IT業界の営業支援とヘルスケア事業の二本柱で、「年を重ねてもやりたいことができる社会」を実現する

IT業界の営業支援とヘルスケア事業の二本柱で、「年を重ねてもやりたいことができる社会」を実現する

BCC株式会社 代表取締役社長 伊藤一彦

カテゴリ: IT・情報通信、従業員数: 101人〜300人

2021.10.15

伊藤 一彦(いとう・かずひこ)

BCC株式会社 代表取締役社長

 

1998年、大阪市立大学卒業、日本電気株式会社(NEC)入社。IT営業を経験した後に、ベンチャー企業を経て、2002年に営業創造株式会社(現BCC株式会社)を創業。2012年にスマイル・プラス株式会社との資本提携によりヘルスケア事業に参入。2016年のグループ統合を機に現在の「BCC株式会社」へ社名変更。2021年7月、東証マザーズ上場。2018年より大阪市立大学医学研究科客員教授も務めている。

 

 

NECやベンチャー企業で感じた問題点を胸に設立されたBCC株式会社(設立当時の社名は営業創造株式会社)。IT企業の営業支援と介護ビジネスという、一見接点のないように見える二つの事業には、「年を重ねてもやりたいことができる社会を実現する」という共通した世界観がありました。会社設立の経緯や事業内容、今後の展望について、BCC株式会社代表取締役社長の伊藤様にお話をお伺いしました。

 

 

NECやベンチャー企業を経て独立へ 

--本日はよろしくお願いします。早速ですが、伊藤様のこれまでの経歴とBCC社の設立に至った経緯をお聞かせいただけますでしょうか。

 

私が独立したのは27歳の時でした。学生時代は理系で、当時は学校の先生になりたいと思っていたのです。しかし家庭教師の派遣会社の手伝いをしていた際に、20代の社長に会う機会がありました。そこで若くして独立する、そういった世界があることに気付き、自分もチャレンジしたいと考えるようになりました。

 

ただ、いきなり独立する自信はなかったため、大学卒業後はNECに営業として入社しました。NECを選んだのは今後IT業界が伸びると考えたためです。

 

しかし入社して営業の仕事を始めてみると、エンジニアがフォーカスされていて営業は蔑ろにされているように感じました。さらに言えば、営業にはPM(プロジェクト・マネージャー)のようなスキルも必要だったのですが、そうしたスキルを身に付ける環境が整っていないことにも疑問を抱くようになったのです。

 

ただ、NECは非常に良い会社だったのですぐには辞められませんでした。独立したのはNECを退職してベンチャー企業を経験してからです。そのベンチャー企業においても、教育システムが確立されておらず、疑問を感じていました。

 

 

圧倒的な教育スピードで業界未経験者を戦力に

 --NECやベンチャー企業での経験を踏まえて、起業に踏み切られたのですね。ここで貴社の事業内容について改めてお伺いできますでしょうか。

 

当社は二つの事業を軸としています。

 

・IT営業アウトソーシング事業

 営業アウトソーシング事業:大手IT企業に営業人材を派遣。現在、従業員180名のうち100名以上を派遣中

 ソリューション事業:中小企業に対し、大手IT企業のサービスを仲介する代理店業

 

・ヘルスケアビジネス事業

 介護レクリエーション事業:認定者数3万人の「レクリエーション介護士」という資格の運営

 ヘルスケア支援事業:ヘルスケア分野への参入支援とヘルスケア関連施設の運営受託

 

 

--ITと介護の二つの事業を展開されているのですね。まずは営業アウトソーシング事業の強みについてお伺いさせてください。

 

当社の強みは、社員の教育スピードです。意外に思われるかもしれませんが、実は当社が派遣している社員のうち7割近くが女性で、約8割がIT業界未経験で入社した方たちです。その方々に対して、2か月間でビジネスマナーから営業のスキルまで徹底してレクチャーを行い、大手企業の営業ができるレベルに育成します。

 

私自身が教育環境が整っていないことに問題意識があって起業したという経緯があり、この事業は創業以来19年取り組みを続け、まさに今花開いた段階です。

 

 

--業界未経験の方々をたった2ヶ月で、大手企業の営業ができるように教育するスピード感に驚きました。教育にあたって大切なことは何だとお考えでしょうか。

 

