すべての業務のワークフローをシステム化して日本企業の生産性向上を目指す

すべての業務のワークフローをシステム化して日本企業の生産性向上を目指す

株式会社エイトレッド 代表取締役社長 岡本 康広

カテゴリ: アプリ開発・システム開発、従業員数: 50〜99

2022.02.04

岡本 康広(おかもと・やすひろ)

株式会社エイトレッド 代表取締役社長

1971年島根県生まれ。1990年に上京、日立ソフトウェアエンジニアリング(現・日立ソリューションズ)入社以降、ソフトクリエイト、富士ソフトABC(現・富士ソフト)、DMM.comなどに勤務。2017年にソフトクリエイトグループに再々入社、2019年にグループ企業の エイトレッド代表取締役社長に就任し、現在はワークフロー総研所長も兼任。現在は、島根県のふるさと親善大使「遣島使」も務めている。

近年、紙やハンコを使っていたアナログな業務をデジタル化することで、ビジネスに変革を起こすDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。特に生産性の向上が求められる中小企業にこそDXが必要だと訴えているのが、株式会社エイトレッドの岡本康広代表取締役社長です。今回は、独自に開発したシステムで「ワークフロー」のデジタル化を進める岡本様にDXによる業務改善の効果や意義をお伺いしました。

 


3度目の入社で社長に就任


 

--2019年にソフトクリエイトグループの1社である、株式会社エイトレッドの代表取締役社長に就任されましたが、それまでの経緯をお聞かせください。


もともと経営者になることなど予想もしていなかったのですが、転職を繰り返しているうちに経営の道に進むことになりました。最初に就いたのは、島根県の高校を卒業後、新卒で入社した日立グループのシステムエンジニア職です。しかし、ずっとコンピュータに向かって仕事をするより、人と接する仕事がしたいと考え、ビジネスフォンの営業職を経て、入社したのがソフトクリエイトでした。


当時のソフトクリエイトはパソコンショップを展開する会社で、そこで法人営業としてパソコンやビジネスソフトの販売をしていました。地方出身者の根性を活かして、営業成績はナンバーワンになることができましたが、大企業向けで大規模のシステム営業に関わる仕事をしたいと考えるようになり、富士ソフトに転職しました。ですが、仕事が想像以上にハードで、今後について悩んでいるときに、ソフトクリエイトグループの現会長から「それなら、戻ってきて上場を手伝ってくれ」と呼び戻されたのです。


二度目の入社では、営業スキルを活かして、広報の立ち上げや他社との業務提携などを担当していたのですが、今度は最新テクノロジーを駆使した事業に興味を持つようになって、DMM.comに移って3Dプリントやロボット事業を新規に立ち上げて事業責任者を歴任しました。しかし、そうこうしているうちに、またソフトクリエイトの現会長から「戻ってきて手伝ってくれ」と声がかかったのです。


 

--3度も入社するということで、現会長からよほど信頼されていたのですね。


営業実績を残し、社長室長も務めていたことがあるので、私という人間を分かってくれていたのだと思います。その後、エイトレッドの社長が退任することになった際に、それまでにさまざまな会社でSEや営業、新規事業立ち上げや広報、マーケティングなど、あらゆる経験をしてきた私に白羽の矢が立ち、社長に就任することとなりました。現会長を始め、人とのつながりや縁で経営の道に進むことになったのです。


 

ワークフローのシステム化で生産性の向上をサポート

 

 

--現在展開されている事業内容についてお聞かせください。


エイトレッドは、ワークフローをデジタル化するシステムを開発して提供している会社です。ワークフローとは、文字通り、Work(仕事)のFlow(流れ)のこと、業務プロセスといってもいいでしょう。企業の業務には「申請・承認・決裁・実行」という一連のプロセスが存在しています。申請書や稟議書なども、多くの人の確認と承認(押印)を経て上層部に届き、最終的には決裁されます。


ワークフローは、直接売上には関係しないかもしれませんが、企業の意思決定を支える大切な要素です。それを紙やハンコで行っていては、企業の意思決定が遅れてしまいます。たとえば権限者が出張などで不在なら、そこでフローが滞ります。目まぐるしく変化する今の世の中では経営スピードの迅速化が大切ですが、フローが滞って意思決定が遅れることは大きなリスクとなるでしょう。


