グループ2社170名の機動力とネットワークを活かして、多種多様な物流のニーズに対応する

グループ2社170名の機動力とネットワークを活かして、多種多様な物流のニーズに対応する

株式会社AEトランスポート 代表取締役 野田 慎太郎

カテゴリ: 物流、従業員数: 50〜99

2021.09.10

野田慎太郎(のだ・しんたろう)
株式会社AEトランスポート 代表取締役社長

1987年大分県生まれ。自衛隊勤務を経験した後、20歳でヤマト運輸にアルバイトとして入社。22歳で正社員登用と同時に管理職であるセンター長へ就任し幅広い業務を担当。27歳で同社を退社し、自身を成長させてくれた物流業界に恩返しをすべくAEトランスポートを設立。すべての関係者が「頼んで良かった」「やってよかった」と価値を実感できる会社を目指す。座右の銘は「百折不撓(ひゃくせつふとう)」の精神、信念、プロ意識。
 

自分を成長させてくれた物流業界を盛り上げ恩返しするべく、起業を決断


 


 

 

―本日はよろしくお願いします。早速ですが、野田さんのキャリアや起業のきっかけをお聞かせください。

 

20歳のとき、従兄弟の紹介でヤマト運輸にアルバイトとして入社しました。当初から正社員を目指していましたが、その当時は物流業界に特に興味があったわけではなく、生活を安定させるための就職でした。ところが、入社してみると物流の仕事の面白さに気づき、22歳までの2年間は準社員として、22歳からは正社員登用と同時にセンター長に就任して、がむしゃらに働きました。

ヤマト運輸の場合、通常はセンター長の上に支店長がいるのですが、その支店はセンター長と支店長が兼務でした。配達・集荷をやりながらセンター管理、営業管理など管理職の仕事をこなす必要があり、忙しい毎日でしたが管理職としてのマネジメントを学べました。


 

―24歳で日本郵便に転職されたのは、何かきっかけがあったのですか?

 

他の会社の仕事も見てみたいと考えたからです。

郵便局の一大イベントの年賀状販売では、2年連続トップの成績を上げることができ、年賀状の出発式で宣誓を任されたこともあります。単に「年賀状を買ってください」と売り込むのではなく、「年賀状でDMを出しませんか」と用途を踏まえた提案や、年賀状を出さないお客さんには年賀状の歴史や良さを伝えるようにしたことが成果につながったと考えています。

おかげで、年賀状は出さないと決めていたお客さんが2000枚も出してくださったこともあります。年賀状だけでなく、荷物の配送など法人営業にも力を入れ、仕事尽くしの毎日でした。

 

―充実した日々のように思えるのですが、どういった心境の変化で起業を決心されたのでしょうか?

 

27歳のとき燃え尽き症候群のような状態になって、出勤できない、電車に乗れない日々が続き、パニック障害と診断されて退職したのです。当時は、独立や起業はまったく考えていなかったのですが、家にこもって「自分がしたいことは何か?」と自問自答し続けました。

その結果、健康状態が回復して仕事に復帰しても、会社員として自分ができる事は限られていると気づきました。

それなら、これまでお世話になり、成長させていただいた物流業界で起業しようと決意しました。物流業界を盛り上げ、世間の注目をさらに集めることが自分の使命であり、物流業界への恩返しになると考えたのです。

そこで、銀行の融資を受けて軽トラックを1台購入し、AEトランスポートを創業しました。創業当時はすべての業務を一人でこなしていたので、購入した車の使い勝手が悪く、買い直すなど回り道もありました。

 


 

顧客が安心して荷物を任せられること、スタッフが安心して働けることが何よりも大切

 

 

―現在物流事業を中心にビジネスを展開されていますが、具体的な事業内容をお伺いできますか?

 

最も力を入れているのは軽貨物を活用した運送事業で、事業全体の9割を占めています。AEトランスポートと熊本、福岡、宮崎、福島、東京で委託のドライバーを抱えて運送事業を行うAE物流のグループ2社で、ルート配送、チャータースポット便、宅配便緊急便、引っ越し便、企業専属便など、幅広い業務に対応しています。顧客は法人がメインで、ヤマト運輸、郵便局、佐川急便、Amazonといった全国展開の企業のほか、小売り、メーカーといった地場企業とも提携してルート配送などを行っています。

170名のドライバーは業務委託の個人事業主がメインで、自社社員はパートを含めて15名です。その他、生保、損保の保険営業代理店業、ハウスクリーニング業務にも取り組んでいます。

 

―御社の独自の取り組みや強みをお伺いできますか?

