括として会社の成長を牽引してきました。大学院を卒業したあとはMBA取得を機に退職し、株式会社Beer and Techを創業しました。
2014年8月には飲食店予約サービス「スマート予約」をリリースし、Beer and Tech創業時に事業内容として打ち立てましたが、事業が伸び悩み15年9月に事業撤退をし、再度事業アイディアを練り直しました。
そこから2015年12月末に植物ECサイト「HitoHana(ひとはな)」をリリースし、サービス展開している形になっています。
--どういった理由から植物ECサイトに着目されたのでしょうか。
会社を継続しながら、社員もいる中で1か月でピボットしなければならなかったので、綿密に練られ、洗練されたアイデアを生み出すことが難しく、また生み出したアイデアは業界の人に話を聞くと、必ず障壁があって振り出しに戻ることが多く、1000個くらい考えたアイデアは全てボツになりました。
考え方を変えてみたところ、一次産業の流通を変えることに着目し、ECなら一次産業を活性化できるのではないかと考えました。魚の流通や食品なども取り扱い、それなりに成果は上がりました。しかし飲食などは競合環境が厳しかったので、競合他社の少ないところに目をつけてピボットしたという流れです。
バリエーション豊富で鮮度の良いお花を届ける
--現在ECサイト運営事業を中心に事業展開されていると思いますが、改めてご説明をお願い致します。
フラワー&グリーン通販『HitoHana』を運営しています。SPAなど企画から配送までを自社で請け負っています。通常、競合企業の場合はお店に加盟店になってもらい、提携店から出荷するサービスを行うことが多いです。ですが、お店を介していると、デザインや鮮度のコントロールなどを加盟店が実行しなければならず、花の種類など品質の保証が難しいです。
そのような仕組みの場合、全国で同じレベルにするためには妥協せざるをえません。それではお客様側からすると、寂しい気分になってしまうため、弊社では自分たちでオペレーションできるシステムを作って事業を運営しています。
弊社サービスは900〜5,000円で利用することができ、もっともユーザーが多いのが1,500円のサブスクリプションです。金額によって花のボリュームが変わっていきます。
エリアとしては基本的に全国を対象にしていますが、定期便に関しては本州と四国までを対象にしています。花には鮮度があるので、より良い品質を届けるために地域を限っています。
--貴社の独自性や強みについてお伺いできますでしょうか。
花もグリーンもすごく種類・品種があり、生物なので品質を保つのが難しく、また在庫を確保することも難しいものです。作る人によって価値が変わってしまう商材でもあります。そのため、そのような生物の幅広いバリエーションを使う企業は少ないです。花の色を選びたいというニーズはあるのに、それが可能なサービスがないと言っても良いくらいです。
一方で、我々はそれを可能にしていることが強みです。レシピ組みをしてデータを作り、お客様の望みに合わせて柔軟なバリエーションを持って対応できることが強み、独自性だと思います。
お花は作るものが人によって異なっていたり、希望品種が入荷しないなど安心して買うことが難しい商材です。豊富なバリエーションとどのような物ができるか見てわかる安心感を設計したサイトになっています。
在庫数をリアルタイムカウントできるようなシステム連動
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか。
リアルタイムに在庫数のカウントができる仕組みをシステムと連動した形で作らなければならないと思っています。
SPAの業界なので、自分たちでオペレーションを抱えています。「バラの花束を欲しい」と言われても、市場で仕入れた後でしか販売できないので、仕入れ後なら届け日をお知らせすることができますが、仕入れ前だと対応が難しいです。
特に、母の日は多くの注文を受けるため、作りきれる分がすぐに売れてしまい、すぐに受注を止めてしまいます。買いたいのに買えなかったお客様が多くいらっしゃることもわかっています。そういった方々にもお届けできるように、圧倒的な生産性で商品を作れるような工夫をしていきたいと思っています。
生産者との直接のやりとりも実現させて、よりダイレクトに鮮度が良い状態でお客様にお届けできるような、市場に頼らない流通を構築したいと考えています。
--反対に現在感じている課題はありますか。
たくさんオーダーをいただく中で、どうやって注文を締め切らないようにするかというのが課題だと思います。
お花のバリエーションを増やしていくことで、同じお花をたくさん欲しいと言われたときに、国内の産地さんに断られたり無理をしてもらうこともあるので、サプライチェーンを広げていかなければならないと思っています。
--ありがとうございます。最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
お花の定期便を自社のユーザーに広めたいという方を探しています。クーポンや利用者に福利厚生としてお花を届けたいなど、そのような希望があれば是非利用していただきたいです。
法人として自社でお花を送っている企業様には是非うちのサイトをのぞいていただきたいと思っています。送り先によってインテリアや雰囲気などに合った好みのお花や観葉植物を望む方もいらっしゃいます。その都度業者を使い分けている法人様もいらっしゃいますが、当社のサイトでしたら花から観葉植物まで全部入っています。
特に観葉植物を望む企業様のニーズは増えています。気の利いたものを送りたい場合など、種類は2万点あり、デザインもかなり自由に選べますし、価格帯も豊富なのでとても便利に使っていただけるのではないかと思っています。
--本日はどうもありがとうございました。
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