國則圭太(くにのり・けいた)
株式会社アッタデザイン 代表取締役
大学卒業後、デザイン専門学校を経て広告制作プロダクションに入社し、グラフィックデザイナーとして様々な制作に携わる。その後転職を経て大手イベント制作会社に勤務するも、自分の理念を貫くために起業を決意、2015年7月に株式会社アッタデザイン創業。2019年11月にフルオーダー制の絵本ギフトサービスをリリース。2021年11月30日に世界初3Dアバターを利用したパーソナライズ絵本ギフト「ÉHON INC.」をリリース。(特許出願中)
厳しい状況下にある出版市場において「絵本」を主力とした児童書は唯一売り上げを伸ばしており、パーソナライズ絵本の需要は日本国内に限らず国際規模で高まっています。「コミュニケーションを豊かにしたい」というビジョンのもと、日本でもかなり早い段階で将来性の見込まれる絵本事業に踏み切った背景や現在の発展について、株式会社アッタデザイン代表取締役、國則様にお話を伺いました。
大切な家族と過ごすなかでの気付きから起業へ
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、國則さんのこれまでのキャリアや起業のきっかけをお聞かせください。
大学卒業後、デザイン専門学校を経て、広告制作プロダクションに入社しました。そこでは、グラフィックデザイナーとしてSPツールやカタログ、広告、映像制作、イベントブースデザインなどの制作に携わっていました。
転職後は少し方向性を変え、イベント制作会社にて空間デザイナーとして数々のイベントを担当していました。そのおかげで次第に仕事の幅も広がり、某テレビ局夏イベントのブース&グラフィックデザインや、某テレビ局社屋のアトリウムリニューアルデザインも担当しました。
その後の転職先である大手ゲーム会社では、オフラインイベントのクリエイティブディレクターとして全てのデザインを担当し、日本最大規模であるトータル10,000人/日を動員した経験もあります。非常に貴重な経験でした。
--クリエイティブディレクターとして活躍されている中で、どういった心境から独立して起業しようと決意なさったのですか。
実を言うと、最初は起業する気は一切なくサラリーマンデザイナーとして一生を過ごすキャリアを想定していました。転機となったのは2014年の転職で、私は直接顧客の顔が見れるBtoBtoCの事業に関わりたいという想いからイベント会社に入社しました。そこでは多様な企業のWebデザイン、イベント、広告制作、ブランディング等に携わることができ、様々な経験を積むことができました。
しかし、非常に多忙な日々を過ごしており、ひどい時は70時間一切睡眠を取らない日もありました。結婚、育児の時期が重なったこともあり家族との向き合い方について考えた結果、自分のライフスタイルに合わせて働くことが出来るように起業するという決断をして、2015年7月に株式会社アッタデザインを設立しました。
世界で一つの完全オリジナル絵本作成サービスでいつもとはちょっと違った贈り物を
--現在Webデザインをはじめとしたクリエイティブな事業を中心に事業展開されていると思いますが、貴社の新規事業について詳細にお伺いできますか?
当社が展開するフルオーダー絵本サービスは、お客様から受けたオーダーを元に登場キャラクターやストーリーを設定し、世界でひとつのオリジナル絵本をお届けするものです。
特徴は大きく2点あり、1点目はお客様自身や皆様の大切な人やモノ・場所などを絵本に登場させるために、お客様だけのためにイラストを書き起こすことです。思い出や今はもう存在しないモノなど、絵本として形に残すことでいつでもその存在を感じることが出来ます。
2点目は高品質印刷とこだわりのパッケージです。1冊のご注文からでも丁寧な印刷と製本を行い、専用のギフトパッケージでお届けします。贈る場面や相手に合わせてオーダーできるため、より心のこもったプレゼントになると思います。
--非常に思いやりの深いサービスですね。サービス立ち上げの背景についても教えていただけますか?