 

170名のドライバーが在籍しているため、その規模や充実したネットワーク体制を活かし、多様な案件に対応できることが大きな強みだと思います。現在、軽貨物を扱う企業は国内に16万社程度ありますが、委託契約社員を150名以上抱えている企業は30社もありません。また、大分では軽の冷凍冷蔵を所有している会社は少ないですが、当社であれば冷凍冷蔵案件にも対応可能です。また、突発的に荷物を運ぶ必要が生じた場合など、当日対応を含めた対応が迅速とお客様から嬉しい評価を頂戴しております。

現在、物流の世界では荷物保険、労災保険をかけることが必須となっていきました。当社の場合、保険の代理店業務を行っているので、お客様も安心して荷物を預けていただくことができ、スタッフも安心して業務に当たることができます。急な配送などに対応する軽貨物の会社は他にもありますが、料金が高い、保険に対応していないなど不安要素が多いのが現状です。

 

―保険があるとドライバーも安心して働けますね。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

 

荷物が破損した、熱中症で配達ができなくなったといったトラブルを補償します。個人で保険に加入すると毎月数万円が必要ですが、AEグループにて加入すると税込1500円で加入できます。このほか、ドライバーには市場よりも安いガソリンカードを提供しており、経済的事情で車を準備できない方には車のリース制度も完備しています。委託ドライバーが所有する車が車検や故障などで使用できない場合にも、車両を貸し出し可能です。 

案件の多様さもスタッフのメリットにつながります。ドライバーの中には週に1〜2日という兼業型もいれば、週5〜6日しっかり働くという人もいます。また、深夜の新聞配送を専門にしている人もいれば、夕方からの宅配のみという人もいます。豊富な案件がある当社であれば、こうした多様な働き方に対応可能です。

 

―ネットワークの充実も強みと伺いましたが、具体的にどのような取り組みを実践しておられますか?

 

主要現場には、管理職やマネジメント能力に優れたスタッフをリーダーとして置いています。物流業界では珍しいケースですが、リーダーがいることでドライバーと密な連携が取れ、シフト管理や業務管理の効率化が進んでいます。取引先との対応や誤配などにも迅速に対応できます。

また、ドライバーとグループLINEを作成して情報共有しているほか、物流業界の情報を共有できるYou tubeを運営しています。ドライバーの意見や要望を吸い上げてYoutubeに挙げる動画のテーマに反映させており、最近はYouTubeを見て面接に来る人も多いんですよ。

また、法人化を目指す委託スタッフのために、人材確保や取引先との対応などのノウハウを提供しています。AE物流の社長は個人事業主のドライバー出身ですし、当社で働いてお金を貯め、別業種で起業した人もいます。技能を持つドライバーが在籍しているので、ドライバー同士が交流して、新しいビジネス機会に繋がるケースもあります。

 



 

業界の地位向上と活性化のために、さまざまな取り組みを実践していきたい

 

--今後の事業展望についてお伺いできますか?

 

九州エリアで200〜300名のドライバーを確保し、さらに5年以内に全国で1000人のドライバーを確保することが目標です。物流業界の地位の向上に努めるとともに、コロナ禍でも需要のある物流業界の魅力を伝えて、業界に関わる人を増やしたいと考えています。

同時に運送業も接客業と考えて接客やマナーの向上を目指します。お客さんに最終的に荷物を渡すドライバー「ラストワンマイル」の活性化のために、接客マナーの教育やYouTubeを活用した安全意識を高めるための取り組みにもいっそう力を入れていきます。


 

―最後にProfessional Onlineを見ていただいている経営者、決裁者の方に向けてメッセージをいただけますか?

 

多様なニーズにお応えできることが当社の強みです。デパート、ネットスーパーから、お米、塗料、医学検査検体、医薬品、など、幅広い業種の店舗や個人事業主からもご要望をいただいております。保険代理店業務も活かして、安心してお任せ頂ける物流をモットーとしておりますので、特に九州エリアで荷物配送を必要とされている方は、ぜひお声かけ頂ければと思います。


 

―本日はどうもありがとうございました。

 

 

株式会社AEトランスポート

https://ae-transport.jp/

 

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