太田 義孝 (おおた・よしたか)
大学時代にフリーランスのデザイナーとして業務経験を経て、2016年FunTech株式会社を設立。5年の起業経験の中で、Webデザイナーとしてだけでなく、動画のプロデューサーとして多くの制作案件を担当。
「ALL FOR FUN!」をテーマにクリエイターが人生を楽しむ場所として、作っていて楽しいもの・かっこいいものをつくるFunTech株式会社。各事業の強みから、クオリティーの高いクリエイティブ制作を可能にする組織づくりについて、代表取締役CEO 太田義孝氏に話を伺いました。
起業後見つけたハイクオリティープロダクションという方向性
ー 本日はよろしくお願いします。まずは太田様のキャリア、起業のきっかけをお伺いできますか?
はい。私は大学2年生の時に起業に興味を持ち始めました。そこで起業に興味がある学生を100人ほど集めて学生団体を創設し、代表を務めておりました。その学生団体は、興味があることがあればその本人がプロジェクトリーダーとして、立ち上げからマネタイズまで実行する形式を取っていて、在籍時には10個程のプロジェクトがありました。しかし、学生が運営するプロジェクトで費やせる時間が少なかったこともあり、なかなか苦戦しているプロジェクトが多い中、唯一好調だったのが大学生エンジニアがWeb制作を行う現在のFuntechのプロジェクトです。
当時は学生エンジニアのコミュニティを作り、一般の制作会社が受ける単価の半分で制作するという戦略で営業活動を行なっていました。この戦略がお客様に好評いただいて、100万円程の売上達成したことにより、本格的に事業をしようということでFunTech株式会社を設立することを決めました。
最初は、Adobe社のイラストレーターの操作も不十分だったので、ひたすらKeynoteで資料を作成していました。そんな中、その企画書を見た企業の方にデザインを褒められたことがきっかけで、自分でデザインをやってみようと思い様々なデザインツールも勉強し、自身もクリエイターになることができました。
その後も案件をもらいながら自分のデザインレベルを上げるために当時は月に10本くらいLP(ランディングページ)のデザインを作成していましたね。その甲斐もあって1年後には、クオリティーの高いデザイン制作ができるようになっていました。
起業して2ヶ月たった頃には、自分も周りもデザインが好きで洋服などのこだわりも強いタイプだったこともあって、ハイクオリティープロダクションに方向を持っていきたいと考えるようになり、そこから学生団体を解散して、一部のメンバーだけを残し、よりクオリティーの高いデザインを目指していくようになりました。
ー 学生時代に起業をしていますが、就職しようとは思わなかったのでしょうか?
正直就職しようと思ったこともあります。当時、起業にあたり、親の反対もあってしばらく口をきかない時期もあったくらいです。
実際、就職活動をした時期もありますが、やはり企業に勤めるより自分で事業を行う方が面白そうだと思いましたし、何より自分自身の力で起業することに魅力を感じました。また、共同創業者の1人に既に学校を辞め、起業への覚悟ができている仲間がいました。そういったこともあり就職することなく起業の道に進みました。
ー 学生起業でクリエイティブ系の会社を立ち上げた際、人脈開拓はどういった方法を取られたのでしょうか?また会社としてのターニングポイントになったエピソードなどありますか?
人脈開拓の方法は主に交流会にたくさん参加することでした。50人に名刺交換したら1人、2人は良い人に出会えると思い地道に参加していました。親と喧嘩してまで作った会社だったので当時はもう後がないと思い、とにかく必死でしたね。
実は、学生団体時代はお金を稼ぐことだけを考えていたので、今思うと満足のいくクオリティーではなかったと思っています。ですが、それだと自分たちもデザインをしていて楽しくなかったですし、時にはWeb制作事業からの撤退案が出たりもしていました。そんな中「自由に作って良いよ」と全てお任せ頂ける案件を頂いた時に、クオリティの高いサイトができてすごく楽しかった感覚があって、その案件をきっかけに”ハイクオリティーなものを提供する”といった方針が決まりました。会社のクリエイティブ制作事業としての方針が定まり、それに合う案件で納品できたタイミングがターニングポイントだったと思います。
ー 次に、御社で取り組まれている事業に関してお伺いできますか?また各事業の強みなどお伺いできますか?