コミュニケーションツールはあるもののしっかり家族と向きあえているのかーー。
自身が仕事で多忙になるあまり子供と遊べず、自分の家族と向き合えていないことについて悩んだ時期がありました。子供たちとの時間が仕事のせいで取れないことは親として非常に辛いことです。
そんな中、絵本の読み聞かせを通して子供との距離を縮めることができ、さらに子供自身が主人公になって絵本の中に入れるようになればより楽しんでもらえるのではないかとひらめきました。このように、絵本を通じて人と人の距離を縮めることができたらという想いからこのサービスを始めました。
--人との距離を縮めるためにも具体的にどのようなことをされているのでしょうか。現在取り組まれている事業について詳細をお聞かせいただけますか。
2019年11月にフルオーダー制の絵本プランをリリースし、多くのお客様にご利用いただいています。現在はよりリーズナブルに楽しんでもらえるようなプランを計画しており、例えばアバター絵本という、約50万通りの組み合わせの中から自分だけのアバターを作成して主人公に設定できる絵本があります。桃太郎、シンデレラなどの親しみやすいストーリーの主人公に自分を設定できることが特徴で、シリーズ化を目指して特許を出願中です。
ニーズ調査にも力を入れ、資金調達も兼ねてクラウドファンディングをしたところ目標の200万円を3日で達成し、最終的には300万円以上のご協力をいただくことができました。さらに国からの支援としてものづくり補助金を受けることができたことからも、パーソナル絵本の需要は高いことが分かるかと思います。また、ストーリー構成力のあるテレビプロデューサー、絵本作家との交流を通して画力のある有名クリエイターを起用し、クオリティの高い絵本を作成することにも力を入れています。
--このサービスはどういった使い方ができるとお考えですか。
率直に言うと、完全オーダー制の絵本の使い方は無限の方法があると思います。今は主に家族向けにサービスを展開しており、出産祝い、両親の出会い、お子様の成長など形に残らないストーリーを記録に残す手段としてオーダーを受けることが多いです。
さらに企業の新しいブランディング方法や採用、団体活動のPRにも使っていただくことができます。ストーリー性を生かしてビジネスモデルや経営方針を伝えることによって、読者の方々にとってより心に響くアピールをすることが可能です。
ÉHONを贈る文化の創造を目指して、多くの人の日常を豊かにしたい
--今後の中長期的な事業展望についてお伺いできますか
私たちが目指すのは、大切な人との心を繋ぐÉHONを贈る文化を作ることです。自分の家族、祖父母、友人など大切な人に、「ありがとう」「ごめんね」など素直な気持ちを伝えることは普段なかなかできません。
しかし想いを伝えるという行為は大切な人との距離をグッと近づけ、豊かな毎日をもたらしてくれます。お客様が大切な人に想いを伝えるお手伝いができればこんなに嬉しいことはありません。絵本というアナログな手段だからこそ感じることができる温かさを皆様にお伝えすることで、絵本の価値を高め、大切な節目に贈り合う文化を創りたいと思っています。
--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
当社でオーダーを受けた本の印刷に関わってくださる企業様がいらっしゃいましたら、現在当社は事業展開に向けて取り組んでるので、注文を受けた本の印刷をお願いしたいと考えています。また、当社の絵本サービスを提供したいと考えている企業としましては広報、PR、マーケティング、採用などのブランディングにおいて新しい手法を模索している企業様を考えています。社内においても新入社員の入社や長期勤続者のお祝いの際に贈るといった使い方もできます。よろしくお願いします。
--本日はどうもありがとうございました。
株式会社アッタデザイン
想いを描ける絵本ギフト
【ÉHON INC.(えほんインク)】
■3Dアバター絵本ギフトECサイト
■フルオーダー絵本ギフトサイト
https://fullorder.ehon-inc.jp/
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000051122.html
Professional Onlineでは無料で経営者インタビューに掲載いただける方を募集しています。お問い合わせフォームよりご連絡ください。
プロフィール
国則 圭太