それだけでなく、紙の書類を手作業でフローさせていると、データの改ざんや承認印が勝手に使われたりするリスクもあります。

事後承認や自己承認を可能にしてしまうと、不正の温床にもなりかねません。紙の書類が大量にあれば保管コストや、事務処理を行う職員の人件費の拡大にもつながります。そのようなアナログな申請手続きが、無駄なコストを増やし生産性も下げる要因になっているのです。
 

 

--いまだにアナログなフローを行っている企業は多いのでしょうか。


弊社が東京都内の中小企業(従業員数30名〜300名未満)の経営者や役員に対して行ったアンケート調査では、57.3%の企業が「DXが進んでいない」と回答しています。DX推進の必要性が唱えられる中、大企業ではかなり進捗してきていますが、中小企業では「予算がさけない」「人材が足りない」「何から手を付けていいかわからない」といった理由から、まだ大半の企業でDXが行われていないのが実態です。


そうした企業の業務のデジタル化をサポートして、経営のスピードや精度を上げてもらい、無駄をなくすことで効率化を図り、生産性を向上してもらうことが弊社の使命です。


 

--具体的にはどのようなサポートを行っているのでしょうか。


複雑な業務に対応する標準機能と高い拡張性を持つ、大規模組織向けワークフローシステム「AgileWorks」と、ノーコードかつ直感的な操作性で運用者に負担をかけず少人数から手軽にスタート可能なワークフロークラウド「X-point Cloud」を提供しています。現在、3,500社を超える企業・自治体・官公庁・教育機関などにご導入いただいています。



--他にも、ワークフローシステムはあると思いますが、貴社の強みはどういったところにありますか。


弊社の製品は、市場ニーズや多くのお客様の声を反映して常に進化を続けています。また、1番のアピールポイントとしては独自の技術で、紙の書類と同じようなフォーマットをWeb画面に表示することが可能です。ですから、従来通りのイメージで申請書を作成することができ、紙運用からデジタル化する場合や、パソコンが苦手という人でも使いやすいと好評です。

 

 

--反対に、貴社が抱えている課題は何かありますか。


製品の良さを、わかりやすく伝えるプロモーションが今ひとつできていないことでしょうか。新規参入も増えてきてはいますが、弊社製品を検討の選択肢に入れてもらえれば、選んでいただけるユーザーは多いと確信しています。TVCMのような、予算のかかるプロモーションを行うことなく、弊社製品のことを知ってもらうための広報やブランディングをいかに効率的かつ効果的に行っていけるかが課題だと感じています。



「ワークフロー×○○○」でシステム化をビジネス全般に


 

--岡本さんの考える、今後の中長期的展望についてお聞かせください。


ワークフロー市場は、今後もさらなる拡大が見込まれる分野ですので、新規の参入製品も増えてきました。そうした中で、今後、どのように弊社の存在感を発揮していくかを考えたいと思います。


また、ワークフローは申請書や稟議書の決裁だけでなく、ビジネスのあらゆるシーンで活用されています。ですから、今後はワークフローを社内申請書の分野だけでなく、「ワークフロー×○○○」という風に、他の業務分野やクラウドサービスとのコラボレーションを通じて、ビジネス全般の業務改善、生産性向上に大きく貢献していきたいですね。
 

 

--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?


今、申し上げた今後の展望にもつながるのですが、ワークフローのデジタル化や製品サービス連携に興味をお持ちの企業様がいらっしゃれば、ぜひ、お声かけいただきたいですね。


また、弊社の強みは製品力だけではありません。現在、製品販売の約9割を全国の販売パートナーを経由してユーザーに届ける販売体制を敷いています。「よい製品があるのに販売力が弱い」という企業様がいらっしゃれば、弊社ワークフローと製品連携させて、弊社と協力して製品を広めてはいかがでしょうか。そうした販売面でのコラボレーションも、今後は進めていきたいですね。

 

--本日はどうもありがとうございました。

 

株式会社エイトレッド

https://www.atled.jp/

 

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