電子契約に留まらず社内承認から契約書の管理までワンストップでできるクラウドサービスで「契約業務全体のDX」を目指す。

電子契約に留まらず社内承認から契約書の管理までワンストップでできるクラウドサービスで「契約業務全体のDX」を目指す。

株式会社マネーフォワード 新規事業開発部 和田 直樹

カテゴリ: IT・情報通信、従業員数: 500〜999

2021.08.06

株式会社マネーフォワード  新規事業開発部 和田直樹(わだ・なおき)

 

コンサルティング会社やベンチャー企業の経営を経てマネーフォワードに参画。多くの企業が抱える、法務分野のオペレーション課題を解決すべく、リーガルテック事業の立ち上げ・推進をおこなっている。

 

 

東証一部上場を果たし国内のSaaS企業として常に市場を牽引し続けてきた株式会社マネーフォワード 。同社の新たな挑戦となる新事業「マネーフォワードクラウド契約」の特徴や、今回の挑戦に至った背景について、2021年4月にジョインした同事業の責任者和田直樹氏にお話をお伺いしました。

 

 

挑戦し続ける元ミュージシャン

ー 本日はよろしくお願いいたします。まずは、ご経歴とマネーフォワード様に参画された経緯をお伺いできますか。

 

はい。私は高校在学中にプロミュージシャンとしてデビューし7年ほど活動していました。活動に一区切りがつき次のチャレンジについて考えたのですが、ずっと音楽をやってきたためPCスキルもなく、今後どこで仕事をしていくにもPCのスキルを身につけなくてはいけないと感じました。そこで、あるITベンチャーに未経験で採用してもらい、SEとして自分で商品を作りつつ自ら営業していたのがキャリアの始まりです。

 

その後は、社内でSES事業を立ち上げて100名くらいの規模まで成長させたほか、デジタル広告のプランナー、AEや今で言うDXコンサルタントとしての活動、ITプラットフォーム企業でのSaaS事業立ち上げなどを行い、その後、知人が経営する会社にCOO兼CROとして参画し、低迷していた業績を回復させ、最終的には上場企業に売却するに至りました。そして、次のチャレンジについて検討していたところ、マネーフォワード社にお声がけいただいた形です。

 

 

ー キャリアを通して様々なチャレンジを続けられてこられていらっしゃいますが、成功要因はどのような点なのでしょうか。

 

はい。失敗も多くしておりますので、結果的にもし成功と言えるとすれば、自分が今までやってこなかったこと、できないことを埋めるよう挑戦し続けてきたこと、もう一つは、周りに恵まれていたということです。挑戦の場を与えてくれた当時の上司や、間違っている時には指摘してくれた当時のメンバーには本当に感謝しています。

 

 

「契約」だけでなく「契約業務全体」を効率化する

ー では、事業内容についてお伺いできますでしょうか。

 

はい。マネーフォワード クラウド契約は電子契約だけでなく、その手前の押印申請・承認のワークフローや、契約締結後の紙や電子の契約書を一元管理できるワンストップ型の電子契約サービスです。

 

他社と大きく違う点は2点あります。一つ目は、押印申請・承認のワークフローとセットになっていることで、契約締結前からの契約情報、経緯、承認履歴や承認担当者など契約管理にかかわるわらゆる情報を契約締結時点で網羅できる点です。

 

ワークフローシステムが分断している場合、契約書への押印の申請をするワークフローシステムにログインし承認番号をピックアップして電子契約システムと照合するなどの作業が都度発生します。量が増えてくると証跡をたどるにも大きな人の手間が発生します。

マネーフォワード クラウド契約では、契約に絞って契約書に関する履歴情報の把握ができますので、手間の削減だけでなく社内の情報引き継ぎ、透明化にもつながります。

 

 

二つ目は、紙の契約書と電子契約書を同じ管理項目で一括管理できることです。当社でアンケートを取ったところ、現在電子契約サービスを利用されている企業様のうち、約8割の企業様が、いまだに半分以上の契約が紙の契約書で取り交わされていることがわかりました。もちろん過去に締結した紙の契約書もそのまま残っています。

つまり、今後も契約管理においては紙の契約書と電子契約書が混在してしまいます。

 

過去に締結した契約を確認したいとなった場合、倉庫のファイルに保管されている紙の契約書を探し出したり、電子契約で締結している場合、各電子契約システムにログインして、その中から探したりなど、管理する箇所がどんどん増えていきます。