一番大切なことは、実際に一つの商品を売り切れるようになるまで育てることだと思います。自分でアポイントメントを取って一つの商品が売れるようになったら、商品が変わっても対応できるようになります。業界未経験の社員でも、ITの知識よりも営業スキルを最短で身に付けることの方が大事だと考えています。

 

たとえばNEC様の営業をする場合は、お客様に対する商品の細かな説明はNEC様の社員にしていただいています。もちろん当社の社員はその商品を最終的に販売するためにNEC様から教育を受けていますが、商品の細かな説明に関しては、NEC様の社員の方がされた方がより適切です。そのため、ITの知識は最低限のものを広く浅く学ぶので構わないと考えています。

 

 

--知識よりも営業スキルを磨く方が大切ということですね。どのような企業様が貴社の営業支援サービスをうまく活用されていたり、相性が良いとお考えでしょうか。

 

よくご利用いただいているのはIIJ様やNTT様といったキャリア及びその関連会社ですね。リモート環境を構築したいというニーズが最近は多いので、こういった企業様には当社のサービスをうまく使っていただいています。

 

リモートワークの広がりで、ビデオ会議システムや、在宅で仕事をするためのセキュリティサービスの取り扱いが増えています。特にセキュリティサービスは、商品数も増えていますし、企業側の意識も高まっている印象があります。

 

 

「人を支える人」を支える

--ここからはもう一つの事業であるヘルスケアビジネス事業、特にその中の介護レクリエーション事業についてお伺いします。事業の強みについてお伺いする前に、まずは先ほど伺ったIT企業の営業支援事業とは直接の接点がないように見える介護領域に進出した背景を教えていただけますでしょうか。

 

介護領域に進出したのは、2012年に当社の前身である「営業創造株式会社」がスマイル・プラスという介護領域でビジネスを展開している会社をM&Aしたのがきっかけです。

 

スマイル・プラスでは「介護レク広場」というwebサイトで、全国の介護福祉施設で働く方のために塗り絵や計算問題など、介護レクリエーションでご利用いただける素材を提供していました。

 

介護レクリエーションとは、高齢者の生きる喜びや楽しみを見出す活動で、全国に30万所ある介護福祉施設のうち8割で毎日実施されています。これが介護の現場の方にとっては中々負担が大きく、そこでその方々をサポートするためにできたのが「介護レク広場」のサービスで、5万人を超えるユーザー様に使っていただいていました。

 

そして「介護レク広場」のユーザー様の声に応えて、当社が作ったものが「レクリエーション介護士」という資格です。これまでに3万人の方に「レクリエーション介護士」の資格を取っていただいています。

 

 

--M&Aを通して介護の分野に参入されたのですね。それでは改めて介護レクリエーション事業の強みと、この事業で貴社が目指していることを教えていただけますか。

 

当社の介護レクリエーション事業の強みは、「介護レク広場」と「レクリエーション介護士」、合わせて8万人の介護現場で働く方々と繋がりを持つことです。

一方で当社は、IIJ様やNEC様と言った大手企業とのつながりもあります。そこでその両方を当社がマッチさせて、介護ロボットやヘルスケアIoTなど、介護現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援したいというのが当社が目指していることです。

 

介護業界のDXは遅れており、たとえば介護ロボットやコミュニケーションロボットを導入しようにも、ネット環境が整っていない介護事業所も結構あります。その点、当社はITの知識も中小企業への営業のノウハウもありますのでお役に立てると考えています。

 

介護はやはり大変な仕事なので、そこで働いている人をお手伝いしたい、「人を支える人」を支えるというのが当社のヘルスケア事業の理念でもあります。

 

 

年を重ねてもやりたいことができる社会を実現するために

 

--介護レクリエーション事業を通して、介護領域でのDXの基盤を作っていくということですね。今後、サービスの提供を通して実現したい世界観や今後の展望をお聞かせいただけますと幸いです。

 

私たち自身が年齢を重ねたときに、住み慣れた場所で豊かな生活を過ごせる社会を実現していきたいと考えています。そのためには、高齢者を支える人が足りないという点を技術で補わなければなりませんから、ヘルスケア分野でDX化は不可欠です。

 

フィンランドやスウェーデンには平均年齢が70歳を超えるeスポーツのプロチームがあります。まさにそのようなイメージで、年をとってもやりたいことをやる、そういう社会を実現できたらと考えています。

 

 

 

--本日はありがとうございました。

 

 

 

BCC株式会社
https://www.e-bcc.jp/

 

 

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