富岡 輝有樹(とみおか・てるゆき)
株式会社アライアンス 代表取締役
大学卒業後、外資系半導体商社のフィールドエンジニアとして就職。その後、大手人材ビジネス会社にて求人開拓や新規事業立ち上げを経験。また、エンジニアスクールの立ち上げや人材紹介会社の立ち上げ支援などに携わった。
現在は株式会社アライアンスの代表取締役として、全国の企業に対してさまざまな営業支援を中心とした事業を展開し、自身も研修トレーナーとして個人・法人を対象にノウハウを伝えている。
株式会社アライアンスは、セールスやコミュニケーションの課題である「営業力」「組織力」「コミュニケーション力」を高め攻略することを通じて、全国のさまざまな企業のパートナーとしてビジネス拡大をサポートしている会社です。全国の営業マン・リーダー・経営者が受講している実践型営業トレーニングプログラムの認定トレーナーであり、世界のTOP営業マンの実績を分析し、科学的な根拠に基づく最新心理学を応用した体系型プログラムを用いたノウハウを使って、累計100社以上の企業を営業支援してきた富岡社長にお話を伺いました。
地方でもリモートで稼げる人を増やしていきたい
--本日はよろしくお願いいたします。まずは、富岡さんのご経歴をお聞かせください。
私は大学卒業後、外資系半導体商社のベンチャー企業にフィールドエンジニアとして就職しました。主に営業兼技術営業としても動き、大手企業に対してニーズヒアリングを行って商材などの提案をしていました。その後パーソルグループに入社し、約18年にわたって人材ビジネス事業に携わりました。
人材ビジネス事業では人材紹介や企業・求人開拓、新規事業立ち上げなどを経験し、特にエンジニアやIT(ハード・ソフト)などの技術領域に関する人材提案をしていましたが、18年という長い時間のなかで、首都圏エリアすべてを担当したことが、さまざまな企業の課題感を知るきっかけになりました。
また、エンジニアスクールの立ち上げを営業と人材紹介の観点から支援したり、人材紹介の立ち上げをしたりと、多くの経験をしました。このような経験が、現在の株式会社アライアンスにつながっています。
--株式会社アライアンスは2022年2月に立ち上げられています。法人化されたきっかけや背景をお聞かせください。
法人化した背景は、2つあります。
一点は、大手企業との直接取引がやりやすくなることです。私たちのビジネスで新たな開拓や取引先を増やそうと思うとき、相手は企業・組織の代表や社長といった方々です。となると、個人事業主が打ち合わせを行うこと自体が不安を感じさせてしまうことに繋がります。相手への不安を感じさせないために、法人化を決断しました。
もう一点は、東日本大震災がきっかけです。現在、私が担当する企業研修は東北地方がメインなのですが、東北は東日本大震災で大きな被害を受けており、現在でも傷跡が深く残っています。
はじめて東北に行ったのはおよそ9年前ですが、その当時、「企業研修は地域を知ったうえで伝えたほうがより伝わる」という思いから、「東日本大震災ミュージアム」を見に行きました。ミュージアムそのものは、後世まで震災の被害などを伝えていくための施設として素晴らしいものだったのですが、それよりも私が衝撃を受けたのは、その周辺に「街がなかった」ことでした。
ミュージアムの周りには東京ドーム40個分くらいの土地が広がっていますが、津波によって何もなくなってしまっていたのです。この光景を見たとき、人がいない、企業がないという現状を目の当たりにして、これまで人材ビジネスを行っていた私は「私自身の必要性がない」ということに気づき、自己否定せざるを得なくなってしまったのです。
しかし、東京から離れた地方で起こっている現状を体感した私は、徐々に「自己否定している場合ではない」と感じはじめました。この地域でしか生きていけない人もいる。そういった人たちが、リモートで年収1000万円稼げるようにサポートしていきたい。多くの人とコミュニケーションを重ねるうちに、そのような思いが強くなり起業に至りました。
経験をフル活用した事業展開。人との縁が今をつくった
--先ほど、年収1000万円稼げるように……とのことでしたが、とても魅力的ですよね。
そうですね。被災した地域でも、年収1000万円が稼げれば十分生活できます。もちろん東北に住む方々だけでなく、私が関わってきたお客様でも困っている人たちは多くおられましたので、これまでに出会った方、ご縁のあった方を支援したいと思い、今に至ります。
--株式会社アライアンスでは、エンジニアや営業マンの支援など幅広くされていますよね。
私自身、ITの知識やリテラシーがありますし、私の仲間にはエンジニアやフリーランスとして活躍している人が多いです。また、教育ができるような人も多くいます。営業系については、私の人材ビジネスの立ち上げや研修講師兼トレーナーとしての経験を活かして支援しています。
--なるほど。では、御社の強みはどこにあると思われますか?
営業の戦略立案から育成(営業研修など)までのフルカスタムをパッケージで用意していることが強みです。現在、全国の企業に対してトレーニングを行っていますが、私のノウハウや用意しているパッケージを活用することで、売上をあげるだけでなく優秀な営業マンを未経験から育成することもできます。最終的には、研修そのものを自社で内製化することも可能です。
これは、人材ビジネス時代で約3万社に対してテレアポや飛び込み営業を行っていたことや、スクールを立ち上げた経験で手に入れた「マーケット」や「売り方」を熟知しているからこそ実現しました。
「雇用の創造」「社会貢献」「人の成長」の3つを実現する仕組みを作る
--最後に、今後の展望をお聞かせください。
今後の展望としては、「雇用の創造」「社会貢献」「人の成長」という三つの理念……これは、パーソルの経営理念なんですが、18年の長きにわたって染み付いたものなので、これらを実現する仕組みづくりや枠組みづくりがしたいと、心から思っています。
ただし、これらは一人ではできません。私は、いつも誰かに「一緒にやらない?」と誘いながら物事を進めてきました。いろいろな人に助けられて今があります。これからも、様々なスキル・価値観を持つ方との「アライアンス形成」ができたらと思っています。最近では、「社会貢献」として世界中の学校支援を行っています。今、世界には学校に行ったことがない子供たちが1億人以上います。日本の人口よりも多いんです。子どもたちが、数字や文字が読めないまま大人になったらどうなるか、想像もできないですよね。私たちは、そんな子どもたちを一人でも減らすための支援を展開しようとしています。
--本日はどうもありがとうございました。
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