クラウド上に契約書データをまとめておくにも、細かい契約条件などは一覧では確認しきれないこともあり、共通の台帳を用意してどこで保管・管理しているのかといったこれまでなかった業務も増えてしまうことも考えられます。

 

マネーフォワード クラウド契約は、電子契約の利便性・スピード感を十分に担保しながら、押印申請・承認から管理まで一気通貫で利用できますので、ガバナンスを強化したいマネジメント層や、契約の管理工数を下げたい管理部の方々、スピード感を持って早く電子契約を締結したい現場の方々、紙・電子かかわらず契約にかかわる全ての方にとってメリットがあるサービスになっていると思います。

 

 

ー ありがとうございます。マネーフォワード様が電子契約領域に参入した背景はどのようなものだったのでしょうか。

 

はい。当社はこれまで経理・財務や人事労務などバックオフィスを支援するサービスを提供し10年近く企業様と向き合ってきました。既に電子契約市場には既存サービスもありましたが、依然として企業様との対話の中で法務の課題は非常に大きく、さらにデジタル化が進んでいないという実態を感じまして、会社として法務の課題に向き合うべきだという結論に至りました。

 

当社でも電子契約サービスを入れていたものの、申請や管理には別のサービスを使っていたため、契約書の管理が煩雑であるという課題に直面しておりました。そういった背景から、電子契約だけではなく契約業務全体のデジタル化が必要なのではないかと考え、サービスを開発するに至りました。

 

 

ー 自社での経験から課題を感じ、他社も同じような課題を抱えていたことから自社でのサービス開発に至ったのですね。

 

はい。電子契約システムは広く認知されてきてはいますが、いまだ残る紙の契約書との混在や、情報管理の複雑さなどまだまだ課題が残されています。

マネーフォワードクラウド契約では、紙の契約書との共存だけでなく他の電子契約サービスで締結した契約も管理できます。

 

 

ー どのような企業様がご利用しやすいかお伺いできますでしょうか。

 

規模に関わらず、いずれの企業様にもお使いいただける仕様になっておりますが、敢えて申し上げると、すでに電子契約サービスを利用されている企業も含めて、契約が多い比較的規模の大きい企業様や、契約書の管理に対して課題が強い企業様、例えばIPO準備を始められている企業様などは相性が良いのではないかと思います。また、契約書の管理に多くの時間を割かれている企業様はよりメリットを感じていただきやすいサービスとなっているのではないでしょうか。

 

 

契約書に関わる方達を煩雑な作業から開放したい

ー 今後についてもお伺いしたいのですが、事業拡大に向けた施策についてお話しいただけますでしょうか。

 

現在はマネーフォワード クラウドをご利用の企業様に向けたご案内を中心におこなっています。さきほど申し上げたように、まだまだ契約業務における課題意識をおもちの企業様に向けて、他社様との共催セミナーや個別の勉強会などを通じ契約業務全体の課題感やデジタル化の必要性を発信していきたいと考えています。

 

また先ほど、契約業務を一括で管理できるようにするという話をしましたが、当社としてその先に考えていることとしては、マネーフォワードクラウド請求書など、当社内の他のサービスとも連携させていきたいと考えています。

 

請求書を発行するためには、その前に注文書や売買契約が発生しますし、給与を計算するための給与情報は雇用契約書に記載されていたりします。企業様の活動の起点には契約が必ず発生するので、これらの情報が電子化されていれば、バックオフィス業務が全てシームレスに展開できるようになっていくと思います。

 

 

ー ありがとうございます。マネーフォワードクラウド契約の提供を通してどのような社会を目指されていますでしょうか。

 

そうですね。まずは法務部門をはじめ契約書に関わる方達を煩雑な作業から開放し生産性の向上を担っていきたいです。

 

 

ー 最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

 

はい。まず、当社へご興味をお持ちいただきましてありがとうございます。電子契約は非常に利便性の高いものではありますが、その分導入に関するご不安や、少し導入してみたけれどうまくいかなかった方々もいらっしゃると思います。

 

当社としては、契約を電子契約にしましょうというのではなく、契約業務全体を効率化させよう、という思いを持っていますので、もしご興味ありましたらぜひお問い合わせください。

 

 

ーありがとうございました。

 

 

 

マネーフォワードクラウド契約

https://biz.moneyforward.com/contract/

 

株式会社マネーフォワード
https://corp.moneyforward.com/

 

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