古川 央士(ふるかわ・ひさし)
株式会社アルファドライブ 執行役員 / インキュベーション事業部 事業部長
青山学院大学在学中に起業を経験。卒業後は経営や新規事業開発の基礎を学ぶため株式会社リクルートに就職。SUUMOで既存事業のUI/UX組織の起ち上げや、開発プロジェクトを指揮した。2018年11月、株式会社アルファドライブ執行役員に就任し、事業開発支援を行う。
新たな事業を開発する上で、必須になるのがマーケットリサーチですが、通常は市場の把握など外的調査を行うことが一般的です。しかし、本当に必要なことは外的な情報の把握ではなく、企業の内側の情報の把握ではないでしょうか。今回は、そのようなマーケットリサーチやただのコンサルティングではない、実体験を元にしたリアルな提案まで一気通貫して提供する株式会社アルファドライブ執行役員の古川様にお話をお伺いしました。
人の成長を促し、企業の変革にアプローチ
--本日はよろしくお願いします。早速ですが、古川さんのこれまでのキャリアや執行役員にご就任されるきっかけをお聞かせいただけますか。
青山学院大学に在学中に起業をしましたが、起業と言っても、運営していたのは様々な種のビジネスの委託を受けるするいわゆる受託企業でした。そこでの失敗経験もあり、卒業後は経営やマネジメントをもっと深く学びたいと思い、そのスキルが身につきそうだと感じた株式会社リクルートに入社しました。
株式会社リクルートでは、初めから事業開発に携わっていたわけではなく、SUUMOの事業に配属され、UI/UX組織の起ち上げや、開発プロジェクトなどに携わりました。その後、リクルートホールディングスで新規事業開発を行う部署に異動することになります。
在職中には、パラレルキャリアとして2013年より株式会社ノックダイスを創業し、2015年にはカフェ・バー「Bottles」、2018年にはイタリアンレストラン「trattoria filo」をオープンしました。
リクルートホールディングスの新規事業開発室に在職中には、自分自身が事業を創るのではなく、事業を創るメンバーをマネージメントする役割で苦労し、同じ様な境遇で困っている方々を支援したいと思い、リクルート卒業後は株式会社アルファドライブに参画しました。
企業や案件の規模を問わず幅広いクライアントをサポート
--貴社の新規事業開発コンサルティング事業について、具体的な事業内容をあらためて教えてください。
弊社では0→1を作るインキュベーション支援と1→10へと事業育成するアクセラレーション支援の2軸で運営しています。インキュベーション支援では「そもそもどういう仕組みで事業を創出していくのか」という制度を設計するため、半年から一年ほどかけて、事業を作りたい方に向けた研修、セミナー、イベント、事業の検証を行い、週に1回程度のメンタリングという進捗の確認なども行います。研修は1回2~3時間で、メンタリングはクライアントに応じてカスタマイズしているためケースバイケースです。
大手企業を中心にさまざまな企業の新規事業開発を支援しておりますが、研修やメンタリングだけではなく、新規事業開発に特化したSaaSサービス「Incubation Suite(インキュベーションスイート)」を使用して、より効率的な事業創出のご支援もしています。
--近年、新規事業開発支援に特化した企業が増えている印象がありますが、他社には無い貴社独自の取り組みや、強みについてお伺いできますか。
弊社の強みは3つあります。
一つ目は事業創出へのアプローチが違うことです。通常、新規事業のコンサルティングを行う際はまずマーケット調査など外部のリサーチを行います。しかし私の経験則では、外的調査よりも企業の中で働く人や企業の中に眠る事業の種など、内側に注目した方がより事業創出につながっていると感じていました。
そのことから弊社では、外向きのコンサルティングは行わないことにしています。外に向けた調査よりも、むしろ企業の内側に着目するような支援を行うことで隠れていた優秀な人材を見つけることができるなど、メリットも大きいと感じます。
二つ目に新規事業に関わってきた量が違います。弊社は創業約3年で58社、6,800の新規事業のアイディアに触れてきました。過去の話ではなく、今も生きている事業アイディアの知見を元に支援できるのも強みです。
最後に、社内にコンサルタントが一人もいないことも強みです。弊社は社外からはコンサルティング会社と言われることが多いですが、私たちはそう思っていません。弊社の中には、実際に試行錯誤しながら自分自身で会社経営や新規事業創りを行ったり、新規事業制度の仕組みづくりをしてきた人達しかいません。そのため、コンサルタントとして斜め上からアドバイスをすることは一切なく、伴走者として寄り添って自分たちの経験を元にリアルなアドバイスを伝えることができます。
実際に新規事業開発を推進した経験を持つメンバーが多数在籍し、最初の与件ヒアリングから提案までを現場のメンバーが全て請け負うことは、AlphaDriveだけの特徴だと思います。
--どのような企業様の新規事業開発をご支援するケースが多いでしょうか。
特段、業種・業界にくくりは設けておりません。新規事業開発支援においては0→1の行程に特化しているので多種多様な業界に対応可能です。事例としては大手企業様が多いですが、どのような企業でも、どのような規模の案件でもご提案しています。新しい事業を創り出したい方の支援をすることに案件の大小はないと考えていますので、どのようなご要望でもご支援いたします。
--今後、積極的に新規事業開発の支援を進めていきたい領域はありますか。
弊社のクライアントの中心は従業員数5,000人以上~数万人の規模の企業様ですが、300人ほどの会社からご支援が可能です。現在は一件一件人力でご支援をしていますが、中長期的にIncubation Suite(インキュベーションスイート)を活用し、事業創出の効率化/デジタル化を促進したいと考えています。企業自身の力で効率的に事業推進できるようになることが目標です。
また、新規事業創出の後半戦、アクセラレーションの部分も強化したいと考えています。
ご支援させていただく7割はインキュベーション期のご支援ですが、今後は事業化が決定した後のアクセラレーションのフェーズでのご支援も増やしていきたいですね。
事業開発支援で心に火を灯す
--最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
私たちは中小企業から大企業まで非常に多くの案件を頂いてきました。嘘のような話ですが、一社一社長い時間をクライアントと共に過ごす中で起案者や役員や関係者が涙を流すことが珍しくありません。
新規事業を創るうえで涙が出るほど没頭できる顧客課題に、ともに伴走できるのが弊社です。仕事上で大人が嬉し泣きや悔し泣きする場面に出会える企業がどれだけあり、無力感や不甲斐なさで溢れた心にもう一度火がつく瞬間に立ち会える企業がどれだけあるでしょうか。
まだ解決されていない顧客課題に取り組みたいと思っている方や、自分がやりたいことにもう一度本気で向き合いたい方は新規事業開発の領域でぜひご一緒しましょう。
--本日はどうもありがとうございました。
株式会社AlphaDrive
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古川 央士
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