弊社で運営している事業は下記の2つです。
・WEBサイト制作事業
・動画制作事業
まずWEBデザイン制作事業に関しては、自分も含め社員全員がクリエイターであり、クリエイター出身ながらマーケティングに詳しい経験豊富なディレクターも多く在籍しています。デザイン企画に関してのモダンなセンスを持った社員が多いため、トレンドに沿ったWEBサイトのプロデュース力が強みです。また、デザインのクオリティーとそれに至る企画力も強みです。
2つ目の動画制作事業に関しても、WEB制作と同じく経験豊富なディレクターが素晴らしい企画を作るところが強みだと思っています。
基本的に弊社のクリエイティブ戦略の得意領域として、企画とデザイン力が強いところにあります。
デザイン力は動画でいうと映像のクオリティーです。一番多いのはブランディング案件、いわゆるPR案件になります。コーポレートブランディングのためのWEBサイト制作や動画制作や採用ブランディングのための制作をさせていただくことが一番多いです。最近だと、企業の社名変更によるクリエイティブをリニューアルする案件を担当しました。ロゴから、コーポレートサイト、採用サイトや社内資料のテンプレートの制作に至るまで全部に関わりました。こういった総合的ブランディングをするのが弊社の強みです。
◼︎FunTech制作WEBサイト事例
・本田技研工場株式会社 採用オウンドメディア
https://www.honda.co.jp/career/
・株式会社トプコン ブランドサイト
https://www.topcon.co.jp/brand/
・GRASグループ株式会社 コーポレートサイト
◼︎FunTech制作動画事例
・Taimee(現Timee)ブランドムービー
https://vimeo.com/341283798/aaa785b4cd
・日本大学櫻丘高等学校 プロモーション動画
https://vimeo.com/464669500/7cbb940534
・株式会社 M&A総合研究所 ブランドムービー
https://vimeo.com/526838761/6921e911dd
また、外部のクリエイターでも20~30名の繋がりがあり、大規模な案件であれば監督やカメラマン、照明や音声をアサインしてベストなチーム編成で制作に取り組みます。技術部分が外部にも充実しているので、案件に合わせてチームで柔軟に対応できるのも強みですね。
ー強みのクオリティーという部分に関して、会社が大きくなるに連れクオリティーの担保がどうしても難しくなっていくと思います。社長として担保したいクオリティーを、社員まで浸透させるために何か行なっていることはありますか?
例えば、デザイナー同士でノウハウを共有する会を開いたり、クオリティーについてルール決めをしていてデザインの部分でいうと、余白などかなり細かくルールを設けて伝えるようにしています。
また、私自身がほとんどの案件のデザインのチェックをしているので、クオリティーが担保出来ていると感じますし、今後も続けていくつもりです。自分自身のデザイン企画力を社内共有することでクオリティーを維持していこうと思っています。
採用の苦戦で見つけた場所を選ばないという選択肢
ー熊本拠点があるとお聞きしました。熊本進出を決めたきっかけなどあれば教えていただけますか?
もともと東京での採用に苦労した時期がありました。それなら地方も良いのではないかと考えた時に、たまたま食事をしていた経営者の先輩が熊本出身でその会社が熊本進出するというので、遊びに行ったことがきっかけです。行ってみると熊本県の中でも県南地域で、IT企業が1つもないと言われている地域だったんです。しかしそこは東京のIT企業がサテライトオフィスを作る、いわゆる企業誘致を推進していた地域でした。じゃあどんなところにオフィス作れるのかと思い視察しに行くと、廃小学校をリノベーションした場所でした。目の前に海があって、後ろに山あるといった大自然の絶景のロケーションに感動して、すぐに進出を決めました。
ー熊本進出の際に困ったことなどはなかったのでしょうか?また東京と熊本で行なっていることは同じなのですか?
進出にあたって困ったことは、特にありませんでした。家賃も東京だと何十万円もかかるようなところですが、熊本だと数万円程度でオフィスを構えられます。加えて、熊本から補助金が出るので家賃が3年間程度も半額免除され、補助精度がしっかりしていたのでリスクはほぼなかったです。
業務内容についても、熊本も東京と同じです。新型コロナウイルスの影響でリモート環境が当たり前になったのも相まって熊本にいても東京にいても同じことができるのはとても良いことだと思っています。
ー採用に苦戦したとありましたが、その後採用方針は変わったのでしょうか?
採用に関して、熊本県に進出したことで求職者へのアピールポイントが増えたと感じます。
wantedly(求人情報ウェブサイト)に掲載する際、東京でのエンジニア募集とデザイナー募集、熊本でのエンジニア募集とデザイナー募集を出せるようになり求人記事を多くの種類で掲載できるようになりました。実際に1,000人以上の応募があったので採用の幅が広がり効果があったのだと思います。こういった採用効果もあり、今働いているメンバーは精鋭ぞろいの良い仲間が集まってくれました。
高い企画力とデザイン力で企業のクリエイティブクオリティに貢献する
ー今までの制作の中で思い出深い案件などあれば教えてください。
本田技研工業様の採用オウンドメディアを制作したことが思い出深いですね。
実家がホンダ車しか乗っていないくらい自分自身、本田技研工業様への思い入れが強く、また起業した時の夢で『いつか本田技研工業様と仕事がしたい』と言っていたんです。それが叶った時は、やっとここまで来たかと感慨深かったですね。
あともう1つ、社名変更する際のクリエイティブ全般リニューアルに関わる案件も思い出深いです。
私たちの中では大企業の社名変更だったので、今後自分たちが制作したものが有名になっていくのではないかと期待しながら制作したのでとてもワクワクしながら制作したのを覚えています。
ーでは 今後力を入れていきたい分野についてお伺いできますか?
はい。今後は、WEBコンサルティングや、クリエイティブが完成した後の運用を一気通貫でやっていけるよう広告関連にも力を入れていきたいと思っています。
また、動画制作部分の強みも活かしてYouTubeの事業も始めていきたいと考えているので順次社内体制を整えていきたいです。
ー ありがとうございます。最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?
これからも様々な経験を積みながら成長していきたいと思っています。企業やサービスのブランディング、PR、マーケティングしていく上での高い企画力、デザイン力というところでクオリティーには必ず貢献していけるので是非高品質なサイトを作りたい際にはお声がけいただければと思います。
ー 本日はどうもありがとうございました。
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太田 義孝
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